呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第113話 気になってはいた
スキルが強化されない? どういうことだ? いやまて、そもそもスキルが強化されていくというのがおかしい話なのか? 連続でスキルが強化されたのは偶然だったのか?
屑鉄のダンジョンでもミスリルのダンジョンでも、クリアした時にこの部屋にいる生命体のスキルを強化しますという一文があったはずだ。だからこそダンジョンに潜ってスキルを鍛えようとしていたわけだが……何故強化されない?
「どうしたのキミヒト? 驚いたような顔してるけど」
「クロエ、ダンジョンクリアした時に何か文字が見えるか?」
気になってはいた。俺には見えていたしフラフィーが体感していたように実際にスキルの強化は行われていた。だが普通こういったテロップとか通知は見えないんじゃないか?
あかねには見えていたのだろうか? もし見えていたならあかねの性格的に何かはしゃいでいてもおかしくはなさそうだ。そしてロンドのメンバーもそうだ。あいつらはロマンで攻略している。
「いいえ? この石板の事を言っているわけじゃあないんでしょう?」
「ああ。俺にはダンジョンコアを破壊した時に何か文字が見えるんだ」
「へぇ……なにか困ったことがあるようね」
あんまり人前で言いたくないというのがクロエにはわかったようでそれ以上の追及は無かった。だって今ダンジョンクリアしたからめちゃくちゃ人でごった返してる。
「うおー! びっくりした誰がクリアしたんだ!?」
「キミヒトだってよ! この前ミスリルのダンジョンもクリアしてなかったか!?」
「スゲー! 疾風のロンド以外に攻略に熱だしてるやつ初めてみたわ!」
などなどたくさんの探索者が盛り上がっている。しかし俺の顔をちゃんと覚えている奴なんか少数派なのでここは簡単に抜けて帰る事が出来る。
「キミヒトってあいつじゃないか?」
「本当だ、噂通り子どもたちに囲まれてるな」
「噂通りのガチのロリコンじゃん。ダンジョンクリアより女の子と一緒に探索とかそっちのほうがロマンだろ」
と思ったがロリコンという噂も一緒に流れていたので一瞬でバレた。普通に探索者は男が多いし女が混ざっていてもみんな成人していたり、少なくともクロエとイリスのように子どものように見える探索者はいない。
優越感あるね。
「みんなー! 今からギルド行けば奢ってやるぞー!」
というわけで嬉しい噂のお礼も火消しも兼ねてまたこいつらの飲食代を持たせてもらおう。このなかにロリコン戦士というあだ名を付けてくれた奴がいるかもしれないし。
あとこのまま通り過ぎるのは不可能だし何もしなければ確実に絡まれまくるだろう。ここで質問攻めにされるのはめんどくさいしギルドに全員押し込んだ方が処理が楽。
「うおー! ロリコンサイコー!」
「今日の仕事はうちどめだ! 知り合い呼んで来い!」
「でも女の子はあいつに近づけるなよ!」
こんな感じで知り合いを呼びに散っていった奴らと俺に付いてくる奴らで別れギルドに向かう。当然人目に付きまくるのでその度に人が増えていく。
……いや増えるなし。でもいいか、知り合いが増えれば色々と動きやすいだろ。
「あのー、お早いですね?」
「そうなんですよ。それについてお話があるのでギルドマスターに会えませんか?」
ギルドに着き、五日程度で戻ってきた俺達がダンジョンを攻略したと伝えると受付嬢は非常に微妙な顔をしていた。うん、驚くべきなんだろうけどこの人数で押しかけたらそら困るわな。
探索者じゃない人たちも結構な割合になってしまいギルドに併設された食事処はどう考えてもキャパオーバー。これ報酬で足りるんか?
「何か問題があったんですか?」
「ええ。俺達も本当はもっとかかると思っていたんですが、魔物が全然出てこなかったんですよ」
「……なるほど。実は他のギルドメンバーや疾風のロンドの方々からも同じ報告を受けています。今ギルドマスターとお話しをしている所なのでこちらへ来てくれますか?」
そうか、ロンドの連中もダンジョン攻略してるなら他のダンジョンの情報もわかるな。そしてそっちでも魔物が沸いていないという事は……何かあったんだろうな。
俺とロンドのメンバーが仲が良いのは知っていたので情報を教えてくれたのだろう。普通だったらこんな簡単にギルドマスターと面会するなんて不可能だろうし。もしくは前回の失態のせいか。
受付嬢が数度のノックをすると中から返答が聴こえ俺達も続いて中に入っていく。
「何の用だ? 今は……ってキミヒトじゃないか」
「お久しぶりですギルドマスター」
ギルドマスターのジーギスムンドがこっちを見て軽く手を上げて挨拶してきたのでこちらも挨拶を返す。このおじ様とロンドのメンバーが揃っているとなんかやだな。でもここに仕立て屋の店長ぶちこんでカオスにしたい気持ちもある。
その場合俺は立ち去るけど。
「もしかしてキミヒトもダンジョンの事か?」
「キミヒトがロリ目的以外で動くにはそれしかないからな」
「あかねが心配してたぞ。いつか捕まるんじゃないかってな」
ロンドのメンバーが矢継ぎ早に言ってくる。だいぶ失礼だが今までの事を思い返して何も反論できないのでそのままスルーしておこう。この世界じゃロリに手を出したところで同意の上なら完全にセーフだからな。問題は無い。
「そうだ。他のダンジョンでも魔物がいなかったのか?」
「おう、俺達は毒のダンジョン行ってたんだがボス部屋まで遭遇しなかったぜ。ボスが強くて逃げ帰ることになったが」
「ポイズンスパイダーの群れとキングポイズンスライムを同時には無理だ」
この世界ではボス部屋に入ったからと言って閉じ込められるなんてことはない。扉は開きっぱなしだし逃げようと思えばすんなり逃げられるし追われることもない。
ただし扉の外からでは攻撃が無効化される結界のような物が施されている。ダンジョンが自分を守るための防衛本能という説が濃厚だが実際の所は不明。
「ロンドもキミヒトも落ち着け。複数のダンジョンで魔物が出なくなるか……となるとあれが起こるか……?」
ジーギスムンドはもったいぶった様子で呟いた。
屑鉄のダンジョンでもミスリルのダンジョンでも、クリアした時にこの部屋にいる生命体のスキルを強化しますという一文があったはずだ。だからこそダンジョンに潜ってスキルを鍛えようとしていたわけだが……何故強化されない?
「どうしたのキミヒト? 驚いたような顔してるけど」
「クロエ、ダンジョンクリアした時に何か文字が見えるか?」
気になってはいた。俺には見えていたしフラフィーが体感していたように実際にスキルの強化は行われていた。だが普通こういったテロップとか通知は見えないんじゃないか?
あかねには見えていたのだろうか? もし見えていたならあかねの性格的に何かはしゃいでいてもおかしくはなさそうだ。そしてロンドのメンバーもそうだ。あいつらはロマンで攻略している。
「いいえ? この石板の事を言っているわけじゃあないんでしょう?」
「ああ。俺にはダンジョンコアを破壊した時に何か文字が見えるんだ」
「へぇ……なにか困ったことがあるようね」
あんまり人前で言いたくないというのがクロエにはわかったようでそれ以上の追及は無かった。だって今ダンジョンクリアしたからめちゃくちゃ人でごった返してる。
「うおー! びっくりした誰がクリアしたんだ!?」
「キミヒトだってよ! この前ミスリルのダンジョンもクリアしてなかったか!?」
「スゲー! 疾風のロンド以外に攻略に熱だしてるやつ初めてみたわ!」
などなどたくさんの探索者が盛り上がっている。しかし俺の顔をちゃんと覚えている奴なんか少数派なのでここは簡単に抜けて帰る事が出来る。
「キミヒトってあいつじゃないか?」
「本当だ、噂通り子どもたちに囲まれてるな」
「噂通りのガチのロリコンじゃん。ダンジョンクリアより女の子と一緒に探索とかそっちのほうがロマンだろ」
と思ったがロリコンという噂も一緒に流れていたので一瞬でバレた。普通に探索者は男が多いし女が混ざっていてもみんな成人していたり、少なくともクロエとイリスのように子どものように見える探索者はいない。
優越感あるね。
「みんなー! 今からギルド行けば奢ってやるぞー!」
というわけで嬉しい噂のお礼も火消しも兼ねてまたこいつらの飲食代を持たせてもらおう。このなかにロリコン戦士というあだ名を付けてくれた奴がいるかもしれないし。
あとこのまま通り過ぎるのは不可能だし何もしなければ確実に絡まれまくるだろう。ここで質問攻めにされるのはめんどくさいしギルドに全員押し込んだ方が処理が楽。
「うおー! ロリコンサイコー!」
「今日の仕事はうちどめだ! 知り合い呼んで来い!」
「でも女の子はあいつに近づけるなよ!」
こんな感じで知り合いを呼びに散っていった奴らと俺に付いてくる奴らで別れギルドに向かう。当然人目に付きまくるのでその度に人が増えていく。
……いや増えるなし。でもいいか、知り合いが増えれば色々と動きやすいだろ。
「あのー、お早いですね?」
「そうなんですよ。それについてお話があるのでギルドマスターに会えませんか?」
ギルドに着き、五日程度で戻ってきた俺達がダンジョンを攻略したと伝えると受付嬢は非常に微妙な顔をしていた。うん、驚くべきなんだろうけどこの人数で押しかけたらそら困るわな。
探索者じゃない人たちも結構な割合になってしまいギルドに併設された食事処はどう考えてもキャパオーバー。これ報酬で足りるんか?
「何か問題があったんですか?」
「ええ。俺達も本当はもっとかかると思っていたんですが、魔物が全然出てこなかったんですよ」
「……なるほど。実は他のギルドメンバーや疾風のロンドの方々からも同じ報告を受けています。今ギルドマスターとお話しをしている所なのでこちらへ来てくれますか?」
そうか、ロンドの連中もダンジョン攻略してるなら他のダンジョンの情報もわかるな。そしてそっちでも魔物が沸いていないという事は……何かあったんだろうな。
俺とロンドのメンバーが仲が良いのは知っていたので情報を教えてくれたのだろう。普通だったらこんな簡単にギルドマスターと面会するなんて不可能だろうし。もしくは前回の失態のせいか。
受付嬢が数度のノックをすると中から返答が聴こえ俺達も続いて中に入っていく。
「何の用だ? 今は……ってキミヒトじゃないか」
「お久しぶりですギルドマスター」
ギルドマスターのジーギスムンドがこっちを見て軽く手を上げて挨拶してきたのでこちらも挨拶を返す。このおじ様とロンドのメンバーが揃っているとなんかやだな。でもここに仕立て屋の店長ぶちこんでカオスにしたい気持ちもある。
その場合俺は立ち去るけど。
「もしかしてキミヒトもダンジョンの事か?」
「キミヒトがロリ目的以外で動くにはそれしかないからな」
「あかねが心配してたぞ。いつか捕まるんじゃないかってな」
ロンドのメンバーが矢継ぎ早に言ってくる。だいぶ失礼だが今までの事を思い返して何も反論できないのでそのままスルーしておこう。この世界じゃロリに手を出したところで同意の上なら完全にセーフだからな。問題は無い。
「そうだ。他のダンジョンでも魔物がいなかったのか?」
「おう、俺達は毒のダンジョン行ってたんだがボス部屋まで遭遇しなかったぜ。ボスが強くて逃げ帰ることになったが」
「ポイズンスパイダーの群れとキングポイズンスライムを同時には無理だ」
この世界ではボス部屋に入ったからと言って閉じ込められるなんてことはない。扉は開きっぱなしだし逃げようと思えばすんなり逃げられるし追われることもない。
ただし扉の外からでは攻撃が無効化される結界のような物が施されている。ダンジョンが自分を守るための防衛本能という説が濃厚だが実際の所は不明。
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