呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第88話 ちゃんと料理してる
一気に探索して戻ってくるくらいならダンジョンの広さ的に半日と少しくらいでなんとかなるはずだった。
しかしロリたちの熱心な説得により大量の食材を手に入れることになり非常に時間がかかった。外に出るともう真夜中になっているくらいずっと狩りを行うという暴挙だったが俺も途中から楽しくなっていた。
「たまにはこういう変わった狩りも良いなぁ」
「キミヒトの収納はこのためにある」
イリスが良くやったとばかりに腰をペチペチと叩いてくるのでとても微笑ましい気持ちになる。そういうスキンシップ良いよね。
クエストも進むしロリも喜ぶし料理も堪能できそうだし良いことしかなかったな水のダンジョン。
明日行くところはそれなりに暑い鉱石のダンジョンだ。亜鉛とレッドスネークを狙い一気に回収してくる予定。
レッドスネークはそんなに大きくない魔物だし、亜鉛は合金で手に入る。本来亜鉛は精錬しないと作れないけどこっちの世界でもそうなのかな?
あーでもスキルで錬金術とかありそうだしその辺はなんとでもなるのか。本当科学技術に本気で手をだしたらヤバイんじゃないか?
魔法の方が便利とはいえ魔力切れたときの切り札としてとても良さそう。俺に作る術はないけど。
イリスの頭をぽんぽんするとちょっと嬉しそうにして手を握ってくる。表情少な目だけど感情伝わってくるこの信頼感たまらんね。
当然反対側はクロエが陣取っているのでフラフィーはハブ。もはや諦めている感じがとても良いね。
宿屋でぐっすり寝る予定だけどそういや四人部屋を三人で使って俺だけ一人部屋なんだよな。本来だったら俺が四人部屋に移って一人部屋を開けるべきなんだろうけど……いちゃいちゃするように取っておきたいよねっていう。
というわけで気づいていてもあえてスルーするのが男の甲斐性ってものだろうということでスルーしておこう。宿屋と他の探索者には申し訳ないが許してくれ。
空き家とかあれば住みたいとは思うけど、場合によっては街を出なきゃならない可能性もあるから完全ないちゃいちゃ生活はまだすることは出来ない。
「キミヒトさんどうしたんですか?」
俺が悩んでいるように見えたのかフラフィーが声をかけてくる。構ってほしかっただけかもしれないがちょっと心配そうな顔してるのでそれだけではないだろう。
「みんなの魔法少女衣装考えてた」
「みんなの!?」
適当なことを言ってごまかし宿屋に向かう。真夜中ということもあり食事処はもうしまっていてティティが片づけをしていた。働き者の少女だなティティは。ついでだから挨拶をしていく。
「あれ? 今日は遅かったですね。おかえりなさい」
「ちょっと食いしん坊なやつらがいてな。食材を確保してたらこんな時間になっちまったよ。ただいま」
「そうなんですか。何か食べますか? 片付けの途中なのでまだ使えますよ」
お店はもう閉まっているというのに食事の準備をしようとする。これだからこの宿屋は最高だしおかえりなさいからのくだりが新婚さんぽくてとても好き。
しかしここは食材を持ち込んでいるという利点を生かしてティティにも少し感想を聞いてみたいところである。
「もしよければ厨房少し貸してくれるとかでも良いんだけど」
「探索者さんが料理するなんて珍しいですね? 誰か出来るんですか?」
「私が出来ます。ティティさんも一緒にどうですか?」
「良いんですか? それならお願いしちゃいます」
普通の飲食店なら厨房を貸すことはそうそうないだろうけど流石の異世界。浄化魔法もあるから片付けの手間もそこまで辛くないことと、お客との交流が多いことからこういうこともありうる。
もしくはお金さえ払っておけば大抵の事はなんとかなるだろうという精神もある。肉しか持ってきてないし他の食材も少しもらおう。
ティティの手作りも最高だがここはせっかく取ってきたしフラフィーの手料理としゃれ込んでティティともっと仲良くなっていこうと思う。
「じゃあさっそく始めちゃいますね。少しまっててください」
そしてフラフィーは厨房に消えていった。ティティは厨房にあるものの位置や使っていい調味料や食材の場所を教えてこっちに戻ってきた。
「フラフィーさん手際がいいですね。うちに欲しいくらいです」
「逆にティティがうちにこないか?」
「それはちょっと……」
フラフィーを勧誘してきたので俺はティティを勧誘する。かなり冗談で言ったのにガチで引かれたからちょっとへこむんですけど。
たしかにうちのパーティはロリ率かなり高いしティティもロリだし俺が一人部屋でこの前フラフィーと寝てるの知ってるだろうしそういう反応も納得だけどそこまで引かなくてもいいんじゃなかろうか。
フラフィーと寝たのは看病のためだよ、安全をもとめるためには仕方なかったんだ。もふもふは気持ちよかったけども。
「それにこのお店が好きですし探索者にはなる気ありません」
「ティティは看板娘だもんなぁ」
俺も含めてだけどこの宿屋はティティがいるから来ている人はかなり多いと思う。もしティティがいなければあのおっさんだけではここまで繁盛してないと思う。料理人はまだ見たことないけど。
小さいながらもテキパキと働き探索者のあしらいかたも上手だし気を配ってくれる女の子に人気が出ないわけないんだよな。踏んでほしいとかいう変態が来ないことだけを祈っているよ。
俺はどっちかっていうと罵ってほしい側だから大丈夫。
「みなさんは料理出来るんですか?」
「私たち、食専」
「なんでイリスみたいな喋りよ」
ティティの質問にクロエがカタコトで応える。収納もなくて野営してた時は俺が適当にスープ作って何とかしてたけどあれですら美味しそうにしてたもんな。
二人旅の時は料理してなさそうだったし素材は生で食べるものみたいな認識だったからもしかして草とか食べてたのかな……。想像すると悲しくなってくるんだけど。
そんな感じで会話を繰り広げているとフラフィーが料理を持って戻ってくる。
「出来ましたよー。ぱぱっと作ったんで味があまり染み込んでないかもですけど美味しいと思います」
「おおー」
「フラフィーさんまじでうちに来てくれません?」
フラフィーが持ってきたのはクリーンアリゲーターの肉を一口大くらいに切り、塩コショウで味付けした簡単ながらも絶対に美味しい系のやつだった。
薬草を添えることによって見栄えも良くなり、かんきつ類をワンポイントで乗せお好みで酸味を加えることも可能という気配りもなされている。
「いただきます!」
俺たちは手を合わせフラフィーの料理をいただくことにする。
「おお……うまい」
「あ、ありがとうございます」
ぱぱっと作ったと言っていたがしっかりと下味もつけてあるし中まで火が通っている。皮の部分はパリッとしているし中はとてもジューシー。まじで鶏肉だわこれめちゃくちゃおいしい。
なにがぱぱっと作っただよ。米食いたくなるわこれ。
「フラフィー、凄い、おいしい」
「フラフィー、やる子、天才」
「お二人とも何故にそんなにカタコト……」
ロリ二人は一心不乱にワニ肉をもぐもぐしている。目がキラキラしてるしとても可愛い。ついでにみんなにおいしいって言ってもらえて照れてるフラフィーも可愛いからもう本当にもうたまらんです。
「おいしいです。フラフィーさん、これは何の肉ですか?」
「クリーンアリゲーターの肉ですよ。みなさん食べたことがないと言うので作ってみました」
「なるほどこれが……」
ティティはこれはメニューに追加出来るんじゃとか言いながらフラフィーから細かく事情聴取している。ドロップアイテムじゃ手に入らないから入手経路少なくて大変だろうけど頑張ってくれ。
クロエとイリスによりすぐさま無くなったワニ料理はとても美味しかった。獣人たちが自分を囮にするという大雑把な釣りをしている割にはちゃんと料理していると言うことに驚きを感じる料理だった。
今度はスモールシャークを使ってフカヒレスープもお願いしたいと本気で思う。きっと華麗にさばいてくれるだろう。
「フラフィー、これからもよろしく頼む」
「ええ、私も頼りにしてるわフラフィー」
「フラフィー、私たちの命綱」
「……探索より頼りにされてて複雑です」
みんなでフラフィーを褒め倒し恥ずかしそうにしてるところを充分に堪能させてもらって英気を養った。これで明日からの探索も楽しく元気に行うことが出来る。
今まで料理を持ち込んでいたけどこれからはフラフィーと相談して食材の持ち込みも検討するようにしよう。
しかしロリたちの熱心な説得により大量の食材を手に入れることになり非常に時間がかかった。外に出るともう真夜中になっているくらいずっと狩りを行うという暴挙だったが俺も途中から楽しくなっていた。
「たまにはこういう変わった狩りも良いなぁ」
「キミヒトの収納はこのためにある」
イリスが良くやったとばかりに腰をペチペチと叩いてくるのでとても微笑ましい気持ちになる。そういうスキンシップ良いよね。
クエストも進むしロリも喜ぶし料理も堪能できそうだし良いことしかなかったな水のダンジョン。
明日行くところはそれなりに暑い鉱石のダンジョンだ。亜鉛とレッドスネークを狙い一気に回収してくる予定。
レッドスネークはそんなに大きくない魔物だし、亜鉛は合金で手に入る。本来亜鉛は精錬しないと作れないけどこっちの世界でもそうなのかな?
あーでもスキルで錬金術とかありそうだしその辺はなんとでもなるのか。本当科学技術に本気で手をだしたらヤバイんじゃないか?
魔法の方が便利とはいえ魔力切れたときの切り札としてとても良さそう。俺に作る術はないけど。
イリスの頭をぽんぽんするとちょっと嬉しそうにして手を握ってくる。表情少な目だけど感情伝わってくるこの信頼感たまらんね。
当然反対側はクロエが陣取っているのでフラフィーはハブ。もはや諦めている感じがとても良いね。
宿屋でぐっすり寝る予定だけどそういや四人部屋を三人で使って俺だけ一人部屋なんだよな。本来だったら俺が四人部屋に移って一人部屋を開けるべきなんだろうけど……いちゃいちゃするように取っておきたいよねっていう。
というわけで気づいていてもあえてスルーするのが男の甲斐性ってものだろうということでスルーしておこう。宿屋と他の探索者には申し訳ないが許してくれ。
空き家とかあれば住みたいとは思うけど、場合によっては街を出なきゃならない可能性もあるから完全ないちゃいちゃ生活はまだすることは出来ない。
「キミヒトさんどうしたんですか?」
俺が悩んでいるように見えたのかフラフィーが声をかけてくる。構ってほしかっただけかもしれないがちょっと心配そうな顔してるのでそれだけではないだろう。
「みんなの魔法少女衣装考えてた」
「みんなの!?」
適当なことを言ってごまかし宿屋に向かう。真夜中ということもあり食事処はもうしまっていてティティが片づけをしていた。働き者の少女だなティティは。ついでだから挨拶をしていく。
「あれ? 今日は遅かったですね。おかえりなさい」
「ちょっと食いしん坊なやつらがいてな。食材を確保してたらこんな時間になっちまったよ。ただいま」
「そうなんですか。何か食べますか? 片付けの途中なのでまだ使えますよ」
お店はもう閉まっているというのに食事の準備をしようとする。これだからこの宿屋は最高だしおかえりなさいからのくだりが新婚さんぽくてとても好き。
しかしここは食材を持ち込んでいるという利点を生かしてティティにも少し感想を聞いてみたいところである。
「もしよければ厨房少し貸してくれるとかでも良いんだけど」
「探索者さんが料理するなんて珍しいですね? 誰か出来るんですか?」
「私が出来ます。ティティさんも一緒にどうですか?」
「良いんですか? それならお願いしちゃいます」
普通の飲食店なら厨房を貸すことはそうそうないだろうけど流石の異世界。浄化魔法もあるから片付けの手間もそこまで辛くないことと、お客との交流が多いことからこういうこともありうる。
もしくはお金さえ払っておけば大抵の事はなんとかなるだろうという精神もある。肉しか持ってきてないし他の食材も少しもらおう。
ティティの手作りも最高だがここはせっかく取ってきたしフラフィーの手料理としゃれ込んでティティともっと仲良くなっていこうと思う。
「じゃあさっそく始めちゃいますね。少しまっててください」
そしてフラフィーは厨房に消えていった。ティティは厨房にあるものの位置や使っていい調味料や食材の場所を教えてこっちに戻ってきた。
「フラフィーさん手際がいいですね。うちに欲しいくらいです」
「逆にティティがうちにこないか?」
「それはちょっと……」
フラフィーを勧誘してきたので俺はティティを勧誘する。かなり冗談で言ったのにガチで引かれたからちょっとへこむんですけど。
たしかにうちのパーティはロリ率かなり高いしティティもロリだし俺が一人部屋でこの前フラフィーと寝てるの知ってるだろうしそういう反応も納得だけどそこまで引かなくてもいいんじゃなかろうか。
フラフィーと寝たのは看病のためだよ、安全をもとめるためには仕方なかったんだ。もふもふは気持ちよかったけども。
「それにこのお店が好きですし探索者にはなる気ありません」
「ティティは看板娘だもんなぁ」
俺も含めてだけどこの宿屋はティティがいるから来ている人はかなり多いと思う。もしティティがいなければあのおっさんだけではここまで繁盛してないと思う。料理人はまだ見たことないけど。
小さいながらもテキパキと働き探索者のあしらいかたも上手だし気を配ってくれる女の子に人気が出ないわけないんだよな。踏んでほしいとかいう変態が来ないことだけを祈っているよ。
俺はどっちかっていうと罵ってほしい側だから大丈夫。
「みなさんは料理出来るんですか?」
「私たち、食専」
「なんでイリスみたいな喋りよ」
ティティの質問にクロエがカタコトで応える。収納もなくて野営してた時は俺が適当にスープ作って何とかしてたけどあれですら美味しそうにしてたもんな。
二人旅の時は料理してなさそうだったし素材は生で食べるものみたいな認識だったからもしかして草とか食べてたのかな……。想像すると悲しくなってくるんだけど。
そんな感じで会話を繰り広げているとフラフィーが料理を持って戻ってくる。
「出来ましたよー。ぱぱっと作ったんで味があまり染み込んでないかもですけど美味しいと思います」
「おおー」
「フラフィーさんまじでうちに来てくれません?」
フラフィーが持ってきたのはクリーンアリゲーターの肉を一口大くらいに切り、塩コショウで味付けした簡単ながらも絶対に美味しい系のやつだった。
薬草を添えることによって見栄えも良くなり、かんきつ類をワンポイントで乗せお好みで酸味を加えることも可能という気配りもなされている。
「いただきます!」
俺たちは手を合わせフラフィーの料理をいただくことにする。
「おお……うまい」
「あ、ありがとうございます」
ぱぱっと作ったと言っていたがしっかりと下味もつけてあるし中まで火が通っている。皮の部分はパリッとしているし中はとてもジューシー。まじで鶏肉だわこれめちゃくちゃおいしい。
なにがぱぱっと作っただよ。米食いたくなるわこれ。
「フラフィー、凄い、おいしい」
「フラフィー、やる子、天才」
「お二人とも何故にそんなにカタコト……」
ロリ二人は一心不乱にワニ肉をもぐもぐしている。目がキラキラしてるしとても可愛い。ついでにみんなにおいしいって言ってもらえて照れてるフラフィーも可愛いからもう本当にもうたまらんです。
「おいしいです。フラフィーさん、これは何の肉ですか?」
「クリーンアリゲーターの肉ですよ。みなさん食べたことがないと言うので作ってみました」
「なるほどこれが……」
ティティはこれはメニューに追加出来るんじゃとか言いながらフラフィーから細かく事情聴取している。ドロップアイテムじゃ手に入らないから入手経路少なくて大変だろうけど頑張ってくれ。
クロエとイリスによりすぐさま無くなったワニ料理はとても美味しかった。獣人たちが自分を囮にするという大雑把な釣りをしている割にはちゃんと料理していると言うことに驚きを感じる料理だった。
今度はスモールシャークを使ってフカヒレスープもお願いしたいと本気で思う。きっと華麗にさばいてくれるだろう。
「フラフィー、これからもよろしく頼む」
「ええ、私も頼りにしてるわフラフィー」
「フラフィー、私たちの命綱」
「……探索より頼りにされてて複雑です」
みんなでフラフィーを褒め倒し恥ずかしそうにしてるところを充分に堪能させてもらって英気を養った。これで明日からの探索も楽しく元気に行うことが出来る。
今まで料理を持ち込んでいたけどこれからはフラフィーと相談して食材の持ち込みも検討するようにしよう。
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