呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第27話 返す言葉もない
クロエとじゃれあって遊んでいるうちに交代の時間が来たがとても面倒くさいことになっていた。
「うぇぇ……ひどいですぅ……」
「……」
「何か言ってくださいよ!」
「いやなんつーかすまん」
「最低ですぅ……」
フラフィーこいつ途中から聞いてやがった。具体的には三人でどうとかいう下りあたりから。うん、忘れてたわけじゃないんだ。意図的に外しただけで。
「反省の色が見られないんですが……」
「フラフィーならいいかなって」
「何がですか!?」
そしてずっとこうである。やれ誠意が感じられないだの私を一人にするつもりなのかなどひたすらにねちねちと言ってくる。
なんだろう、抱きしめて甘い言葉でもささやいてやれば大人しくなるか? いや、逆効果になりかねないな。
「フラフィーの事を捨てようとか思ったわけじゃないんだよ本当に」
「じゃあどうして三人でって言ったんですか!」
「単純にクロエとイリスの方が可愛いってだけだけど」
「ぶっころですよ!」
仕方ないので正直に白状したらキレられた。こいつ面白いな。あ、包丁はだめだってまじで!
なんとかクロエとイリスで押さえることに成功したがフラフィーはずっと興奮している。すまん、悪気しかなかったんだ。
「私は、いらない子ですか……?」
「確かに突っ込み役はクロエで足りてるし可愛さも二人に負けてるし戦闘に置いてイリスの足元にも及ばないしなんだったら俺にすら勝てないもんな」
「うええええええん!」
「ちょっとキミヒト、本当の事でも言って良いことと悪いことがあるわよ……」
それフォローになってないからな?
「巨乳、ざまぁ」
イリスはもう少し優しくしてやれな? 俺が言えた義理じゃないけど。
「わかりましたさようなら」
泣いていたのが嘘のように静まり瞬間真顔になった。そして持っていた包丁をそのまま自分の首に向けて突き刺そうとする。
「まてまてまてまて!」
慌てて抑えるがものすごい力だ。ためらい傷とかそんな次元じゃあなく即死の勢いでぶっ刺そうとしてやがる。
「私に生きる価値はありません。さようなら死にます」
「落ち着けって必要だから! フラフィー超必要だから!」
「嘘です信じません離してください。死なせてください」
あかん、いじりすぎた。悪ノリがすぎた。
「な、ほら四人で一緒にいよう? ずっと一緒に暮らそう? みんなもそうだよな?」
フラフィーを三人がかりでなんとか押さえながら同意を促す。異常な精神状態になっているフラフィーを落ち着けるためには数で説得するしかない。というかなんつー力だこいつ。
「そうよフラフィー、あなたをのけものになんてしないわ」
「巨乳、譲歩してやる」
ぎりぎりと音がしそうなほど力を込めていた体からほんの少し力が抜けるがまだまだ油断はできない。力が抜けただけで包丁もいまだ持ったままだ。
「いても、いいんですか?」
「あ、ああもちろん」
「お二人みたいにロリじゃないのに?」
「フラフィーは充分可愛いって、な?」
「そう、ですか……」
ようやく包丁を手放し落ち着いて話が出来るようになった。あーこわかった。自傷行為の流血沙汰はまじできついからやばかったわ。
「ちょっとキミヒトこっちきなさい」
フラフィーが落ち着いたがクロエが今度は落ち着きなく俺をひっぱっていく。ちなみにイリスはフラフィーの頭をよしよししていた。フラフィーは無反応。
「どうした?」
「どうしたじゃないわよ。もう迂闊な事言っちゃだめだからね? あの子寂しがり屋なんだから。あそこまでとは思わなかったけど」
「まんざらでもなかったくせに」
「何か言ったかしら?」
「めっそうもございません」
釘をさされてしまった。たしかにあの状態を見た後もう一度いじろうとは思わんな。普通なら。
なんだろうな、可愛い女の子たちと一緒にいるからテンションの上昇が止まらないんだよな。
イリスはもうなんていうか可愛すぎて理性持たないしクロエも可愛すぎてチョロインだしフラフィーは理想のいじられキャラみたいになってるし。
こんな状態で落ち着いて話が出来るわけがないんだよ。イリスとクロエに向けた性欲を抑えるためにはどうしてもフラフィーをいじって理性を保つ必要がある。
ぶっちゃけた話フラフィーいなかったらたぶんもう手を出してる。最後までしなくてもセクハラくらいは平然とやってのけているはずだ。
それをぎりぎりで耐えているのはフラフィーのおかげなんだ。フラフィーがいなかったら俺なんか性犯罪者として突き出されてもおかしくないくらいには性欲を持て余してる。
いやフラフィーに魅力がないんじゃなくて、いじりキャラとして確立しているだけです。王都からこっちくるまでは呪いの影響で野宿とか余裕で一緒出来たけど、感情を完全に取り戻した今とても危険だ。
かといって二人から距離をとるのはそれは違う。手を出しても怒られないくらいの信頼関係はあるだろうが距離を取るとそれは崩れる。思春期の中学生じゃあるまいしそれは可能な限り避けたい。
となるとやはりフラフィーに良い感じに干渉してもらうしかないんだよ。全員のために。
いや嘘ついたごめん。俺の理性のために。
仕方ない、誠心誠意謝ってこれからもいじり倒すのを許してもらおう。
「謝ってくるわ」
「そうしなさい」
フラフィーに近づき出来るだけ優しい声をかける。イリスは空気を読んでクロエの元に向かって行った。
……珍しいな。イリスが普通の行動とるとそっちが気になって仕方ないんだが。と思ったらクロエとテントに向かった。寝るのか。
いや今はフラフィーをなんとかしないとだったな。
「フラフィー、ごめんな」
「……何がですか?」
若干恨みがましい様子でこちらを見上げてくる。涙目の女の子ってなんでこんな可愛いのか。しかも見上げてくるジト目とか性癖に刺さるからやめてくれ。お前はずっと愛されキャラでいてほしい。
「フラフィーの事を考えずクロエといちゃいちゃしてたことだよ」
「イリスさんともしてました」
「そうだな、ごめん」
なんだ嫉妬かこれ? いやちょっと待て。結構的外れな事いって和まそうとしたのにこっち路線で合ってるの? そうじゃないです! 私を捨てようとしたことです! とか言われると思ったんだけど。
え? チョロインしかいないの? あ、この流れまずいんじゃない?
「私はそんなに魅力がないですか?」
「いや、前も言ったかもしれないけどちゃんと可愛いよ。俺もそう思う」
「じゃあなんで私といちゃいちゃしてくれないんですか?」
やばい、目が座ってる。
「い、いやほら。フラフィーってそういった事すると嫌がりそうだったから」
「そういったことってどういうことですか」
めちゃくちゃ近い。胸が触れるかどうかくらいの距離だ。なんかこう男としてここまで迫られると引くしかない気がしてくる。
……ふぅ落ち着け。俺はフラフィーに謝りに来たんだ。これからもいじらせてくださいってな。ならここで引くのは間違ってる。強気にいけ。
「性的な事とかだよ。こういうのいやだろ?」
相手を正気に戻させるために胸に軽く触る。すまない、これで正気に戻ってくれ。
「は? 別にいいですけど?」
「え……」
「仲間はずれが嫌なんですよ私は。私は気づきました。どうやらキミヒトさんになら身をささげてしまってもいいのだと。端的に言うと好きなんだと」
変なスイッチ入ったかこれ……。いじりすぎて出ちゃいけないところ出てきてる。強気に出たらもっと強気に出られた。これやり返すと行くとこまで行っちゃうぞ。
「落ち着け、な? 今は冷静な判断が出来ないだけだ。またあとで聞くから今は落ち着け」
「私はいつでも冷静です」
あ、しまった。このセリフは相手の冷静さを失わせるセリフだ。相手を異常な状態だと言っているようなものだ。
痴話げんかで相手を落ち着かせようとしてこのセリフを吐いたら最後、相手はより一層ヒートアップして最悪の事態を招くことを知っていたのに。
俺がびくびくしながらフラフィーを見ると照れたような真顔でこういってくる。
「しましょう、キミヒトさん」
だから俺は最終手段を使うことにした。
「クロエー! イリスー! 助けてー!」
「スリープ」
迅速に駆けつけてきてくれたクロエはフラフィーを黙らせる。マジで危なかった。
「なにやってんのよ……」
「キミヒト、ばか?」
返す言葉もないよ……。
「うぇぇ……ひどいですぅ……」
「……」
「何か言ってくださいよ!」
「いやなんつーかすまん」
「最低ですぅ……」
フラフィーこいつ途中から聞いてやがった。具体的には三人でどうとかいう下りあたりから。うん、忘れてたわけじゃないんだ。意図的に外しただけで。
「反省の色が見られないんですが……」
「フラフィーならいいかなって」
「何がですか!?」
そしてずっとこうである。やれ誠意が感じられないだの私を一人にするつもりなのかなどひたすらにねちねちと言ってくる。
なんだろう、抱きしめて甘い言葉でもささやいてやれば大人しくなるか? いや、逆効果になりかねないな。
「フラフィーの事を捨てようとか思ったわけじゃないんだよ本当に」
「じゃあどうして三人でって言ったんですか!」
「単純にクロエとイリスの方が可愛いってだけだけど」
「ぶっころですよ!」
仕方ないので正直に白状したらキレられた。こいつ面白いな。あ、包丁はだめだってまじで!
なんとかクロエとイリスで押さえることに成功したがフラフィーはずっと興奮している。すまん、悪気しかなかったんだ。
「私は、いらない子ですか……?」
「確かに突っ込み役はクロエで足りてるし可愛さも二人に負けてるし戦闘に置いてイリスの足元にも及ばないしなんだったら俺にすら勝てないもんな」
「うええええええん!」
「ちょっとキミヒト、本当の事でも言って良いことと悪いことがあるわよ……」
それフォローになってないからな?
「巨乳、ざまぁ」
イリスはもう少し優しくしてやれな? 俺が言えた義理じゃないけど。
「わかりましたさようなら」
泣いていたのが嘘のように静まり瞬間真顔になった。そして持っていた包丁をそのまま自分の首に向けて突き刺そうとする。
「まてまてまてまて!」
慌てて抑えるがものすごい力だ。ためらい傷とかそんな次元じゃあなく即死の勢いでぶっ刺そうとしてやがる。
「私に生きる価値はありません。さようなら死にます」
「落ち着けって必要だから! フラフィー超必要だから!」
「嘘です信じません離してください。死なせてください」
あかん、いじりすぎた。悪ノリがすぎた。
「な、ほら四人で一緒にいよう? ずっと一緒に暮らそう? みんなもそうだよな?」
フラフィーを三人がかりでなんとか押さえながら同意を促す。異常な精神状態になっているフラフィーを落ち着けるためには数で説得するしかない。というかなんつー力だこいつ。
「そうよフラフィー、あなたをのけものになんてしないわ」
「巨乳、譲歩してやる」
ぎりぎりと音がしそうなほど力を込めていた体からほんの少し力が抜けるがまだまだ油断はできない。力が抜けただけで包丁もいまだ持ったままだ。
「いても、いいんですか?」
「あ、ああもちろん」
「お二人みたいにロリじゃないのに?」
「フラフィーは充分可愛いって、な?」
「そう、ですか……」
ようやく包丁を手放し落ち着いて話が出来るようになった。あーこわかった。自傷行為の流血沙汰はまじできついからやばかったわ。
「ちょっとキミヒトこっちきなさい」
フラフィーが落ち着いたがクロエが今度は落ち着きなく俺をひっぱっていく。ちなみにイリスはフラフィーの頭をよしよししていた。フラフィーは無反応。
「どうした?」
「どうしたじゃないわよ。もう迂闊な事言っちゃだめだからね? あの子寂しがり屋なんだから。あそこまでとは思わなかったけど」
「まんざらでもなかったくせに」
「何か言ったかしら?」
「めっそうもございません」
釘をさされてしまった。たしかにあの状態を見た後もう一度いじろうとは思わんな。普通なら。
なんだろうな、可愛い女の子たちと一緒にいるからテンションの上昇が止まらないんだよな。
イリスはもうなんていうか可愛すぎて理性持たないしクロエも可愛すぎてチョロインだしフラフィーは理想のいじられキャラみたいになってるし。
こんな状態で落ち着いて話が出来るわけがないんだよ。イリスとクロエに向けた性欲を抑えるためにはどうしてもフラフィーをいじって理性を保つ必要がある。
ぶっちゃけた話フラフィーいなかったらたぶんもう手を出してる。最後までしなくてもセクハラくらいは平然とやってのけているはずだ。
それをぎりぎりで耐えているのはフラフィーのおかげなんだ。フラフィーがいなかったら俺なんか性犯罪者として突き出されてもおかしくないくらいには性欲を持て余してる。
いやフラフィーに魅力がないんじゃなくて、いじりキャラとして確立しているだけです。王都からこっちくるまでは呪いの影響で野宿とか余裕で一緒出来たけど、感情を完全に取り戻した今とても危険だ。
かといって二人から距離をとるのはそれは違う。手を出しても怒られないくらいの信頼関係はあるだろうが距離を取るとそれは崩れる。思春期の中学生じゃあるまいしそれは可能な限り避けたい。
となるとやはりフラフィーに良い感じに干渉してもらうしかないんだよ。全員のために。
いや嘘ついたごめん。俺の理性のために。
仕方ない、誠心誠意謝ってこれからもいじり倒すのを許してもらおう。
「謝ってくるわ」
「そうしなさい」
フラフィーに近づき出来るだけ優しい声をかける。イリスは空気を読んでクロエの元に向かって行った。
……珍しいな。イリスが普通の行動とるとそっちが気になって仕方ないんだが。と思ったらクロエとテントに向かった。寝るのか。
いや今はフラフィーをなんとかしないとだったな。
「フラフィー、ごめんな」
「……何がですか?」
若干恨みがましい様子でこちらを見上げてくる。涙目の女の子ってなんでこんな可愛いのか。しかも見上げてくるジト目とか性癖に刺さるからやめてくれ。お前はずっと愛されキャラでいてほしい。
「フラフィーの事を考えずクロエといちゃいちゃしてたことだよ」
「イリスさんともしてました」
「そうだな、ごめん」
なんだ嫉妬かこれ? いやちょっと待て。結構的外れな事いって和まそうとしたのにこっち路線で合ってるの? そうじゃないです! 私を捨てようとしたことです! とか言われると思ったんだけど。
え? チョロインしかいないの? あ、この流れまずいんじゃない?
「私はそんなに魅力がないですか?」
「いや、前も言ったかもしれないけどちゃんと可愛いよ。俺もそう思う」
「じゃあなんで私といちゃいちゃしてくれないんですか?」
やばい、目が座ってる。
「い、いやほら。フラフィーってそういった事すると嫌がりそうだったから」
「そういったことってどういうことですか」
めちゃくちゃ近い。胸が触れるかどうかくらいの距離だ。なんかこう男としてここまで迫られると引くしかない気がしてくる。
……ふぅ落ち着け。俺はフラフィーに謝りに来たんだ。これからもいじらせてくださいってな。ならここで引くのは間違ってる。強気にいけ。
「性的な事とかだよ。こういうのいやだろ?」
相手を正気に戻させるために胸に軽く触る。すまない、これで正気に戻ってくれ。
「は? 別にいいですけど?」
「え……」
「仲間はずれが嫌なんですよ私は。私は気づきました。どうやらキミヒトさんになら身をささげてしまってもいいのだと。端的に言うと好きなんだと」
変なスイッチ入ったかこれ……。いじりすぎて出ちゃいけないところ出てきてる。強気に出たらもっと強気に出られた。これやり返すと行くとこまで行っちゃうぞ。
「落ち着け、な? 今は冷静な判断が出来ないだけだ。またあとで聞くから今は落ち着け」
「私はいつでも冷静です」
あ、しまった。このセリフは相手の冷静さを失わせるセリフだ。相手を異常な状態だと言っているようなものだ。
痴話げんかで相手を落ち着かせようとしてこのセリフを吐いたら最後、相手はより一層ヒートアップして最悪の事態を招くことを知っていたのに。
俺がびくびくしながらフラフィーを見ると照れたような真顔でこういってくる。
「しましょう、キミヒトさん」
だから俺は最終手段を使うことにした。
「クロエー! イリスー! 助けてー!」
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