呪いで常識を失ったのでロリと旅に出る
第19話 タイマンでの戦い
ダンジョンの準備は整ったが時間が遅くなってしまったこともあって俺たちは宿屋に戻ってきた。というか行こうと思えば行ける時間だったけど野宿が続いてたから宿屋でちゃんと寝たかった。
初めてのところに行くのに万全の体調じゃないとか危ないしな。リスクアセスメントとかそんな呼び方していたような気がする。いや実際そこまで徹底的にリスク管理を細かくやる気はないけど。
「じゃあお休み」
「え!? 本当に何もないんですか!?」
「何かしてほしいなら一人でやると良いんじゃないかな」
「冷たいとか以前に最低だこの人!」
フラフィーが騒いでいるが俺は寝たいんだ。肉体的にかなり強くなっているし連続で徹夜しても大丈夫だとは思うが寝たほうが精神的に助かる。
誰でもそう思うんだがフラフィーは違うんだろうか。
「巨乳、キミヒトは手を出してこない。いわゆるへたれ」
「へたれじゃないし! フラフィーに興味がないだけだし!」
「ひどすぎるんですが!?」
いやだって俺ロリコンだし。世の中の男性的には巨乳が好きな人も多いだろうけど俺はそこまでじゃない。
「フラフィーいいか、俺はロリコンだってことはもう認めてる。イリスが言っていた通りだ。だがフラフィーに魅力がないって言ってるんじゃあないんだ。ただ本当に興味がないだけなんだ」
「フォローしてるつもりですかそれ! より暴言を吐いてるだけってわかります!?」
めんどくさかったので適当にあしらったら余計にヒートアップしてきた。クロエは我関せずと魔法書を読んでいるし俺とイリスでフラフィーをいじり続けるしかないようだ。
「じゃあ襲いかかって良いのか。興味がないけどやることは可能だぞ」
「そ、それは嫌です」
「じゃあフラフィーと一緒に私も好きにしていいよって言ったら?」
「イリスだけ可愛がり続ける」
「私の立場は!? ロリじゃないことにこんなにショックを受ける日が来るなんて思いませんでしたよ! 別にショックじゃないですけど! このロリコンが!」
「褒め言葉だな」
俺に向かって枕を投げつけてきたので当然のように投げ返す。四人部屋であることに加えてそれなりに広い宿なため軽いまくら投げくらいなら充分できる。
「これも投げる」
「ちょっとイリスさん!? 胸つかまないでください!」
巨乳死すべしと言い続けるイリスがフラフィーの胸に飛び込み甘えるかのように揉み始める。女の子のじゃれあいって癒されるよね。
「じゃあ親睦も深まったことだしおやすみ」
「そういう趣旨だったんですか!? ただいじられてるだけかと思いましたよ!」
「そうだよ。ほらフラフィーが俺たちに遠慮するようにしてたらパーティ組んでても楽しくないじゃん? だからからかって仲良くなろうかと思って」
「キミヒトさん……」
「まあ嘘だけど」
「キミヒトさん……!」
じゃれあいはこのくらいで充分だろう。イリスに対しても充分以上に距離が縮まったようだし明日の準備はこんなもんで良いだろう。クロエはなんだかんだ面倒見がいいし偏見も無いから大丈夫だろう。
こちらをというかイリスを微笑ましい表情で見守ってるし。問題があったとしてもごり押しで片付ける気満々だけどな。
「じゃあ今度こそおやすみな」
「はい、おやすみなさいってイリスさんいつまでくっついてるんです?」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
イリスはそのままフラフィーにくっついて寝た。
次の日俺たちは屑鉄のダンジョンまで来た。入口は小さく一人ずつしか入れなさそうだ。
「わ、私が先陣を切ります! 盾なので!」
フラフィーが盾を構えて進もうとするが俺が止める。
「いや、フラフィーは二番手だ。先陣は俺が行く。給仕の女の子が敵が強いって言っていたからフラフィーだと不意を突かれた場合危ないかもしれない」
というか俺ならトオシがあるから大体見えるし斥候向きなのでそうさせてもらう。説明すると納得して下がった。
「さて、どんなもんかね」
中は暗くなっているのでアイテムを使って中を照らす。ランタンのようなアイテムだが、懐中電灯のように直線にすることも出来る。俺は普通に見えるからいらないが、光に誘われて敵が来る可能性もあるので一応使う。
先に俺が使っておけば俺に集まるし、そうじゃないなら後ろも光を使える。少し入っていくと敵に出会うこともなく安全に広い場所に出た。俺は戻り三人を連れて中に入る。
「広いわね……でも敵の気配が全然しないわ」
「そうですね、なんというか廃墟みたいな……」
会話していると不意に正面が盛り上がって何かが這い出してくる。
「スケルトン」
イリスが端的に発すると同時に火の玉を飛ばし焼き尽くす。相変わらずの威力である。
「ん、結構硬いかも」
「そうか、強いっていうのはまじだったのか」
どうやらイリス基準でも硬いらしい。一撃だけど。今までそんなことを言ったことはないので実際にそうなんだろう。となると俺の攻撃はスキルに頼った方がいいかもしれないな。相手がスケルトンならやりやすいし。
「じゃあ慎重に進むぞ」
ダンジョンは定期的に中の構造を変えているので中の情報は少ない。変わらないのは階層数だけであり、毎回マッピングする必要がある。これに関しては俺がトオシでそれなりの範囲を把握しつつマッピングしていく。
「来たぞ、またスケルトンだ。今度は二体。一体は俺がやるからもう一体はフラフィーがやってくれ。イリス、フラフィーがやばそうだったら手を貸してやれ」
「了解」
実力を見るためにもタイマンでの戦いを経験させておきたい。普通にやれるようならこのまま進むしダメなら別のダンジョンに行こう。
俺がダメな可能性もあるしな。
「せーのっ!」
スケルトンは動きが緩慢だと思われがちだが、質量を文字通りそぎ落としているし、可動域に関しては人間の動きをしない。そのため動作も速いし意識外からの攻撃も飛んでくる。
もちろん普通の攻撃も仕掛けてくるため実際にはかなり厄介な相手だ。イリスが硬いというレベルだし確かにここは初心者用のダンジョンじゃないな。
俺は剣を鞘に入れたまま叩きつける。
「かってぇ」
ガツンと良い音はしたが普通にはじかれた。なるほど、物理に対しても結構硬さを持っているのか。じゃあこれはどうだろうか。
スケルトンがぶんぶん振り回してくる剣を避けながら隙をついて懐に飛び込む。それと同時に思い切り剣を叩きつけながらスキルの力を乗せる。
今度はズンと響くような音がする。剣ははじかれることなくスケルトンの表面で止まり、そのままスケルトンは崩れるように倒れて起き上がることはなかった。どうやらこっちなら行けそうだ。
俺がやったのは剣の衝撃をスケルトンに通すことだった。簡単に言うとダメージ耐性無視の攻撃ってところかな。相手が強すぎると効かないだろうけど、骨だけのスケルトンだったら問題なく壊せる。
うん、やっぱ便利だなこのスキル。透過させて攻撃することも出来るしこうやってダメージだけを通すこともできる。他の攻撃スキルいらねえだろまじ。
「フラフィーの方はどうだ?」
俺が振り返るとフラフィーは戦闘中だった。だったが、なんだあれ。
ダンスを踊っているかのような奇妙な光景だった。
スケルトンが攻撃をしかける、フラフィーが受け流す、スケルトンが攻撃を仕掛ける、フラフィーが受け流す。これの繰り返し。
しかも受け流す方向がそのまま攻撃の方向になるので相手は振り回されているようになる。しかしスケルトンのため可動域など関係なく、変なところを支点に回転している。
なんだろう、ベーゴマの戦いを見ているようなそんな感じ。フラフィーが真ん中でひたすら強い回転をし続け相手をはじき続けてるって言うか。持久戦で相手を削りきるってこういうことかと思わせられる見事な受け流しだ。
見た感じ不規則な攻撃にも対応してるっぽいから当たった瞬間に受け流す方向決めているという神業みたいなことしてるぞ。
「でも決め手がないよなぁ」
そう、相手はスケルトン。体力なんてない。つまりどんなに強い回転をしていようとも相手は最初から回転せず動いているのだからそのうちこっちの回転も止まっていまう。
ソロじゃ無理だな。
だが今俺たちはパーティを組んでいる。ここまで危なげなく受け流しが出来るとは思っていなかった。優秀な盾役として期待できそうな実力をもっている。純粋にすごいわ。
フラフィーに目配せしつつスケルトンを叩き割る。
「ふう、すごいじゃん」
「いえ、キミヒトさんもこのスケルトン一撃なんてすごいです」
どうやら特に問題なさそうというか楽勝ムードなのでこのまま奥に進むことにする。
初めてのところに行くのに万全の体調じゃないとか危ないしな。リスクアセスメントとかそんな呼び方していたような気がする。いや実際そこまで徹底的にリスク管理を細かくやる気はないけど。
「じゃあお休み」
「え!? 本当に何もないんですか!?」
「何かしてほしいなら一人でやると良いんじゃないかな」
「冷たいとか以前に最低だこの人!」
フラフィーが騒いでいるが俺は寝たいんだ。肉体的にかなり強くなっているし連続で徹夜しても大丈夫だとは思うが寝たほうが精神的に助かる。
誰でもそう思うんだがフラフィーは違うんだろうか。
「巨乳、キミヒトは手を出してこない。いわゆるへたれ」
「へたれじゃないし! フラフィーに興味がないだけだし!」
「ひどすぎるんですが!?」
いやだって俺ロリコンだし。世の中の男性的には巨乳が好きな人も多いだろうけど俺はそこまでじゃない。
「フラフィーいいか、俺はロリコンだってことはもう認めてる。イリスが言っていた通りだ。だがフラフィーに魅力がないって言ってるんじゃあないんだ。ただ本当に興味がないだけなんだ」
「フォローしてるつもりですかそれ! より暴言を吐いてるだけってわかります!?」
めんどくさかったので適当にあしらったら余計にヒートアップしてきた。クロエは我関せずと魔法書を読んでいるし俺とイリスでフラフィーをいじり続けるしかないようだ。
「じゃあ襲いかかって良いのか。興味がないけどやることは可能だぞ」
「そ、それは嫌です」
「じゃあフラフィーと一緒に私も好きにしていいよって言ったら?」
「イリスだけ可愛がり続ける」
「私の立場は!? ロリじゃないことにこんなにショックを受ける日が来るなんて思いませんでしたよ! 別にショックじゃないですけど! このロリコンが!」
「褒め言葉だな」
俺に向かって枕を投げつけてきたので当然のように投げ返す。四人部屋であることに加えてそれなりに広い宿なため軽いまくら投げくらいなら充分できる。
「これも投げる」
「ちょっとイリスさん!? 胸つかまないでください!」
巨乳死すべしと言い続けるイリスがフラフィーの胸に飛び込み甘えるかのように揉み始める。女の子のじゃれあいって癒されるよね。
「じゃあ親睦も深まったことだしおやすみ」
「そういう趣旨だったんですか!? ただいじられてるだけかと思いましたよ!」
「そうだよ。ほらフラフィーが俺たちに遠慮するようにしてたらパーティ組んでても楽しくないじゃん? だからからかって仲良くなろうかと思って」
「キミヒトさん……」
「まあ嘘だけど」
「キミヒトさん……!」
じゃれあいはこのくらいで充分だろう。イリスに対しても充分以上に距離が縮まったようだし明日の準備はこんなもんで良いだろう。クロエはなんだかんだ面倒見がいいし偏見も無いから大丈夫だろう。
こちらをというかイリスを微笑ましい表情で見守ってるし。問題があったとしてもごり押しで片付ける気満々だけどな。
「じゃあ今度こそおやすみな」
「はい、おやすみなさいってイリスさんいつまでくっついてるんです?」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
イリスはそのままフラフィーにくっついて寝た。
次の日俺たちは屑鉄のダンジョンまで来た。入口は小さく一人ずつしか入れなさそうだ。
「わ、私が先陣を切ります! 盾なので!」
フラフィーが盾を構えて進もうとするが俺が止める。
「いや、フラフィーは二番手だ。先陣は俺が行く。給仕の女の子が敵が強いって言っていたからフラフィーだと不意を突かれた場合危ないかもしれない」
というか俺ならトオシがあるから大体見えるし斥候向きなのでそうさせてもらう。説明すると納得して下がった。
「さて、どんなもんかね」
中は暗くなっているのでアイテムを使って中を照らす。ランタンのようなアイテムだが、懐中電灯のように直線にすることも出来る。俺は普通に見えるからいらないが、光に誘われて敵が来る可能性もあるので一応使う。
先に俺が使っておけば俺に集まるし、そうじゃないなら後ろも光を使える。少し入っていくと敵に出会うこともなく安全に広い場所に出た。俺は戻り三人を連れて中に入る。
「広いわね……でも敵の気配が全然しないわ」
「そうですね、なんというか廃墟みたいな……」
会話していると不意に正面が盛り上がって何かが這い出してくる。
「スケルトン」
イリスが端的に発すると同時に火の玉を飛ばし焼き尽くす。相変わらずの威力である。
「ん、結構硬いかも」
「そうか、強いっていうのはまじだったのか」
どうやらイリス基準でも硬いらしい。一撃だけど。今までそんなことを言ったことはないので実際にそうなんだろう。となると俺の攻撃はスキルに頼った方がいいかもしれないな。相手がスケルトンならやりやすいし。
「じゃあ慎重に進むぞ」
ダンジョンは定期的に中の構造を変えているので中の情報は少ない。変わらないのは階層数だけであり、毎回マッピングする必要がある。これに関しては俺がトオシでそれなりの範囲を把握しつつマッピングしていく。
「来たぞ、またスケルトンだ。今度は二体。一体は俺がやるからもう一体はフラフィーがやってくれ。イリス、フラフィーがやばそうだったら手を貸してやれ」
「了解」
実力を見るためにもタイマンでの戦いを経験させておきたい。普通にやれるようならこのまま進むしダメなら別のダンジョンに行こう。
俺がダメな可能性もあるしな。
「せーのっ!」
スケルトンは動きが緩慢だと思われがちだが、質量を文字通りそぎ落としているし、可動域に関しては人間の動きをしない。そのため動作も速いし意識外からの攻撃も飛んでくる。
もちろん普通の攻撃も仕掛けてくるため実際にはかなり厄介な相手だ。イリスが硬いというレベルだし確かにここは初心者用のダンジョンじゃないな。
俺は剣を鞘に入れたまま叩きつける。
「かってぇ」
ガツンと良い音はしたが普通にはじかれた。なるほど、物理に対しても結構硬さを持っているのか。じゃあこれはどうだろうか。
スケルトンがぶんぶん振り回してくる剣を避けながら隙をついて懐に飛び込む。それと同時に思い切り剣を叩きつけながらスキルの力を乗せる。
今度はズンと響くような音がする。剣ははじかれることなくスケルトンの表面で止まり、そのままスケルトンは崩れるように倒れて起き上がることはなかった。どうやらこっちなら行けそうだ。
俺がやったのは剣の衝撃をスケルトンに通すことだった。簡単に言うとダメージ耐性無視の攻撃ってところかな。相手が強すぎると効かないだろうけど、骨だけのスケルトンだったら問題なく壊せる。
うん、やっぱ便利だなこのスキル。透過させて攻撃することも出来るしこうやってダメージだけを通すこともできる。他の攻撃スキルいらねえだろまじ。
「フラフィーの方はどうだ?」
俺が振り返るとフラフィーは戦闘中だった。だったが、なんだあれ。
ダンスを踊っているかのような奇妙な光景だった。
スケルトンが攻撃をしかける、フラフィーが受け流す、スケルトンが攻撃を仕掛ける、フラフィーが受け流す。これの繰り返し。
しかも受け流す方向がそのまま攻撃の方向になるので相手は振り回されているようになる。しかしスケルトンのため可動域など関係なく、変なところを支点に回転している。
なんだろう、ベーゴマの戦いを見ているようなそんな感じ。フラフィーが真ん中でひたすら強い回転をし続け相手をはじき続けてるって言うか。持久戦で相手を削りきるってこういうことかと思わせられる見事な受け流しだ。
見た感じ不規則な攻撃にも対応してるっぽいから当たった瞬間に受け流す方向決めているという神業みたいなことしてるぞ。
「でも決め手がないよなぁ」
そう、相手はスケルトン。体力なんてない。つまりどんなに強い回転をしていようとも相手は最初から回転せず動いているのだからそのうちこっちの回転も止まっていまう。
ソロじゃ無理だな。
だが今俺たちはパーティを組んでいる。ここまで危なげなく受け流しが出来るとは思っていなかった。優秀な盾役として期待できそうな実力をもっている。純粋にすごいわ。
フラフィーに目配せしつつスケルトンを叩き割る。
「ふう、すごいじゃん」
「いえ、キミヒトさんもこのスケルトン一撃なんてすごいです」
どうやら特に問題なさそうというか楽勝ムードなのでこのまま奥に進むことにする。
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