金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第69話 迷宮調査③

アリーセは、6階層に足を踏み入れた。
マナの濃度は更に上がっていた。
これは、魔物のレベルも上がっていることだろう。
できるだけ、戦闘は避けて次の階層に進んでいきたいものだ。
しかし、そんなアリーセの願いは届かなかった。

「もう、きましたか……」

アリーセの進もうとしていた方向には、3体のオークが現れた。

「上等ですわ」

アリーセは自身の金髪縦ロールに硬化魔法と重力制御魔法を展開した。
それと当時に、剣に手をかける。
オークは動きは鈍いが、パワーが強い。
つまり、どこで勝負するかと言われたら、スピードで勝負するのが一般的だろう。
アリーセはスピードには自信があった。

「はっ!!」

剣を抜くと、一気に間合いを詰める。
そのスピードは常人を逸している。
まずは、前方居るオークに剣を突き刺す。
その時、後ろからオークの拳が飛んできたが、金髪縦ロールを後ろに回すと、その攻撃を防ぐ。
そして、大きく後ろに跳躍して一度オークとの間合いを取った。

「ふっ、今更気付きましたの?」

アリーセの口角はわずかに上がった。
そう、今の一瞬でアリーセはオークの腕を一本切り落としていたのだ。

「行きますよ」

アリーセは剣を構え直した。
そして、再び間合いを一気に詰める。
剣を横に振るうと、オークの頭と胴体を切り離した。
オークはその場で絶命した。

残り2体のオークも同様にして倒しておいた。
こんなにもオークをあっさりと倒してしまうのはやはり、アリーセの培ってきた経験と技術の賜物であろうか。

「さて、こいつの核も回収しておきましょうか」

オークでも、これだけの魔力を持って生きていたのだ。
核も普通のオークよりは高値になるだろう。

そこから、数分階層を歩いた。
途中、魔物に出会うこともあったが、オークほどの強さを持っていなかったので、サクッと倒しておいた。

「ありましたわね」

しばらく歩いていると、アリーセは7階層に続く階段を発見した。
アリーセはその階段を降りると、7階層へと足を踏み入れた。

「これは、凄いですわね……」

ギルマスや支部長もここまで調査が入るとは思って居なかったと思う。
しかし、まあ、荒れている。
今まで誰も足を踏み入れて無かったのだから、当然といえば当然なのだが、今までの階層と比べても段違いにあれている。
そして、マナの濃度が格段に濃くなった。
ある程度の魔力量のキャパシティーを持っていないと、倒れてしまうに違いない。

魔力というのは、自分のキャパを超えては保有できない。
故に、自分の魔力量より強いマナが充満している所には、長時間とどまっていることは出来ないのである。
幸いというべきが流石というべきか、アリーセの魔力量にはまだ余裕がある為、倒れるほどではないものの、強いマナを感じるのであった。

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