金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~
第60話 キムゼの街
貴族用の門にも馬車の列が出来上がっていた。
時刻は夕暮れ、街に入ろうとする馬車が増えてくる時間帯だ。
「アリーセ様、今日はこの街に一泊する予定ですがいかかでしょうか?」
エーリヒが御者台の方から話しかけてきた。
「ええ、それで構いませんわ」
「かしこまりました」
そこから、馬車はゆっくりと進み、やっとアリーセが乗る馬車の番が回ってきた。
「この家紋はメールス王国侯爵家のものとお見受けします。失礼ながら改めさせてもらっても?」
検問所の衛兵がエーリヒに言った。
「ええ、構いませんよ」
エーリヒは懐から、1枚の紙を取り出すと、衛兵に提示した。
そこには、この馬車は侯爵家所有のもんであり、今はアリーセに貸しているという内容の、侯爵直々のサイン付きの書簡だ。
「確かに、拝見いたしました。失礼ながら、お二人の身分証を拝見できますか?」
エーリヒは王国から支給される使用人手帳、アリーセは漆黒のSランクを示すギルドカードと侯爵家の家紋が描かれたカードを提示した。
「し、失礼しました!! どうぞ、お通り下さい!!」
衛兵はガチガチに緊張しながらも、勢いよく敬礼をした。
「発車します」
「はい」
エーリヒの言葉で、アリーセは椅子に座り直した。
「この街は、いつもあんなに厳しいんですの?」
「ええ、ここは以前貴族の名を騙った者が入り込もうとしまして、それ以降は貴族でもきちんと検問するようになったとか」
そんな不届きものが居たのなら仕方ないが、こちらとしてはいい迷惑である。
そのまま、馬車は街の中心街を進んでいく。
その間、周りからは視線を感じる。
侯爵家の家紋のせいだろうが。
「到着いたしました」
馬車は、豪華な屋敷の前に停車していた。
「ここは?」
アリーセは戸惑いながらも、エーリヒの手を借りて馬車を降りた。
「キムゼの街の領主様のお屋敷です。侯爵様からキムゼの街に行くならご挨拶をと申し付かっております」
「承知しましたわ」
「参りましょう」
エーリヒに促され、キムゼの領主邸に足を踏み入れた。
「アリーセ様とそのお付きの方ですね。お待ちしておりました」
中に入ると一人のメイドが出迎えてくれた。
侯爵から話は行っているようである。
「どうぞこちらへ」
アリーセとエーリヒは応接間に通された。
「こちらで少々お待ちください」
「分かりましたわ」
アリーセはソファーに腰を下ろした。
エーリヒはアリーセの後ろに立っている。
使用人としての立場をわきまえてのことらしい。
「おまたせしちゃいましたかね?」
応接間の扉が開くと、物腰柔らかそうなお爺さんが入ってきた。
「いえ、お気になさらないでください」
アリーセは立ち上がった。
時刻は夕暮れ、街に入ろうとする馬車が増えてくる時間帯だ。
「アリーセ様、今日はこの街に一泊する予定ですがいかかでしょうか?」
エーリヒが御者台の方から話しかけてきた。
「ええ、それで構いませんわ」
「かしこまりました」
そこから、馬車はゆっくりと進み、やっとアリーセが乗る馬車の番が回ってきた。
「この家紋はメールス王国侯爵家のものとお見受けします。失礼ながら改めさせてもらっても?」
検問所の衛兵がエーリヒに言った。
「ええ、構いませんよ」
エーリヒは懐から、1枚の紙を取り出すと、衛兵に提示した。
そこには、この馬車は侯爵家所有のもんであり、今はアリーセに貸しているという内容の、侯爵直々のサイン付きの書簡だ。
「確かに、拝見いたしました。失礼ながら、お二人の身分証を拝見できますか?」
エーリヒは王国から支給される使用人手帳、アリーセは漆黒のSランクを示すギルドカードと侯爵家の家紋が描かれたカードを提示した。
「し、失礼しました!! どうぞ、お通り下さい!!」
衛兵はガチガチに緊張しながらも、勢いよく敬礼をした。
「発車します」
「はい」
エーリヒの言葉で、アリーセは椅子に座り直した。
「この街は、いつもあんなに厳しいんですの?」
「ええ、ここは以前貴族の名を騙った者が入り込もうとしまして、それ以降は貴族でもきちんと検問するようになったとか」
そんな不届きものが居たのなら仕方ないが、こちらとしてはいい迷惑である。
そのまま、馬車は街の中心街を進んでいく。
その間、周りからは視線を感じる。
侯爵家の家紋のせいだろうが。
「到着いたしました」
馬車は、豪華な屋敷の前に停車していた。
「ここは?」
アリーセは戸惑いながらも、エーリヒの手を借りて馬車を降りた。
「キムゼの街の領主様のお屋敷です。侯爵様からキムゼの街に行くならご挨拶をと申し付かっております」
「承知しましたわ」
「参りましょう」
エーリヒに促され、キムゼの領主邸に足を踏み入れた。
「アリーセ様とそのお付きの方ですね。お待ちしておりました」
中に入ると一人のメイドが出迎えてくれた。
侯爵から話は行っているようである。
「どうぞこちらへ」
アリーセとエーリヒは応接間に通された。
「こちらで少々お待ちください」
「分かりましたわ」
アリーセはソファーに腰を下ろした。
エーリヒはアリーセの後ろに立っている。
使用人としての立場をわきまえてのことらしい。
「おまたせしちゃいましたかね?」
応接間の扉が開くと、物腰柔らかそうなお爺さんが入ってきた。
「いえ、お気になさらないでください」
アリーセは立ち上がった。
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