金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第44話 新人冒険者研修②

Aグループは女の子が3人、男子が2人で5人のグループだった。
いかにも駆け出しという装いで、どこか、危なっかしい印象だ。

「アリーセです。よろしくね」
「ロジェルと申します。よろしくお願いします」

2人は、Aグループのメンバーに軽く挨拶をした。

「よろしくお願いします。ミサです。ランクはDです」
「アメリです。私もランクDです」
「チグサと申します。ランクは、Eです」

女の子3人が軽く自己紹介をしてくれた。
2人がDランクまで上がっているという事は、簡単な採集クエストをこなして来たのだろう。
あれなら、モンスターとの戦闘は少なく、安全性は高い。

「俺はギート、Eランクだよ」
「イザークです。ランクはDです」

男の子の方も自己紹介をしてくれた。
ここには最低ランクである、Fランクの冒険者は居ないようであった。

そして、ここからは、それぞれのグループの教官に一任されている。
どう動くかはそれぞれの自由だ。

「それでは、まずは皆さんの実力を見せてもらいましょうか。ロジェルはどう思います?」
「賛成致します。まずは実力を確かめてから次の行動を考えるべきでしょう」

ロジェルも反対意見は無いようだった。

「先生! 実力を見るって、具体的にはどうするんですか?」

ミサが口を開いた。

「私たちと模擬戦をしてもらいますわ」

アリーセが言うと、皆んなの表情が曇った。

「安心してください。私たちからは一切攻撃をしませんわ。しかし、あなた達は全力でやって下さい」

そこまで言うと、皆んなの表情は少し戻った。

「では、模擬戦ができる所に参りましょう」

アリーセとロジェルの先導で、模擬戦ができるスペースへと移動する。
ギルドの管理する模擬戦スペースには、思いっきり魔法をぶっ放しても、壊れないような結果が貼られているのだ。
これは、ギルマスがかけたものらしい。
こんなものを維持出来ているんだから、あのギルマスも相当な腕だ。

「さて、誰からやりますか? なんなら皆さん同時でもいいですわよ」

アリーセは口角を上げた。

「じゃあ、女子チームと男子チームでってのはどうでしょうか?」

イザークが提案してくれた。

「私は、構いませんわよ」
「私もでございます」

ロジェルも元冒険者の血が騒ぐのだろう。
いつもより、生き生きとしているのを感じる。

「では、まずは私がお相手しますわ」

そう言うと、アリーセは一歩前に出た。

「じゃあ、俺たちが先にやるぜ!」

ギートとイザークの男子チームが意気込んでいた。

「分かりました。全力を見せて下さいね」

アリーセとギート、イザークが、模擬戦の会場の中央で対峙していた。

ギートは剣、イザークは杖を手にしている。
恐らく、剣術による攻撃と魔法による攻撃になるだろう。

「さぁ、私も楽しませて下さいね」

お互いに戦闘態勢に入った。

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