金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第27話 Sランクへの道

辺りは暗くなり初めていたので、アリーセは今日は宿に戻ることにした。
侯爵家から、歩いて十分ほどで、アリーセが泊っている宿へと着いた。

「戻りましたわ」
「あら、アリーセちゃん、おかえり。戻ったのね」
「はい、先ほど戻りましたわ」
「これ、部屋の鍵ね。延長料金はこの前貰っているからいいわよ」
「ありがとうございますわ」

アリーセは部屋の鍵を受け取ると、階段をあがり、泊っている部屋へと入る。

「ふう、やっぱり、索敵魔法を展開し続けるのには疲れますわね」

ベッドに横になると、目を閉じた。

「あ、これは、寝てしまいますわ」

布団を被り、体の力を抜くと、やがて、意識を手放した。

「ふぁぁぁぁ」

翌朝、日が完全に昇り切る前に目が覚めた。
大きく伸びをすると、顔を洗う。

「さて、行きますか」

宿屋の女将に部屋の鍵を預けると、アリーセはギルド本部へと向かった。

「やっぱり、相変わらずですね」

アリーセが、ギルドに入ると視線が集まる。
アリーセの活躍は、早くも国に広がりつつあるようであった。

「ギルマスに会いたいのですが」

受付嬢の一人に、Aランクのギルドカードを提示して言った。

「アリーセ様ですね。伺っております。こちらへどうぞ」

あっさりと、ギルドマスター執務室へと通された。

「おお、来たか。まあ、座りなさい」
「はい、失礼しますわ」

アリーセは、ギルマスの対面のソファーに腰を下ろした。

「まずは、護衛任務成功おめでとう。ご苦労だったな」
「ありがとうございますわ」
「こいつが報酬だ」

ギルマスは、革の袋に入った金貨を渡してきた。

「こんなに、ですか?」
「なにせ、侯爵家の護衛だ。このくらいは当然だ」
「わ、分かった。頂戴しますわ」

そう言って、報酬を受け取ると、マジックバックに仕舞った。

「それで、ギルマスにこれを」

アリーセは、懐から、侯爵家の家紋が入った封筒を取り出して渡した。

「ほう、侯爵が推薦状を書いたか」
「はい、頂きました」
「こんなことは、ワシも初めてだわい。よし、ワシからも推薦状を出そう」
「ありがとうございますわ」

この二通の推薦状を、国王に申請して、それが通れば、Sランクと認められる。
アリーセが、認められたら、史上最速のSランク昇格となるらしい。
まあ、侯爵とギルドマスターの推薦状があるのだから、十中八九通ることだろう。

「では、よろしくお願いいたしますわ」
「おう、任せておきなさい。お疲れさん」
「はい、では、失礼しますわ」

そう言うと、ギルドマスター執務室を出た。
それから、依頼の掲示板を眺めてみたが、特に目ぼしい依頼も無かったので、アリーセは、ギルド本部を後にするのであった。

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