金髪縦ロール無双~無実の罪で国外追放された元天才参謀、世界唯一の女性Sランク冒険者になった途端戻って来いと言われましたがもう遅い。私の居なくなった国は急激に弱体化したようです~

津ヶ谷

第17話 アシルを鍛える為に

アリーセとアシルは、ギルドの依頼掲示板を見ていた。

「依頼を受けるんですか?」
「ええ、あなたを鍛える為に、優しめなクエストでも受けようかと思いますわ」
「ありがとうございます!!」
「いいんですわ。私も腕ならししたいですから」

そう言って、アリーセは一枚の依頼書に目をやった。


「そうですわね。これ、なんかいいかもしれませんわね」

アリーセが、一枚の依頼書を剥がした。
そこには、ゴブリン討伐15体と書かれていた。

「ゴブリン討伐ですか。最初の依頼としては申し分ないですね」
「私もそうおもいますわ。ところで、アシルはランクはどこですの?」
「そういえば、まだ、ランクを伝えていませんでしたか。僕はDランクです」
「それなら、問題ありませんわね」

ゴブリン討伐の依頼はCランク依頼。
自分のランクより下、もしくは、一つ上までなら、依頼を受けることが出来る。
ちなみに、FランクとDランク依頼は、素材の採集がメインとなっている。

「では、アシルの名前で依頼してきてください」

そう言って、依頼書をアシルに手渡した。

「え、僕の名前でいいんですか?」
「はい、私はAランクですから。アシルの名前の方が実績に響くでしょう」
「あ、ありがとうございます!!」

アシルは依頼書を手に、ギルドの窓口へと申請をしに行った。

「アリーセさん、申請してきましたー」

数分後、アシルは戻ってきた。

「では、早速参りましょう」
「はい!」

そう言うと、アリーセたちは、依頼書にあった、東の森へと向かう。
ここからなら、歩いても30分ほどで到着することだろう。

王都を出て、歩くこと数十分。
東の森が見えてきた。

「ここですわね」
「そうみたいです」

アシルは、討伐依頼はまだ、数回しかこなしたことがないという。

「行きますわよ」

アリーセは、ズカズカと森の奥へと進んでいく。

「ちょ、ちょっと待って下さいよー」

アシルは、アリーセの後を追うようについてくる。


「囲まれたようですね」
「へっ?」

アリーセは、少し、開けた所で足を止めた。

「まずは、私が手本を見せる」

アリーセは、腰に挿した剣を抜いた。
正面から、ゴブリンたちが姿を見せる。
一気に間合いを詰め、剣を横に振るった。
すると、一気に三体のゴブリンの頭と体が切り離されていた。

「す、すっご……」

アシルは口を開けて驚いていた。

「とりあえず、こんな感じだ。お前もやってみろ」

戦闘スイッチの入った、アリーセを止められる者など、どこにも居ない。

「はい!」

アシルも剣を抜いた。

「はっ!!」

アシルの剣がゴブリンの胸を貫いていた。

「ほう、なかなかやるじゃない」

その後、アリーセが援護し、アシルが8体、アリーセが7体のゴブリンを仕留めたのであった。

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