悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

46話 勝ったぞぉ……


 46話 勝ったぞぉ……

 一通り『修行僧スイッチを押したバージョンの一週間』を経験したセンは、

「これはめちゃめちゃしんどいが……相当に経験値を稼げるな……」

 ニィと力強い笑みで、そうつぶやいた。

 ずっと闘いっぱなしなので、
 すさまじく体力を消耗するが、
 しかし、獲得できる経験値量はハンパじゃなかった。

 その高揚感だけを頼りに、
 センは、ひたすらに強くなる。

 少しだけ派手に、
 けど実際のところは地道に、
 誰にも愛されず、
 誰にも理解されず、
 ただひたすらに、
 孤高の道を歩み続ける。

 この長い長い修羅の道を、
 センは、まっすぐに歩み続ける。

 時折、孤独に駆られて、
 苦悩を叫んだり、悲痛を騒いだりもしたけれど、
 しかし、すぐに、奥歯をかみしめて、前を向きなおす。

 辛く苦しい毎日を積み上げていく。
 無駄に消化した日は一日もない。
 サボったことは一日もない。

 呆れるほど愚直に、
 センエースは、確かな毎日を積み重ねる。

「実感する……強くなってきた……」

 バカみたいに積み重ね続けた結果、
 その道中で、センは気づく。

 いまだ、バギーのステータスはカンストしたままで革命は起きていないが、
 しかし、センエースの戦闘力には一段階増しの深みが出てきた。

 ためしに、『ロイガー・オメガバスティオン』と戦ってみたセン。
 すると、

「あれ、いけるんじゃね?」

 ギリギリ負けそうではあったが、
 しかし、『差』は間違いなくつまっていた。

「あ、これ、いけるな……もうちょい積めばいけるな」

 そこから、センエースは、さらに加速する。
 孤高を煮詰めてマイウェイを爆走。

 繰り返した。
 繰り返して、繰り返して、繰り返して、
 ――繰り返した。
 単調な毎日を、イカれたように積み重ねる。
 常人では、絶対に耐えられない孤独の中で、
 誰よりも重たく苦しみながらも、
 しかし、センは、自分の限界と真摯に向き合い続ける。


 ――ずっと、そんな生き方をしてきた。


 学校生活を楽しむとか、友人と遊ぶとか、
 恋愛に夢中になるとか、趣味に没頭するとか、
 休日にダラダラするとか、スポーツに興じるとか、
 結婚とか、子育てだとか、家族との団らんとか、
 そういう『普通の幸福』みたいなものと決別して、

 『人類の業を背負って舞い続ける』という地獄と向き合い続けてきた。

 そのことを、センは、不幸だとは思っていない。
 なぜならば、
 『だからこそたどり着けた場所』があったから。


「勝った……勝ったぞぉ……っ……」


 最初は、まったく勝てる気がしなかった。
 苦しくて仕方なかった。
 無限のループ地獄の中で、何度も泣きじゃくった。

 ――けれど、センは超えた。

 全部で120万回以上のループ。
 およそ、2万年ほどの時間をかけたことで、

「勝った! 勝った! 勝ったぁああああ! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 感情が爆発した。
 極悪な達成感に包まれて、
 宇宙と一体化したような気さえした。

 武に没頭した2万年。
 他の誰にもマネできない、この狂気の研鑽が、
 センエースを支える『どでかい器』の一つになったのだ。

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