悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
103話 黒い石と、三つの鍵。
103話 黒い石と、三つの鍵。
「気にする必要はないよ。ふと、宇宙の膨張率について思いをはせただけだから」
ニャルは、そこで、ニコっと微笑み、
「セン。とにもかくにも君だけだ。君だけが、この先にいける」
そう言ってから、
「教えよう。クトゥルフ・オメガバスティオンの居場所を」
そう言うと、
センの目の前に、エアウインドウを出現させて、
「そこに記されている四つのアイテムを入手して、オメガタワーの管理人室に向かうんだ。そうすれば、クトゥルフ・オメガバスティオンと対峙できる」
エアウインドウに表示されているのは、
『黒い石』と『三つの鍵』。
「この黒い石……なんか、どっかで見たことがあるような……ないような……」
そのデジャブは、100年以上も前の記憶なので、
さすがにハッキリとは憶えてはいない。
うっすらと『見たことがある』という程度の記憶の中でさまようセン。
そんなセンに、ニャルが、
「おぼえていないかい? 学校の屋上で、それを拾ったことを」
「……屋上……んー……えっと、ちなみに、それって、いつごろの話?」
「あれは、はじめてループした周だから……まあ、200年ぐらい昔だね」
「憶えているわけねぇんだよなぁ……俺の記憶力をナメないでいただきたい」
「――『55話 黒い結晶』で見つけて、『これはアレキサンドライトか?』とか悩んだり、図虚空に問いかけて『クソの役にも立たない』と思いしったりしただろう」
「……55話? なんの数字だ?」
「そんなどうでもいいことは気にしなくていい」
「じゃあ、気になるような発言を控えてもらいたい」
心底ダルそうにそう言ってから、
「まあいいや。とりあえず、この黒い石は、学校の屋上にあるんだな……じゃあ、それはいいとして、次はこの『三つの鍵』が、どこにあるのか教えてもらいたい」
「それぞれ、『ロイガー・オメガバスティオン』『ウムル・オメガバスティオン』『ツァーグ・オメガバスティオン』を倒すことで入手できるよ。ちなみに、ツァーグ・オメガバスティオンは、ツァールとイグの二体が合体した状態のこと。この二体は、合体した時限定で、プライマルプラチナスペシャル『共鳴融合』が発現するから、とんでもなく強いよ」
「きょ、共鳴融合が発現……」
あまりにふざけた『その情報』に、
センは、貧血でも起こしたような真っ青な顔で、
フラっとよろめく。
そんなセンの体調を考慮することなく、
ニャルは続けて、
「――そうでなくとも『オメガバスティオン化』した状態だから、とんでもなく強いんだけどね。ちなみに、ロイガーたちをオメガバスティオン化させるために必要なのが、こちら! 『真・難易度爆上げスイッチ』ぃ!」
「……」
「このスイッチは、どんなタイミングでもオンオフ可能だから、オメガバスティオンズに挑戦しても、勝てないと思ったら、すぐにオフることをお勧めするよ」
「……あの、ニャル様……一つ聞いていいですか?」
「もちろんさ。いつだって、好きなだけ質問するといい。答えるかどうかは気分しだいだけどね」
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