悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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85話 低能の寄生虫共。


 85話 低能の寄生虫共。

「この戦闘力だと話にならないぞ。まるで、格ゲーのキーコンフィングがバラバラになったような違和感……ぶっちゃけ、これだったら、俺一人で、何かしらの覚醒を待った方がマシな気がする……ま、現状の俺だと、追加覚醒出来るかどうか微妙だけど」

(微妙もクソもない。今の貴様は、積み重ねた全てを吐き出してしまった状態で、完全にからっぽだ。可能性は残っていない)

「ええ、じゃ、どうすんの? 土下座する? 許してくれるかな?」

(もう、お前は黙って、土台だけやってろ。作戦をたてるのはこっちでやる)

「ありがたいぜ。ちなみに、どんな策があるんだ?」

(俺に聞くな。『こっち』というのは、田中トウシを指している。田中トウシなら、間違いなく、画期的な策を思いつけるはずだ。な、トウシ)

「そうか、そうか。じゃ、トウシ、よろしく」

(低能の寄生虫どもがぁ……なんでもかんでも、押し付けてくんなよ、カスがぁ)

 センキーの『中』で、非常にイライラしているトウシ。

(おどれらも、ちったぁ、なんか考えぇよ)

(俺が1000年考えたところで、お前の一秒にも届かない。田中トウシ、貴様の頭脳は異次元すぎる)

「役割分担でいこうじゃねぇか。ここからは完全に分業だ。ソンキーは武力。トウシは知力。俺は睡眠というフォーメーションでいこうと思う。蘇生したばかりだからか知らんが、なんだか、とっても眠いんだ」

(もう、いっそ、ほんまに寝といてくれた方がええかもしれんなぁ。そしたら、イライラせんですむと思う)

 ため息を一つはさむトウシに、
 センキーは、

「それで? どうする? お前のことだから、もうすでに、とびっきりの鬼策を思いついているだろう? はやく、それを披露して、世界の度肝を抜いてくれ。言っておくが、ちょっとやそっとの鬼策じゃダメだぞ。こう、エレガントで、セクシーで、かつ、ワクワクするような策でなければだめだ」

 そんな、クライアントからの理不尽な要求に対し、
 トウシは、ひるむことなく、
 むしろ、顎を上げて、堂々と、

(……すでに可能性は見つけとる。合体で生じる戦闘力の低下を防ぐ方法は極めて少ないが、ゼロやない。その中でも最高品質の反逆方法――その可能性)

「え、マジでどうにか出来んの?」

 要求はしてみたものの、
 そうそう『この閉塞状態』を打破できるとは思っていなかった。

 仮にできるとしても、もっと、苦しんで、苦しんで、苦しんだ果てに、
 ようやくたどり着ける未来に頼るしかないと思っていた。

 しかし、トウシは、たんたんと、

(できるかどうかは知らんけど、可能性はある。おどれらが合体どうこうしとる間に、コスモゾーンの禁域を一つこじあけた)

「……」

(さすがに、もう『暗号解読に慣れてきた』んと、『これまでに見つけてきた鍵とほぼ同じのが使われとった』んが幸いして、超短時間でこじ開けることができた)

「なに、こいつぅ……天才すぎて、もうキショいんですけどぉ。無理なんですけどぉ。さげぽよぉ」

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