悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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59話 知能指数120。


 59話 知能指数120。

「……お前を殺す以外に、呪いを解く方法は……ま、ないんやろうな。あったら、すでにためしとるやろう」

「さすがの理解力。お察しの通り、この呪いを解く方法はない。山ほどためしたけど、全部はじかれた。おそろしいほど強固な呪い。けど、あんたの力があったら、どうにかなるんちゃうかなぁ……と、期待はしとる。どうやろか? 助けてくれへん? すでに、あんたは命の恩人で、これ以上を頼むんは、おこがましいと分かっとるんやけど……あたしも、普通の人間やから、普通に死ぬんはイヤなんや」

「……普通に死ぬのはイヤ……ね」

 昨日の事を想い出し、
 トウシは、心の中で、軽く呆れた。

(昨夜は、アホみたいに簡単に、『自分が死ぬこと』を許容しとったと思うけど……)

 だが、同時に、

(……自殺願望者やなく、普通に死ぬのが怖いのに、勇気を出して、命を張ったということか……ふん……気色悪い女やのう……)

 そんなことを思った。
 だから、

「……一週間以内に、ヨグをどうにかできる策を必ず見つける、とは言えんけど、まあ、やるだけやってみるわ。別に、今の指針と、そんなに大きくズレとるわけやない……というか、方向性だけは一緒やからな」

「よかった。ありがたい。ほんまに感謝する。ナンボ感謝してもたりんぐらい」

 と、そこで、黒木が、

「トコさんの件は、それでいいとして……これからのことについても、色々と、話したいのですが、もう少しだけ、時間をもらってもかまいませんか、リーダー」

「……リーダー?」

「はい。あなたは、すでに、神話生物対策委員会の絶対的リーダーであると、世界に認知されています。誰がなんと言おうと、あなたは、間違いなく、神話生物対策委員会が誇る最高のリーダーです」

「……ワシの了解もなく、勝手な話やのう。基本的人権について、どう考えてんねん」

「大いなる力には、大いなる責任が伴うのです」

「この上なく厄介な話や」

 しんどうそうに、タメ息をついてから、

「ガラやないけど、まあ、ええわ。ただし、ワシをリーダーにする以上、ワシの言う事には絶対服従してもらう。ワシの力だけをええように利用しよう、なんて、そんな虫のええ話が通じると思うなよ。『田中トウシみたいな鬼をリーダーにするのは間違いだった』ともれなく全員に思わせるぐらい、お前らを、馬車馬のごとく働かせるから、覚悟しとけ」

「もとよりそのつもりです。あなたに、大きな責任を押し付けてしまった業を、私たちは、全身全霊で背負っていく所存です」

「ええ覚悟や。ほな、まず、WAIS-Ⅲの偏差知能指数が120以上のやつを1万人ほど、時空ヶ丘学園に集めてくれ」

 その要求を受けた黒木は、
 目を丸くして、

「……想定外の要求がきましたね……」

 一瞬だけ、怯んだものの、

「リーダーの命令は絶対ですから、もちろん、実行させてもらいます。ただ、できれば、理由を聞かせてもらえると、非常にありがたいのですが」

「これから、コスモゾーンを解析するつもりなんやけど、ワシの頭だけやったら、机が足りん。他のやつの脳を借りたい。その数は多ければ多い方がええ」

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