悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
58話 最高のバディ。
58話 最高のバディ。
(お前と一心同体だから、できれば、サポートしてやりたいとは思っているが、実際に良質な手助けができるかどうかは微妙だな。俺のことは、戦闘用のブースト程度に思っておいた方がいい。ちなみに言っておくが、俺は頭がよくない。考えるのが嫌いなんだ。ダルいからな)
ソンキーの頭脳は、間違いなく天才級なのだが、
しかし、実際のところ、深い思考を好むタイプではない。
直観とセンスを重視するタイプで、
論理的思考という概念に対し、
『直観を補強するサポーター』程度にしかとらえていない。
「……脳筋さんかぁ……まあ、別にええけどな。考えるんはワシで、戦闘力はあんた。悪くないコンビやと思う。ワシ的には最高のバディともいえるな。というか、バディものって、だいたい、そういう構成やし」
脳筋とインテリの組み合わせは太古からのテンプレ。
その相性の良さは歴史が証明してくれている。
(それで? これからどうする? 田中トウシ。お前の敗北は、俺の敗北でもある。できれば、己の運命に勝ってもらいたいのだが、勝利の方程式は出来上がっているか?)
「とりあえず、また、コスモゾーンを解析してみようかなぁと。まだ、はいれてない領域が無数にある。コスモゾーンのデータベースは、あまりに膨大すぎて、全部を解析しようとすると、さすがに、ワシでも、余裕で数年~数十年は必要なんよなぁ……」
いったん、方針が決まったところで、
ピンポーン、
と、チャイムが鳴り響いた。
「……なんか、イヤな予感がするなぁ……宅配か、回覧板か、セールスであってほしいけど……」
などと思いつつ、
トウシは、玄関に向かった。
扉を開けると、
そこには、美少女が並んでいた。
(……家に押しかけてくんなや……)
心底、鬱陶しそうな顔をするトウシに、
トコが、
「あ、おった。よかった。なあ、入ってええか? めちゃめちゃ重要な話があるんや」
「ダメぇって言うたら、帰ってくれんの?」
「いや」
サラっと、当たり前のことのように、首を横に振る彼女に、
トウシは、軽くため息をついて、
「……まあ、ええわ。けど、ちょっとだけやで。ワシ、これから、いろいろと仕事があるから」
「仕事……それは……神話生物をどうにかするための?」
「まあ、そうやな。現状、ソンキーの力があるから、ある程度の化け物は瞬殺できるやろうけど、もっとヤバい化け物は厳しそうやから、ちょっと色々調べて、対策方法を考えようかと――」
「あんたでもヤバそうな相手……それって、たとえば……ヨグ=ソトースとか?」
「……あ? ん、まあ」
そこで、紅院が、一歩、前に
「ちょうどよかった。私たちの話は、そこに関係するものだから」
「……ほう」
★
中に入ってもらって、
一分程度の話をすると、
彼女たちの言いたいことがだいたい理解できた。
要約すると数行ですむ。
『薬宮トコには、ヨグ=ソトース召喚の呪いがかけられている。薬宮トコが死なないと、一週間以内にヨグ=ソトースが召喚されて、世界が終わってしまう。この厄介な状況、田中はんなら、どうにかできまへんかね?』
「……お前を殺す以外に、呪いを解く方法は……ま、ないんやろうな。あったら、すでにためしとるやろう」
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