悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

15話 救世主?


 15話 救世主?

「天元突破したテンペスト技術で、電子機器が放出している『微弱な電磁波』を検知して解析……あとは、一度でも繋がった事のある記録媒体から推測量子AIを利用した、サルベージ……ビットの断片記憶から推理して、未知のデータを補完推測することも不可能やない……」

 イメージが出来たら、
 あとは、組み立てていくだけ。
 簡単なパズル。

「……あとは、ナノ・スピリットを経由して、必要量のヨクトマシンを回収し、5Dモデルで現実化……多少、鬱陶しい演算が必要やけど、そこまで時間がかかることやないな……」

 ぶつぶつと、つぶやきながら、
 トウシは、新しいオモチャに没頭する。

 キチ〇イじみた自身の頭脳をフルで回転させて、
 人類には早すぎる世界へ、独りで歩を進めていく。



 ★



 とっくに、下校時間を過ぎた夜。
 真っ暗な世界で、
 『美少女たち』は、化け物相手に奮闘していた。

 ロイガーという名の凶悪なGOO。
 トコたちに勝てる相手ではなかった。

「――イヤなもんをイヤやっていうてるだけじゃ、くそったれ! あいつらを殺されるんはイヤなんじゃ、カス、ごらぁ! おどれごときチ〇カスの成りそこないは、宇宙一の美少女であるあたしのお願いを、黙って聞いとけばええんじゃ、あほんだらぁ! どうじゃい! 実にワガママお嬢様らしいやろう! 悪役令嬢感がエゲつないやろがい! これで、満足か! ブタ野郎!」

「非常に不愉快」

 ロイガーはそう言うと、
 トコから視線をそらしつつ、

「今から、貴様以外を全員殺す。徹底的に痛めつけて、ふみにじる。そのあとで、貴様を殺す」

 そう宣言すると、
 ――一般人『南雲ナオ』を指さし、


「まずは、あそこにいる『カス』から殺す」


 その悪逆非道な殺戮宣言に対し、
 トコは顔を真っ青にした。

 どうにかして止めようと頭を回すが、
 しかし、トコの実力ではどうしようもない。

 深い絶望に包まれた、
 そのタイミングで、


「……なかなか、エキセントリックな状況やなぁ……マジで、化け物が沸いとる……いや、もしかしたら、こうなるかも……と、予想はしとったけど……マジで、こうなってくると、さすがに引くなぁ……」


 突然登場したのは、
 クラスメイトの田中トウシ。

 主体性遠足では、彼女たちと同じ班の男子。

 彼の姿を見つけたトコは、

「な……なんで……」

 なんでここにいるのか、
 と当然の疑問を抱いた。

 そんな彼女の、当たり前の疑問を受けて、
 トウシは、眠そうにアクビをしつつ、

「いやぁ、図書館で、夢中になってコードを組んどったら、いつのまにか、こんな時間になってもうててなぁ……ワシ、集中したら、まわりが見えへんようになるから。いや、見えへんようになるわけではないかな。一応、見えとるんやけど、気にせぇへんようになるというか……」

「……ど、どうでもええわ……」

 心底から、どうでもよさそうにそうつぶやく彼女に、

「ま、そらそうやろうなぁ」

 同意の言葉を返しつつ、
 トウシは、ロイガーに視線を向けて、

「これが、グレート・オールド・ワンか……なるほど……人類がどうにか出来る相手ではないなぁ……これに抵抗できる『携帯ドラゴン』は、マジでイカれたテクノロジーやのう」

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