悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

41話 回収。


 41話 回収。

「さてと……詳細は知らんけど、どうせ、あいつをぶっ殺すってのが、元の世界に戻るための『条件』だろうから……サクっと殺すか……この20年で、俺は、えげつないほど強くなれた。もはや、俺に敵はいない。俺がガ〇ダムだ」

 ニィと、自信満々の笑みを浮かべるセン。

 そんなセンに、ソルは、

「……」

「……ずいぶんと、自信満々だな、センエース」

「ん? なんだ、この世界のお前は、俺を知っているパターンなのか?」

「アーカイブで確認させてもらった。『私自身』は、君を『経験』していないが、君が、クズニート世界の『私を殺した』という事実は知っている」

「ちょっと何言っているかわかんないが、とにもかくにも、俺を知っているのなら話ははやい。俺は、前の世界で一度、お前を殺しているが、あの時よりも、俺は、さらに強くなった。てめぇごときが、俺に勝てるとは思えねぇ。というか、今の俺に、勝てるヤツは一人もいねぇ」

 調子に乗っていくスタイルのセンに、
 ソルは、

「……クズニートの世界で使っていたソルは、ゴミみたいな分体だ。あんなカスを殺せた程度で調子に乗ってはいけない。本当の私は、もっと遥かに大きい」

「ほう。言うじゃないか。では、見せてもらおうか。本当のお前の性能とやらを」

 そう言いながら、トントンと片足ジャンプ。
 クイクイと、手招きで余裕を見せるセン。

 グリムとの長い闘いの中で、
 センは、自分の真価を知った。

 磨き続けてきた武は花開き、
 遥かなる高みに至った。


 真なる究極超神化7を纏い舞う神を相手に、
 センは、ついに、勝利を収めた。

 その達成経験と裏打ちされた自信が、
 センの体に、さらなる軽さを与える。


「俺の強さは、真理に至った。お前に、それを見せてやるよ」


 とことんまで調子にのったセンは、
 その自信の根拠を魅せつけようと、
 拳にオーラと魔力を込めて、

 ソルに向かってなぐりかかった。
 原始的な一手だが、
 しかし、結局のところは、これが一番分かりやすい。

 分かりやすいのは正義だ。
 まあ、正義など、相対的な視点の差異でしかないが、
 などと、心の中で、ファントムな戯言をほざきながら、

「閃拳」

 愚直に磨き続けてきた拳で、
 ソルの首を刈り取ろうとした――

 ――その結果、





「――降参っっっっっ、こうさぁああああんっ!」





 まず、綺麗にカウンターをいれられた。
 その一撃だけで、頭が、めちゃめちゃクラクラして、
 何が何だか分からないまま、
 追撃の猛連打をたたきつけられて、
 センの頭は、一瞬、真っ白になった。

 クラクラして、真っ白になって、
 そこで、ようやく、センは理解した。

 『あ、勝てんな』

 という真理を解したセンは、
 当たり前のように、
 『降参』を連呼することと相成った。


「ごめんなさい! 調子に乗りました!」


 必死になって、自分の非を認めるセン。

 そんなセンの情けない背中に、
 才藤は、ジト目を向けて、

「あれだけ、カッコつけておいて、そのザマか」

「うるせぇ! 想定外だったんだよ! あいつ、普通に『無敵バリア』を使っている上に、いろいろ、はやくて、鋭いぞ! あんなもん勝てるか! あいつが異常なだけ! 俺は悪くない!」

「……一瞬、ヒーローがかけつけてくれたのかと、期待したが……ただのカスだったか……」

「俺にヒーローを期待しても無駄だ。俺はヒーローじゃない」

「そのようだな……」

「というか、ヒーローは、お前だろ?」

 そう言いながら、
 センは、一枚の護符を、才藤に押し付ける。

 護符を受け取った才藤は、

「……これは……?」

「グリムに勝った時にドロップしたアイテム。効果は知らんけど、お前専用のアイテムだと聞いている」

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