悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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89話 めちゃめちゃ普通に封印されましたぁ!


 89話 めちゃめちゃ普通に封印されましたぁ!

「さすがに、究極超神化7を使っていながら、手も足も出ないなんてことはありえない。パワーやスピードではなく、封印魔法の方にリソースの大半をつぎ込ませてもらった。あなたを確実に捕縛するために」

「……おやおや……マジすか」

「あなたが何者か知らないけれど、あの子の邪魔だけはさせない。あの子が完成するまでの間、闇の底で眠っているといい」

 そう言いながら、
 アリアは、亜空間倉庫から、
 無数の『名状しがたい、お札のようなもの』を取り出して、


「この世界の『主神』である私をナメるな」


 プライドを叫びながら、
 センのオーラを、無数のお札でがんじがらめにする。
 ヌルリと魂魄を包み込む。
 出力のシステムそのものに介入していく。
 グググっと、力強く、冷徹。

 ほどなくして、センの意識はブツンと飛んだ。


 ★



 ――目が覚めた時、
 センは、夜を切り取ったような空間で寝転んでいた。

 一応『自由に動くこと』はできた。
 真っ暗なのに、視界は良好だった。


(あーあ……俺、めちゃめちゃ、普通に封印されたなぁ……笑えんわぁ……『その手の魔法』は払える自信があったんだけど、普通に、ダメなタイプの自惚れだった……ダサすぎる……)


 立ち上がり、周囲を見渡す。
 少しだけ歩いてみた。

(ここ……まるで、真っ暗な『精神〇時の部屋』だな……)

 どうでもいいことを、心の中でつぶやきつつ、
 センは、どこまでも続く暗闇の道をひた歩く。

(用意された出口は……なさそうかなぁ。出ようとしたら、自分で時空に穴をあけるしかなさそうだ)

 そう思ったセンは、
 両手に魔力を溜めて、


「異次元砲っっ!」


 時空に穴をあけようと、
 ためしに、高出力の照射をぶっぱなしてみた。

 ――が、

「うーむ、ビクともせんねぇ……なかなかの強度だ。おそれいる」

 と言った感じで、ため息をついていると、

 そこで、





「げはは! 無駄だ、無駄! 貴様ごときの力で、アリア様のEZZパニッシャーを崩せるものか!」





 地面に浮かんだジオメトリから這い出してきた二頭身の小さい悪魔が、
 『非常に腹の立つ笑い顔』でそう言った。
 ご親切に発光してくれているため、暗闇の中でも姿がよく見える。

「……お前は?」

「私はルースー。この上なく尊き命の主『アリア様』の右腕にして、アリア様の『力の根源』でもある」

「力の根源ねぇ……」

「貴様は、そこそこマシな力をもっているようだが、しかし、アリア様には勝てない。アリア様こそが最強! 主神の後光をナメるなよ、虫けらぁ」

「そうねぇ……ナメちゃいけなかったねぇ。ただ、実のところ、『全力で舐めプした』ってわけでもない。集中力と警戒心は切らさなかった。『神様がヤバい』ってことは重々承知しているからな。……だから、現状は、『慢心ゆえの油断をつかれた』というより、単純に『初見殺しをくらった』と言った方が正確かな。高次戦闘という領域において、あの女は、俺の想像を超えてきた。想定していた以上に搦め手が上手だった。結局のところは、それだけの話だよ」

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