悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

3話 いくら強くなっても、究極超邪神の頂点には届かない。


 3話 いくら強くなっても、究極超邪神の頂点には届かない。

「ただの人間が……どうして、そんなっ……なんだ、その膨大な魔力……っ」

「私はただの人間ではない。偉大なる王に仕える者。貴様のような、ただのバケモノとは格が違う」

 鼻高々で、自身のステータスでマウントをとりつつ、
 ゾーヤは、虚影の力をフルに活用し、

「王の御前である。ひざまずけ」

 そう吐き捨てると、
 美しく、剣をヒュンヒュンと往復できらめかせて、
 イスタシャの『首から上』と『腰から下』を切り落とす。

「あっ、がぁあああああああっっ!」

 激痛に顔をゆがませているイスタシャ。
 支えとなる下半身を失って、その場にボトリと倒れこむ上半身。
 その上半身も、首と胴体の二つに分かれて、三つに分けられている。
 そんなイスタシャの頭を踏みつけながら、
 ゾーヤは、

「陛下、活きのいい神話生物を三枚におろさせていただきました。さあ、どうぞ、ごゆるりとお召し上がりください」

 熟練のメイド長のような柔らかな表情で、ニコリと微笑む。

 そんな彼女を尻目に、

「……いや、言い方、もう少し考えてくれる? あと、別に、俺が食べるわけじゃないんだが……」

 軽く引きながら、そうつぶやきつつ、
 センは、図虚空にイスタシャを食べさせる。

 もぐもぐと咀嚼してから、ペっと吐き出す。
 相変わらず、女性型のGOOは、特にデフォルメされることもなく、そのままの姿。

 イスタシャは、反抗的なGOOやアウターゴッドとは違い、
 素直に、自分の状況を受け入れた。

 ゾーヤにすら勝てなかった自分が、
 ゾーヤを遥かに超えているバケモノであるセンエースに、
 何をどうしても勝てるわけがないし、
 そんな相手に逆らうのは得策ではないと、
 生存本能が大合唱を上げているので、
 極めて素直に、イスタシャは、センエースに平伏した。

 ――現在のセンエースは『下の中』ぐらいのハンパなランクとはいえ、
 しかし、一応、『アウターゴッド』としてのポジションを得ているので、
 GOOの視点では、さからう気は一切おきない模様。

 圧倒的強者に絡まれた弱者は、
 ただただ、震えながら従うことしかできない。


 ★


 ――この日の夜も、センは、順調に、
 GOOとレアアイテムを獲得し、
 順調に強くなっていく。

 しかし、いくら強くなろうと、

(まだ、『真なる神』の領域にすら届いていないカスが、私の本体に勝てると思うな。私の本体は、まごうことなき究極超邪神の頂点。一にして全、全にして一。ハンパなザコなど、目の前に立つ資格すらない)

 ヨグからの評価は厳しい。

 限界を超えて、
 ドラ〇ンボールも真っ青の勢いでインフレしていながら、
 しかし、ヨグには届かない。

 それが現実。
 そんな現実を前にして、センが、心底から辟易していと、
 そこで、

「――ん?」

 最初に、センが、『世界の違和感』に気づいた。
 何がどうとは言えない、感覚の話。
 直観としか言えない『胸騒ぎ』がセンの脳裏を走った。

「……なんだ……なにかが……」

 心がザワザワする。
 重たい『不安』が全身を包み込む。

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