悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

34話 止まらない異次元砲。


 34話 止まらない異次元砲。

「ざけんなよ、クソがぁああああああ!」

 すべての魔力とオーラを結集させて、
 センは、

「終わってたまるか、クソぼけぇええええええええ!!」

 ヨグシャドーの異次元砲を、
 まるで、『ぶっといゴム紐を両手で引きちぎる』みたいに、

「うらぁああああああああああ!」

 バジィィィッッ!!
 と、豪快な音をたててかきけしてみせた。

 あまりにも異常が過ぎるその光景に、
 ヨグシャドーは、

「見事だ、センエース。もちろん、全力の異次元砲ではなかったが、しかし、貴様の総量では、決して受け止めきれない異次元砲だったことは間違いない。それを消し去って見せた貴様の力量は感嘆に値する」

 心から賞賛しているヨグシャドーの視線の先で、
 センは、ボロボロの姿で、その場に膝をつき、

「はぁ……はぁ……」

 息を切らし、朦朧としている。

 そんな彼に背後から、
 トコが、真っ青な顔で、

「だ、だい……じょうぶ……?」

 と、声をかけてきた。
 重度の『心配』がにじみ出ているその声音に、
 センは、

(大丈夫なワケねぇだろ、バカか、このクソ節穴バカ女がぁ……)

 と、心の中でブチブチ言いながら、
 しかし、実際の口では、

「……当たり前だろ……ナメんなよ」

 全力でカッコをつけるセン。
 そんなセンに、
 ヨグシャドーは、
 たんたんとした口調で、

「もちろん、この程度は余裕だろう。そうでなければ話にならない。さて、それでは、次だ。はりきって行こう」

 そう言いながら、右手に魔力とオーラをためはじめる。
 まったく容赦がない二発目の準備。

 その様子を見たセンは、
 思わず、口をアングリと開けて、
 呆けた目で、ヨグシャドーの全体を見つめるばかり。

 そんなセンに、
 ヨグシャドーは、

「言っておくぞ、センエース。もし、貴様が力尽きれば、後ろにいる女どもは、当たり前のように、全員死ぬ。もちろん、それで終わりではなく、その後、世界の全てを終わらせる」

「……」

「貴様の命だけが、世界の頼りだ。貴様の全てが、最後の砦。この極限状態で、さあ……貴様は、どこまで耐えられる?」

「……」



「――異次元砲――」



 まったく情け容赦のカケラもない二発目が放たれた。

「うぎぃいい!」

 ふざけたことに、

「ぅぉおおいっっ……さ、さっきより……重いぃぞぉお……」

「二発目は、一発目を超えてくる。当たり前の話。なんだってそう。そして、三発目は、二発目を超える」

「……ぎぃいいい……ぃいいい」

「五発目、十発目、百発目……千発目……と、これから続けていくワケだが、耐えられそうかな?」

「……ぃぃい、うぎぃいいいいいい……」

「二発目の段階で、もう無理そうだな。仮に、ここを耐えられたとしても、3発目は無理だろう。もう、すでに、貴様はカラカラだ。すでに、ほぼ全てを出しつくしている」

「ぎぃいいいいいいいいいいいいいいっっ」

「ハッキリ言おう。ここまで耐えられているのが奇跡だ」

 一般人の視点で、現状のセンをかたるとすれば、
 『一万キロ全力ダッシュ』の直後に、
 『もう一本』のおかわりをいただいている状態。


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