悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

6話 ここからは、ちゃんとテロをしていきます。

6話 ここからは、ちゃんとテロをしていきます。

「お前なら、神の王にだってなれる」

「なれねぇだろ。てか、なんだよ、神の王って。それ、どういう役職の人?」

「運命を調律する役職に決まっているだろ、常識的に考えて」

「……どの世界の常識だよ。てか、常識をナメんなよ、クソボケが」

と、そこで、トコが、
茶柱の腕を強引に引っ張りながら、

「ほんまに、もうエエから、はよいくぞ!」

「痛い、痛い、痛い! 力が強すぎるにゃ! これは、痕(あと)がのこるやつだにゃ! ひどいにゃ! これはもはや悪質なイジメだにゃ! 訴訟も辞さない構えにゃ!!」

「おう、うけてたったらぁ! 頭のデキはあんたの方が上か知らんけど、資金力で言うたら、こっちの方が確定で上やからのう! 法廷では、地獄を覚悟しとけ!」

ピーピーとわめきながら、
教室を出ていったK5の面々とテロリーダー。

残されたセンたちに対し、
同じく残ったテロリスト二名が、

「はい、じゃあ、全員、席についてください」
「ちょっとグダりましたが、ここから先は、ちゃんとテロをしていきますんで」

その発言を受けて、センは、ため息をつきながら、

(……『ちゃんとテロをしていく』って……すげぇパワーワードだな……)

などと、心の中でつぶやいていると、
そこで、アゲセンが、

「あ、その前に、ガラス片の掃除をさせていただけますか」

「あ、そうでしたね、すいません」

「いえいえ」

などと言葉を交わし合ってから、
挙茂は、生徒の何名かに掃除するように指示を出す。

その中にセンは入っていなかったので、壁にもたれかかって、
クラスメイトが掃除している姿をボーっと眺めながら、

「これって、この後、救助がくるまで待つだけ?」

と、尋ねると、蓮手も、壁にもたれかかったまま、

「たぶんな。別に、妙なイベントを挟(はさ)んでくるとかはないと思うぜ」

「これ、やる意味あるか? ただ待つだけじゃねぇか」

「そんなことを言い出したら、火事や地震の訓練も同じじゃね?」

「地震の場合だと、机の下にもぐるみたいなアクティブもあるじゃねぇか」

「でも、そのあとは、グラウンドに出て、一列に並んで、派遣された消防隊員や警察官の話を聞くだけだろ」

「……ああ、確かに。そう考えると、内容の薄さは同じぐらいか」

「――『強引に拉致られていくお嬢様』という貴重なシーンを見る事が出来たんだから、こっちの方が、内容は濃いだろ」

「あのアホが無意味にゴネて『無駄な一悶着』が起きたってだけの話だけどな」

と、そんなことを話していると、
そこで、
テロリストの一人が近づいてきて、

「君……『せんいちばん』くん?」

と、声をかけてきたので、

「いえ、違います」

「え? あれ?」

と、そこで、テロリストは、スマホを取り出し、
保存されている写真を確認してから、

「いや、君、『せんいちばん』くんだよね?」

「違います」

頑なに否定を続けるセン。

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