悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
57話 微妙に不都合な真実。
57話 微妙に不都合な真実。
「こんなにも心が楽になると教えてくれてありがとう」
そんなセンの言葉をかき消すように、
茶柱は、遠くを見ながら、
「あれは昨夜のことにゃ。ダーリンは、月夜を見上げながら、『ぼくは、君だけのヒーローさ』と、熱く口説いてきたのにゃ」
「ビミョぉおおおおおおおに真実を混ぜてくるんじゃねぇ」
「……『頭がおかしくなりそうなくらい、君が好きだ』『君のためなら死ねる』『たとえ両腕を失ったとしても、君を守る』と、めちゃくちゃしつこく口説いてくるものだから、つい根負けして、OKを出してしまった……というのが、コトの真相にゃ」
「……ねぇ、なんで、そんなウソばっかりつけるの? 君には、人の心というものがないの? ねぇ? ねぇ?」
イライラを隠し切れないセン。
その向こうで、城西は、
むしろ『ここ』を『チャンス』とみたのか、
「罪華さん、僕も、あなたのためなら死ねます!」
そう言いながら、
茶柱に詰め寄って、
「あんな口だけの無能なんかよりも、僕は、よっぽど、あなたの事を愛している! 僕の覚悟は、彼とは次元が違う!」
「おお、すごい自信だにゃぁ! ツミカさん、八方から愛されすぎちゃって、困るにゃぁ」
「僕は、あなたを守れる男になるため、必死になって努力してきた! この肉体と頭脳が、その証拠です! 閃のような『耳障りのいい言葉を発するだけの努力不足』とは、積み重ねてきた覚悟が違う! 僕は、本当に、命をかけられる! 僕こそが、あなたのヒーロー!」
「すごいにゃぁ! まさか、そこまでツミカさんの事を思ってくれている男が、こんな身近にいただにゃんて! 気づかなかったツミカさんは、とんだ愚か者にゃ!」
「いえ、あなたは何も悪くない。これまで、つい臆病風にふかれ、遠慮して『一歩引いたところ』から、あなたを見守ることに徹していた僕が悪い! これからは、あなたの隣で、あなたを守っていきたいと思っております!」
――その宣言の直後だった。
城西の視界がグニャリとゆがむ。
「っ……なっ……!」
感覚の異常は一瞬のことだった。
だが、その身に起こった異常事態は、
一瞬で終わってくれるものではなかった。
「な、なんだ……どういう……ここは……ぇ?」
体育館裏にいたはずの城西。
しかし、今、彼は、
真っ白な空間にいる。
「つ、ツミカさん……あの……」
この白い空間には、
茶柱もいた。
しかし、センはいない。
城西と茶柱、二人だけの空間。
茶柱は、周囲をぐるりと確認してから、
「なんだか、よくわからないけど、どうやら、ツミカさんたちは、変なことに巻き込まれたみたいだにゃぁ。怖いにゃぁ。不安だにゃぁ。あ、でも、ツミカさんには、『覚悟がハンパないヒーロー』がついているから、何も問題はない……そうだよねぇ?」
「……っ、は、はい! 心配しないでください! ぼ、僕が必ず――」
『守ってみせる』と、言い切る前に、
城西の目の前に、
奇妙な亀裂が入った。
「こんなにも心が楽になると教えてくれてありがとう」
そんなセンの言葉をかき消すように、
茶柱は、遠くを見ながら、
「あれは昨夜のことにゃ。ダーリンは、月夜を見上げながら、『ぼくは、君だけのヒーローさ』と、熱く口説いてきたのにゃ」
「ビミョぉおおおおおおおに真実を混ぜてくるんじゃねぇ」
「……『頭がおかしくなりそうなくらい、君が好きだ』『君のためなら死ねる』『たとえ両腕を失ったとしても、君を守る』と、めちゃくちゃしつこく口説いてくるものだから、つい根負けして、OKを出してしまった……というのが、コトの真相にゃ」
「……ねぇ、なんで、そんなウソばっかりつけるの? 君には、人の心というものがないの? ねぇ? ねぇ?」
イライラを隠し切れないセン。
その向こうで、城西は、
むしろ『ここ』を『チャンス』とみたのか、
「罪華さん、僕も、あなたのためなら死ねます!」
そう言いながら、
茶柱に詰め寄って、
「あんな口だけの無能なんかよりも、僕は、よっぽど、あなたの事を愛している! 僕の覚悟は、彼とは次元が違う!」
「おお、すごい自信だにゃぁ! ツミカさん、八方から愛されすぎちゃって、困るにゃぁ」
「僕は、あなたを守れる男になるため、必死になって努力してきた! この肉体と頭脳が、その証拠です! 閃のような『耳障りのいい言葉を発するだけの努力不足』とは、積み重ねてきた覚悟が違う! 僕は、本当に、命をかけられる! 僕こそが、あなたのヒーロー!」
「すごいにゃぁ! まさか、そこまでツミカさんの事を思ってくれている男が、こんな身近にいただにゃんて! 気づかなかったツミカさんは、とんだ愚か者にゃ!」
「いえ、あなたは何も悪くない。これまで、つい臆病風にふかれ、遠慮して『一歩引いたところ』から、あなたを見守ることに徹していた僕が悪い! これからは、あなたの隣で、あなたを守っていきたいと思っております!」
――その宣言の直後だった。
城西の視界がグニャリとゆがむ。
「っ……なっ……!」
感覚の異常は一瞬のことだった。
だが、その身に起こった異常事態は、
一瞬で終わってくれるものではなかった。
「な、なんだ……どういう……ここは……ぇ?」
体育館裏にいたはずの城西。
しかし、今、彼は、
真っ白な空間にいる。
「つ、ツミカさん……あの……」
この白い空間には、
茶柱もいた。
しかし、センはいない。
城西と茶柱、二人だけの空間。
茶柱は、周囲をぐるりと確認してから、
「なんだか、よくわからないけど、どうやら、ツミカさんたちは、変なことに巻き込まれたみたいだにゃぁ。怖いにゃぁ。不安だにゃぁ。あ、でも、ツミカさんには、『覚悟がハンパないヒーロー』がついているから、何も問題はない……そうだよねぇ?」
「……っ、は、はい! 心配しないでください! ぼ、僕が必ず――」
『守ってみせる』と、言い切る前に、
城西の目の前に、
奇妙な亀裂が入った。
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