悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
47話 おねがいダーリン、うろたえて。
47話 おねがいダーリン、うろたえて。
「あの、ゴリゴリに神輿(みこし)を担(かつ)いでくる感じが、すげぇしんどい」
心底、めんどうくさそうにそうつぶやいてから、
茶柱の目をジっと見て、
「――お前は、そういう『メンドくさいこと』は言ってこないだろ? お前は、そこがいい。こう……いい感じに、俗世から離れているところが、俺的には、超いい感じ。一匹オオカミ気質のハリネズミ同士、適切な距離感で、お互いを便利に利用しつつ、うまいこと、やっていこうや」
「……」
「あ、そうだ。もういっそ、お前の口から、あいつらに言っておいてくんない? 『こっちはこっちで勝手にやるから、気にするな』――みたいな感じの事を」
「……」
「ていうか、『夜の学校には、もう、こなくていい』って言っておいてくれ。ぶっちゃけ、俺とお前がいたら、どうにかなるだろ? 無意味に探索班の数を増やして損傷のリスクを上げる必要はない。あ、ちなみに、いうまでもないけど、その辺、ちゃんと、うまいこと、言っておいてくれよ。どういうストーリーにするかは任せるけど、とにかく、俺は、ヒーローとして戦うんじゃなく……なんていうか、その……そう、あれだ。俺は、俺自身を突き詰めるために戦う。決して、あいつらのためでも、世界のためでもない。だから、感謝がどうとか、王がどうとか、そういう話にはならないように……うまいこと、言いくるめておいてくれ。お前なら、そのぐらい余裕だろ?」
「……」
「というわけで、今後とも、どうぞ、よろしく」
「はぁあ……なんていうか……こいつ、マジで、いろいろムリ……」
深いため息をつきながら、
茶柱は、イラつきを隠そうともせず、
雑な態度で、
センの部屋から出ていった。
センは、その背中を見送りながら、
「なんでも願いを叶える……か。もしかして『付き合ってくれ』って頼んでいたら、ギャグじゃなく、ガチの恋人になってくれたのかね………………はは、なんてな……ありえねぇ、ありえねぇ。つぅか、俺は、そこまでキモくねぇ」
そうつぶやきつつ、ベッドから降りて、大きく伸びをした。
★
――その日、
とりあえず、普通に学校に向かったセン。
『はたして、茶柱は、今夜、手伝ってくれるだろうか』
などと考えながら、
自分の教室に入ったところで、
「ダーリン、おはよう! 今日は、いい朝だにゃぁ!」
背後から忍び寄ってきていた茶柱が、
クラスメイトたちに見せびらかすように、
センの背中に抱き着いた。
「ちょっ……おまっ……何を――」
慌てるセンに、
茶柱は、続けて、
「昨日の夜は、すごかったにゃぁ。あんなに熱い夜は、生まれて初めてだったにゃぁ」
などと、大声で喚くものだから、
クラス中が、全力でザワっとしていく。
「え? どういう系の冗談?」
「いや、いくら茶柱でも、そういう冗談は……」
「ほんと、どういうこと? これ、え? マジ?」
「あの『顔面偏差値48』と茶柱が……え、ほんとうに?」
「いやいや、そんなわけ――」
「あの、ゴリゴリに神輿(みこし)を担(かつ)いでくる感じが、すげぇしんどい」
心底、めんどうくさそうにそうつぶやいてから、
茶柱の目をジっと見て、
「――お前は、そういう『メンドくさいこと』は言ってこないだろ? お前は、そこがいい。こう……いい感じに、俗世から離れているところが、俺的には、超いい感じ。一匹オオカミ気質のハリネズミ同士、適切な距離感で、お互いを便利に利用しつつ、うまいこと、やっていこうや」
「……」
「あ、そうだ。もういっそ、お前の口から、あいつらに言っておいてくんない? 『こっちはこっちで勝手にやるから、気にするな』――みたいな感じの事を」
「……」
「ていうか、『夜の学校には、もう、こなくていい』って言っておいてくれ。ぶっちゃけ、俺とお前がいたら、どうにかなるだろ? 無意味に探索班の数を増やして損傷のリスクを上げる必要はない。あ、ちなみに、いうまでもないけど、その辺、ちゃんと、うまいこと、言っておいてくれよ。どういうストーリーにするかは任せるけど、とにかく、俺は、ヒーローとして戦うんじゃなく……なんていうか、その……そう、あれだ。俺は、俺自身を突き詰めるために戦う。決して、あいつらのためでも、世界のためでもない。だから、感謝がどうとか、王がどうとか、そういう話にはならないように……うまいこと、言いくるめておいてくれ。お前なら、そのぐらい余裕だろ?」
「……」
「というわけで、今後とも、どうぞ、よろしく」
「はぁあ……なんていうか……こいつ、マジで、いろいろムリ……」
深いため息をつきながら、
茶柱は、イラつきを隠そうともせず、
雑な態度で、
センの部屋から出ていった。
センは、その背中を見送りながら、
「なんでも願いを叶える……か。もしかして『付き合ってくれ』って頼んでいたら、ギャグじゃなく、ガチの恋人になってくれたのかね………………はは、なんてな……ありえねぇ、ありえねぇ。つぅか、俺は、そこまでキモくねぇ」
そうつぶやきつつ、ベッドから降りて、大きく伸びをした。
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――その日、
とりあえず、普通に学校に向かったセン。
『はたして、茶柱は、今夜、手伝ってくれるだろうか』
などと考えながら、
自分の教室に入ったところで、
「ダーリン、おはよう! 今日は、いい朝だにゃぁ!」
背後から忍び寄ってきていた茶柱が、
クラスメイトたちに見せびらかすように、
センの背中に抱き着いた。
「ちょっ……おまっ……何を――」
慌てるセンに、
茶柱は、続けて、
「昨日の夜は、すごかったにゃぁ。あんなに熱い夜は、生まれて初めてだったにゃぁ」
などと、大声で喚くものだから、
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「え? どういう系の冗談?」
「いや、いくら茶柱でも、そういう冗談は……」
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