悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!

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45話 え、今、何でもするって言った?

45話 え、今、何でもするって言った?



「ヒマだったから、つい、出来心で。――反省はしている」



などと、センは供述した。

あまりにもまっすぐに、
自分の目を見てそう言ったセンに対し、
茶柱は、

「……」

一瞬だけ、
唖然としてから、

「……は、はは……」

つい、笑ってしまった。

センが目を覚ますまでは、
『とことん追求するつもり』だったのだが、
『覚悟の質が違う目』を向けられたことで、
戦意が折れてしまった。

「あ、そう……ヒマだったから、つい助けちゃったんだ」

「ああ。それ以上でも、それ以下でもない。それが真実であり、本音であり、現実であり、事実だ」

あくまでもシラを切り通すセンに、
茶柱は、

「私も、あんたに倣(なら)って、真実の本音を言っていい?」

「お好きにどうぞ」



「私、あんたのこと、きらぁい」



「……」

「世界一、嫌い。あんたのこと、私は、世界で一番、気色悪い生き物だと思っているわ。あんたと比べたら、まだ、ゴキブリの方がカワイイ」

「異議あり! 対戦相手がゴキブリなら、さすがに、勝てる気がする!」

「何言っているの。バカじゃないの? ゴキブリは飛べるのよ?」

「だからなんだってんだ。てか、飛行ダイブしてくるって点が、ゴキブリの最も忌避されている点だと思うのだが……」

「なんでもいいけど、あたしは、あんたのことが嫌い」

「もういい、わかったから。何度も言うな」

「死ぬほど嫌い」

「わかったって! 言っておくが、ちゃんと傷ついているからな? お前の言葉のナイフは、俺の心を、シッカリとメッタ刺しにしているんだからな?」

「あんたのことは嫌いだけど……ユウキを助けてもらったのは事実だからね。特別中の特別で、何か御礼をしてあげるわ。一つだけ、私に、なんでも命令できる特権をあげる」

「え、今、何でもするって言った?」

「ええ、言ったわ。そして、私がその気になれば、実際のところ、たいていの事が出来る。で? どうする? 何を望む? なんでも叶えてあげるけど」

「マジかぁ……んー……じゃあ……」

軽くためてから、
センは、茶柱の目を見つめる。

そんなセンの目を、
茶柱も、ジっと見つめた。
トクンと、心臓が鳴った。
この上なく『みっともない鼓動』だと、茶柱は思った。
だから、つい赤くなりかけて、
けど、鋼の精神力で、自分を制した。

茶柱罪華は、センの言葉を待った。
誰かの言葉を真剣に待つのは初めてかもしれない、
などと、そんな事を想いながら、
センの言葉を、ただ待った。

そんな彼女に、
センは言う。



「明日から、アイテム探索するから。手伝ってくれ」



「……ん?」

一瞬、何を言われているのかわからなくて、茶柱は普通に聞き返した。
想定していた答えと、あまりにもかけ離れすぎていて、
この一瞬、普通に脳がバグった。


「え? なんて? 聞き間違いだと思うから、もう一回、言ってくれない?」

「明日から、アイテム探索するから、手伝ってくれ」

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