悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
77話 久剣一美の暴挙。
77話 久剣一美の暴挙。
「もう、ほんま頼むわ! あたしら、全員、一杯一杯やねん!」
狂ったように、頭をかきむしる。
――『すがりつけるワラ』すらなかった昨日までは、
心を殺して『義務の奴隷』をしていたが、
センエースという『ド級の希望』をチラつかされたことで、
心のダムがぶっ壊れてしまった。
「あたしらはなぁ! ミレーも含めて、完全なサポート型なんや! 全員、バキバキの後衛やねん! あたしらのパーティで、前衛は『カズミ』やった! あいつは『前衛の極み』みたいな超脳筋! 中三の段階で、すでに、『最強クラスの先輩』と同程度の力を持つ、最強のアタッカーやった! けど、あのアホは、その強さに反比例して頭が残念やった! 戦闘になったら、頭に血が上って突撃してまうから、とにかく、死なさんように、あたしらがバックアップせざるをえんかった! 結果、中距離アタッカー寄りだったミレーも、バックアップ型としてビルドを組む羽目になった! そんな状況で、ようやく、パーティとして、形が整ってきたという時に、五体連続召喚のGOO大戦が起きて! あのアホは、まっさきに、戦場に飛び込んで死にやがった!!!」
ガンッッ!
と、テーブルを殴りつけるトコ。
目が真っ赤になっている。
「必死になって止めた! 頼むから無茶をするなと、拝み倒した! けど!」
――入学前、GOO大戦。
『――先輩たちだけだと数が足りないよ。リーダーも、だいぶ消耗しているし』
『アホか、カズミ! 【内野(うちの)】をナメんなよ! あいつがおったら、なんとかなる!』
『……【リーダー】は確かに強いけど、無敵じゃないよ。ていうか、もう、普通に死に掛けているし。トコ、現実を見なさい。今、私がいかないと、確実に全滅する』
『内野は、あたしらを守ると約束してくれた! あいつは嘘をついたことがない!』
『確かにね……リーダーはすごいよ。本当に、今日までよく頑張ってくれた』
『ここで死ぬみたいな言い方すな!』
『……死ぬよ。だって、リーダーは、自爆をもくろんでいるから』
『はっ?!』
『戦闘前に、そういう【切り札】があるって教えてもらった。今、必死に抗っているのは、やつらを確実に殲滅するために、削りを入れている段階』
『……』
『私の見立てだと、正直、まだ削り切れない……GOOの生命力はハンパじゃないから……だから、私も行く』
『切り札って……自爆やったんか……あのクソボケ……』
内野は『お前らがいたら、とっておきの切り札が使えんから』と言いくるめ、彼女たちを退避させたのだった。
『……死なさへんぞ……あたしも行く』
『言うと思った』
『あいつに死なれたら、マジで困る。だから、当然、あたしも――』
『よっと』
『うぶぅ……っ……………』
『あれ? 殺したのかにゃ?』
『なわけないでしょ。気絶させただけ。……じゃ、あとのことは任せたわよ、ミレー』
『……』
『そんな顔しないでよ。もし、この局面を乗り越えることができたら、明日からは、あなたがリーダーになるんだから。ほら、そんな泣きそうな顔してないで……【内野】みたいに、不敵に笑って前を向いて』
『無理に……決まっているでしょ。私は……ただの……』
『キツいと思うよ。もちろん、わかってる。けど、やるしかない。この中だと、あなたが一番強いんだから。いろいろな意味でね』
『……』
『さて……それじゃあ、行こうかな。あ、これは、一応、言っておかないと……ツミカ、ごめん』
『ん? なんで、ツミカさんに謝るのかにゃ?』
『……あなたを守ってほしいって、【ユウキ君】に頼まれていたから。あなたの【弟】の願いを、私は、もう、守れそうにない』
『……』
『私は、いい友達に恵まれた。【ド変態】ばかりだったけど! 家族にも恵まれた。ちょっとアレな人が多い変な家族だけど! 才能にも恵まれた。過剰すぎてたまに引いたけど! 恋人にも恵まれた。病気で死んじゃったけど……でも、おおむね、望むがままの人生を生きることができた! だから、行く! 絶対に守る! ――死ぬ気で宣言するから、聞け、世界! 私の全部をくれてやる! だから、よこせ! 私の大事な【ド変態】たちを守れる力を!』
          
「もう、ほんま頼むわ! あたしら、全員、一杯一杯やねん!」
狂ったように、頭をかきむしる。
――『すがりつけるワラ』すらなかった昨日までは、
心を殺して『義務の奴隷』をしていたが、
センエースという『ド級の希望』をチラつかされたことで、
心のダムがぶっ壊れてしまった。
「あたしらはなぁ! ミレーも含めて、完全なサポート型なんや! 全員、バキバキの後衛やねん! あたしらのパーティで、前衛は『カズミ』やった! あいつは『前衛の極み』みたいな超脳筋! 中三の段階で、すでに、『最強クラスの先輩』と同程度の力を持つ、最強のアタッカーやった! けど、あのアホは、その強さに反比例して頭が残念やった! 戦闘になったら、頭に血が上って突撃してまうから、とにかく、死なさんように、あたしらがバックアップせざるをえんかった! 結果、中距離アタッカー寄りだったミレーも、バックアップ型としてビルドを組む羽目になった! そんな状況で、ようやく、パーティとして、形が整ってきたという時に、五体連続召喚のGOO大戦が起きて! あのアホは、まっさきに、戦場に飛び込んで死にやがった!!!」
ガンッッ!
と、テーブルを殴りつけるトコ。
目が真っ赤になっている。
「必死になって止めた! 頼むから無茶をするなと、拝み倒した! けど!」
――入学前、GOO大戦。
『――先輩たちだけだと数が足りないよ。リーダーも、だいぶ消耗しているし』
『アホか、カズミ! 【内野(うちの)】をナメんなよ! あいつがおったら、なんとかなる!』
『……【リーダー】は確かに強いけど、無敵じゃないよ。ていうか、もう、普通に死に掛けているし。トコ、現実を見なさい。今、私がいかないと、確実に全滅する』
『内野は、あたしらを守ると約束してくれた! あいつは嘘をついたことがない!』
『確かにね……リーダーはすごいよ。本当に、今日までよく頑張ってくれた』
『ここで死ぬみたいな言い方すな!』
『……死ぬよ。だって、リーダーは、自爆をもくろんでいるから』
『はっ?!』
『戦闘前に、そういう【切り札】があるって教えてもらった。今、必死に抗っているのは、やつらを確実に殲滅するために、削りを入れている段階』
『……』
『私の見立てだと、正直、まだ削り切れない……GOOの生命力はハンパじゃないから……だから、私も行く』
『切り札って……自爆やったんか……あのクソボケ……』
内野は『お前らがいたら、とっておきの切り札が使えんから』と言いくるめ、彼女たちを退避させたのだった。
『……死なさへんぞ……あたしも行く』
『言うと思った』
『あいつに死なれたら、マジで困る。だから、当然、あたしも――』
『よっと』
『うぶぅ……っ……………』
『あれ? 殺したのかにゃ?』
『なわけないでしょ。気絶させただけ。……じゃ、あとのことは任せたわよ、ミレー』
『……』
『そんな顔しないでよ。もし、この局面を乗り越えることができたら、明日からは、あなたがリーダーになるんだから。ほら、そんな泣きそうな顔してないで……【内野】みたいに、不敵に笑って前を向いて』
『無理に……決まっているでしょ。私は……ただの……』
『キツいと思うよ。もちろん、わかってる。けど、やるしかない。この中だと、あなたが一番強いんだから。いろいろな意味でね』
『……』
『さて……それじゃあ、行こうかな。あ、これは、一応、言っておかないと……ツミカ、ごめん』
『ん? なんで、ツミカさんに謝るのかにゃ?』
『……あなたを守ってほしいって、【ユウキ君】に頼まれていたから。あなたの【弟】の願いを、私は、もう、守れそうにない』
『……』
『私は、いい友達に恵まれた。【ド変態】ばかりだったけど! 家族にも恵まれた。ちょっとアレな人が多い変な家族だけど! 才能にも恵まれた。過剰すぎてたまに引いたけど! 恋人にも恵まれた。病気で死んじゃったけど……でも、おおむね、望むがままの人生を生きることができた! だから、行く! 絶対に守る! ――死ぬ気で宣言するから、聞け、世界! 私の全部をくれてやる! だから、よこせ! 私の大事な【ド変態】たちを守れる力を!』
          
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