貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第45話お茶

「ですから、私はローズと二人がいいんです」

キャシーが令嬢に言うと…

キッ!とローズを睨みつけた!

(なんなのよ!あの女キャシー様にどんな事したらあんなに目にかけて貰えるわけ!)

ローズは悔しそうに自分を見る令嬢に…

「キャシー…私は別にみんなでお茶するの
構わないよ?みんなでお話しする方が楽しいんじゃない?」

ローズがキャシーに言うと

「ローズがそう言うなら…」

キャシーは仕方なさそうに頷いた。

「なら私も!」

「私もお願いします」

「キャシー様!」

次々に令嬢達が声をかけてきた…。

「はぁ…わかりました。人数が増えたので少し準備を致しますから後でお越しください」

「きゃあ!キャシー様のお部屋に伺ってよろしいのですか!?」

「ええ、どうぞ」

キャシーは仕方なさそうに頷くとローズを連れて部屋を出ていった。

扉の外ではロンとスチュアートさんがキャシーとローズを待っていた。

「お嬢様お帰りなさいませ」

ロンがキャシーを見ると

「ロン、これから候補者のご令嬢達とお茶を飲みますので用意を…」

「えっ?これからでしょうか?」

ロンが驚くと

「ええ、人数は10名程かしら…よろしくね」

「は、はい…しかしお嬢様が招くなど珍しいですね?どんな心境の変化でしょか…」

ロンが聞くと

「本当はローズと二人がよかったのだけれど…ローズがみんなでも楽しいよって言うから…」

「またローズ様ですか…これからお嬢様が我儘を言ったらローズ様に相談させていただきます」

ロンが真剣に答えると

「キャシーが我儘なんて言うところ想像できないわ、いつも素直でとっても優しいもの」

ローズがキャシーに笑いかける。

ロンは信じられないとそっと首を振った…。

「では、ローズ様も支度をしてアイリック様のお部屋に伺いましょうか?」

スチュアートがローズを部屋へと促すと…

「えっ?また着替えるんですか?このままでもいいんじゃ…」

「えー!せっかくだから新しい服を着てきて欲しいわ!クレアさんにしっかりと相談して下さいね!」

キャシーがローズに詰め寄る。

「わ、わかったわ…じゃあ後でね」

キャシーに手を振るとローズは部屋へと戻って行った。

「それでどうでしたか?テストの方は?」

スチュアートが歩きながら聞くと

「えっと…まぁまぁかと…一般常識と政権については出来ましたが…所作については自信があまり…」

申し訳なさそうに答える。

「せっかくスチュアートさんとクレアさんに一生懸命教えていただいたのに…」

「大丈夫ですよローズ様なら」

スチュアートは笑うと部屋の扉を開いた。


「お帰りなさいませローズ様お疲れ様でございました」

部屋ではクレアさんが笑顔でローズを迎えた。


クレアはこれからキャシー様のお部屋にお茶に行く事を聞くと…

「では、それ用にお召し物を変えないといけませんね!ローズ様こちらへ!」

クレアはローズの手を取ると衣装部屋へと連れて行った…。

素直について行くローズはもう既に心を無にしていた…。

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