貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第37話お隣さん

厩舎に戻って来ると、馬達を労い餌を与えて屋敷へと向かっていった。

ロイとカイルが部屋まで送ると言うので断るが無理やり着いてきてしまった…

「場所はわかりますから大丈夫ですよ」

ローズが何度目かわからない言い訳をすると

「いいから黙って送らせろ」

「そうです、女性を一人で行かせるなど…」

「あれ?カイル様女性が苦手なんですよね?」

ローズがニヤリと笑って聞く

「ローズはローズだからね」

カイルに笑って言われてローズは諦めて大人しく二人に送られる事にした。

部屋の前まで来ると…隣の部屋に誰が来るようで家具を運びこんでいた…。

「おかしいな…もう誰かが来る予定はなかったが…」

ロイとカイルが不審に思っていると…

「あっ…あの家具は…」

見覚えがあるベビーピンクの家具にローズが気がついた。

すると…

「ローズ!」

廊下から聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた!

振り返ると、キャシーが目を潤ませてローズ目掛けて走って来た!

その様子にカイルがローズを庇うように引き寄せると…

「きゃっ!」

急に腕を引かれてカイルの腕に抱かれる様に倒れ混んだ…

「何をしますの!せっかくのローズとの再会を!」

キャシーが怒ってローズの反対側の腕を握ると…

「離せ!」

カイルがさらにローズを引き寄せる!

キャシーも負けずにローズの腕を引っ張ると…

「痛い!痛い!ちょっと!二人とも落ち着いて!」

ローズの叫び声に二人が同時に手を離した…

ローズはホッと落ちついていると

「キャシー様!廊下を走るとは何事ですか!」

ロンが慌ててキャシーを追いかけて来ると…

「こ、これはロイ王子にカイル様…」

慌てて頭を下げて廊下に端によると…

「ロイ王子にカイル様が…なんでローズと?」

キャシーが三人を見ると…

「キャシー様!王子殿下を前に失礼ですよ…ってローズ様がどこにいるのですか?」

思わずロンは顔を上げるが…そこにはキャシー様とロイ王子、カイル様ともう一人の男性がいるだけだった

「キャシー様…ローズ様に会いたいが為に…等々頭がおかしく…おいたわしい…」

ロンが口元を抑えると…

「何言ってるのよ!ローズならそこにいるでしょ!」

キャシーがローズを指さす!

「何を言ってるんですか?」

ロンが男装姿のローズを見て、怪訝な顔をする。

「ちょっと…不味いね…」

ロイは頭を抑えると

「アイリック令嬢お話がありますのでちょっと部屋に向かってもよろしいかな?」

ロイが笑いかけると…

「ローズも一緒なら喜んで!」

ギュッとローズに抱きついた!

「キャ、キャシー様!」

婚前前のお嬢様がどこの誰かもわからない男性に抱きついたと思ったロンはグルンと目を回してバタン!と倒れ込んだ…

「あら…どうしたのかしら?」

急に倒れたロンにキャシーは心配すること無く声をかけた。

「ロン?どうしたの?眠くなったんなら部屋に戻ってなさいよ」

「キャシー…」

ローズは思わず苦笑いしてキャシーを見ると…

「とりあえず…説明するから一度ローズの部屋に行ってもいいかな?」

「そうですね…これ以上ややこしい事になるとロンさんが大変そうなので…」

ローズは頷くと…部屋へとみんなを招き入れた。

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