貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第11話カイル視点2

そんな俺と一緒にいるロイも女性にはあまりいい印象はないらしい…

しかし王子ともなるとそんなことは言っていられない…

そんな時にロイ王子の婚約者候補を国中の年相応の令嬢を集めて探してみてはどうかと言う話が持ち上がった…

国王達はそんな必要は無いと反対したが一部の大臣達に押し切られ…国中の令嬢が集められる事となった…

そして、俺もこれを機に相手を見けてみろと言われる始末…

俺はあの視線が恐ろしい…あの蛇のように獲物を見つめる様なあの視線…

そんな女達が一堂に王都に集められる…

しかもこの案を押し切った大臣達がよからぬ事を企てているらしい…

俺の女性不信はさらに悪化しそうだった…

そんな時に城外に用がありいつもの様に早足で歩いていた所、こともあろうに女性にぶつかってしまう…

またか…

前にもわざとぶっかってくる人がいた…あわよくばこれを気に仲良くなろうと企てていたらしい。

きっとこいつもそんなやつの一人だろうと…案の定去ろうとする俺の腕を掴んできた…俺はようがあるなら門番にでも手紙を書けと突き放す。

しかし彼女は、謝った自分に対して俺にも謝れと睨みつけてきた…

俺は久しぶりに母親ではない女性の瞳を見た…その瞳は空のように蒼く海のように深い色だった…

その瞳に見られていると不思議と不快な気持ちが湧いてこない…そんなふわついた気持ちでいると

ハッとして余所行きの作った笑顔で謝る。

この人の名前が知りたい!

そんな衝動が湧いてきた

思わず名前を聞くが…怪訝な顔を向けられる。

今までされた事のない反応に対応がわからない…

用はないと去ろうとする彼女腕を今度は俺が掴んでしまう…

想像よりも細く柔らかい腕に胸が高鳴った…

彼女の声に驚いて直ぐに離してしまったが…

彼女は呼び止められた事に驚いているよだ、何か話さなければ…

俺は改めて謝罪をしたいと本当の笑顔を見せた。

しかし彼女はそんなもの要らないと拒否をする…

俺は自分の名前を叫び彼女の名を聞いたら!

大通りにいた事で人の流れが大きくなり彼女との距離が広がる…

駄目か…

諦めかけていると…

「…私はローズです」

確かに小さい声でそう聞こえた!

次の瞬間には彼女は人混みに紛れて見えなくなっていた…

「ローズ…」

彼女ともっと話してみたい

何故彼女の見つめる瞳は平気なのか知りたい

俺は彼女の消えた先を見つめていた…。

          

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