貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第10話カイル視点

このクロフォード国のローウェル公爵家の二男として生まれ、何不自由無く過ごしてきた。

曽祖父の代からこの国の王の側近として仕えてきたローウェル公爵家は俺の代も歳が同じロイ王子の側近になるべく幼い頃から一緒に過ごしてきた。

今では親友とも言える関係を築いていた…そんな順風満帆な日々は幼少期に崩れ落ちた…

俺はどうやら容姿がかなりいいらしい…別に自慢でもなんでもない…この為にこれから苦労する事になったのだから…

もちろん王子のロイも文武両道、容姿端麗そんな二人が集まっていると…夏の蚊のごとく女が湧いてくる…

初めて女性を恐ろしいと思ったのは六歳の時…

俺はロイの兄の誕生日祭のパーティーにロイの付き添いとして参加させられていた。

同じ位歳の子も多数参加しており何度も繰り返される挨拶にロイと俺も飽き飽きとしていた…

そんな時ロイが抜け出そう

そんな魅力的な事を言った…。幼い男の子にそんな誘惑が跳ね除けられるはずも無く…俺とロイは庭園にある植木の迷路へと走り出していた。

そんな俺たちをじっとりと見つめる瞳に気付かずに…

俺とロイは迷路の中で鬼ごっこを始めた、鬼は俺。

ロイが先に入り50数えたら俺がロイを見つける、そんな遊びをしていると俺が隠れる番が回ってきた。

(さっき見つけたあのくぼみに隠れよう…)

俺は目星を付けていた隠れ場所に向かうと息を潜めてロイが来るのを待っていた…しかし来たのはロイでは無かった。

「こんにちは~どうしたの?迷子かな…私がいい所に連れて行ってあげるわ…とっても…いい所に…」

そこに来たのは挨拶の時にじっとこっちを見つめていた何処かの令嬢の母親だった

もう名前も覚えていないし思い出したくもない

その女は嫌がる俺を引っ張ると…体をベタベタと触ってきた…

俺を気持ちよさそうに触っている顔は化け物その物だった

俺は大声で叫ぶが口を塞がれる…

そのまま袋に詰められそうになっている所をロイが他の大人を呼んで来てくれて難を逃れた

その日から俺は大人の女性が近づくと気持ちが悪くなり吐いてしまうよになった

近づいても平気な女性は自分の母とロイの母親、子供の女の子が平気だったが…それも歳を重ねる事に女性の片鱗が見えだし嫌悪感しか無かった

女は俺を見ると黄色い声をあげる

もう襲われる事の内容に鍛錬した事で自信をもち女性を見ても吐くことは無くなったが今でもいい気はしない。

特に自分に気があるあの視線が堪らなく苦手だった

自分でもこのままでは行けないと…どうにか喋る様になると今度は女性達からのアプローチが止まらない

毎日毎日家には手紙が届く始末…無視をしていたら手紙を入れておく箱が溢れ出し頭の上から落ちて来た…

ある女からはデートに誘われた…何度も何度も断るが諦めない女に一度だけデートをしてくれたら諦める。

そんな言葉に騙されお茶だけと出かけたら媚薬を盛られた

女を切りつけたい衝動を必死に抑えていると…心配して見張りを付けていてくれたロイの護衛に助けられた

本当にロイには助けられてばかりだ。


          

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