異世界転生って、まだ死なせてくれないんですか?〜老衰から誕生へ〜

真木 輝

第2章 第6話 Sクラス②

俺はライトとともに教室に向かっていた

「えっと、Sクラスは3号館の17階だから・・・、ここであってるな」

目の前には巨大な木の扉が聳え立っている

「す、すごいな、ほんとに教室かよ」

思わず息を呑むほどにでかい

「おいおい、アース早く入るぞー」

ライトはもう先に扉に手をかけていた
これを見て何も驚いてないなんて
あいつはいったい何者なんだよ
心の中でそう思いつつライトとともに教室に入った




中に入ると俺とライトはすぐに空いていた最後列の左端の席に座った
教室の床や壁の素材は大理石、席の向かいには大きな黒板、席は段々の作りになっている
日本の大学みたいな教室だ

えっとリルはー
いた、右斜め前らへんに座っていた
周りからは威圧感からか話しかけられておらず孤立している
相変わらずすごいオーラだ

「ねぇねぇ、お二人さんはどこの国から来たんだい?」

リルを見ていると前の女子生徒に話しかけられた
黒髪のショートの女子だ、身長は割と低い方だ

「ライトだ、雷の国から来た」

「へーそーなんだ、ねぇねぇ君は?」

黒髪の女はライトの話を軽く聞き流した

「あー、俺は風の国出身で名前はアース・ラインハルトよろしくね」

「よろしくね、アースくんとクソライト」

ん?クソライト???

「おいテメェ、リン何て呼び方しやがる」

ライトはそう言って身体を前に乗り出す

「そのままの意味じゃん、クソたらしライトくん」

むがーっとライトが怒っている
この2人はどうやら面識があるらしい

「あー、ごめんね私は火の国から来たリン・フタビだよ」

そしてガシッとライトの頭を掴み

「そんでこのライトとは親戚でね、昔馴染みなんだー」

ライトは手を振り払って

「おいリン!お前なんかと昔馴染みとか最悪なこと言うなよ」

「そんなこと言ってると、おじさんにチクるわよ、あんなことやそんなこと」

リンがそう言うとライトは
とうっと言いながら飛び上がり
机の上で綺麗なフォームのジャパニーズ土下座を繰り出した
なんと美しい角度
前世のばあさんを思い出すわい

「すいませんでしたぁぁぁぁあ」

これには思わず笑いを堪えきれず
腹を抱えて笑ってしまう

「おい、てめぇら、うるせーぞ、こら?」

するとライトの後ろにいつのまにか教授が立っていた
あの入学式やる気のないシークという教授だ

「すいませんでした!」

あまりのオーラにライトはすぐに向きを反転して土下座をする

「ちゃんと座れ、ハーフベルト」

「は、はい」

そう言うとライトはちょこんと大人しく席に座った
シーク教授はすぐに壇上へと歩き出した

「ええー、このクラスを担当することになったシークだ、よろしくー」

「さっそくで悪いがこのクラスのリーダーと副リーダーを決めてもらうー、誰かやりたいものはいるかー」

教室はざわざわしているが誰も手を挙げない

「誰もいないのかー、めんどくさいなー、ならー、おいラインハルト」

急に呼ばれてビクッとした

「は、はい!」

「お前クラスのリーダーな、あとはー、シャイスカーラお前が副リーダーだ」

いや俺がリーダーかよ

「「はいっ」」

「えー、これでリーダーはオッケーと、そんで次はー、明日からレクリエーションも兼ねて4泊5日の新入生合宿を行うー」

パチンっとシーク教授が指をならす

「要項はこの通りだー、えー、遅刻すんなよー、めんどいからー、俺からは以上だ今日は明日に備えて解散ー」

いや唐突すぎだろ!

「あー、言い忘れてたわー、明日からこの学園では4人1組でチームを組んでもらうことになる、今から決めといてー、それじゃあ」

そう言うとバタンっとドアを閉めてシーク教授は出て行った

班決めかー
しかも4人とは
まぁとりあえずこの2人を・・・

「ライト、リル、班を一緒に組まないか?」

2人はこっちを見てお互い目を合わせていった

「「ええー、こいつとー?」」

息ぴったり
本当は仲良しだろ

「誰がこいつとだ俺と組めるなんて光栄だろ!!!」

「自意識過剰なんじゃないのバカライト」

ああーまた始まった

「まぁまぁ2人ともここは仲良くいこうよ」

「アースが言うならしょうがないな」

「ええアースくんがいなきゃこいつなんかと組まないわ」

ふー
なんとかって感じか
あと1人はどうしようか
できれば強い人の方が助かるんだけど・・・
そう思いリルの方に視線をやる
リルの周りは班ができている感じだが・・・

「リルは1人か・・・」

よしなら・・・
アースは立ち上がり、リルの方へ歩き始めた





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