異世界転生って、まだ死なせてくれないんですか?〜老衰から誕生へ〜

真木 輝

第2章 第4話 クラス分け試験②

噂に聞いた通りの強さだ
さすがに冷汗がでる
あの人数を一瞬でか
しかも何をしたかわからないくらい速い
これが光の国時期国王候補か

「やあ、リル、少しぶりだね」

銀髪の美女は振り返り
俺のことを見た

「あなたはあの時の・・・」

リルは少し黙り込み口を開いた

「同じ新入生とは思いませんでした、しかしそんなことはどうでもいい」

すると目の前のリルが一瞬にして消えた
次の瞬間
光の剣が首の横に現れた

「私の前にたったということは、戦いに来たのでしょう?ならはやく武器を取りなさい」

そうリルは一瞬にしてアースの背後まで移動したのだ
空間魔法の達人か?
いやそれにしては初動が速すぎる
となると・・・
一旦リルから距離をとる

「まさか君がそんなに強いなんてね」

「戯言は無用です、はやく武器を取りなさい」

なんて冷たい目をしてるんだろうか

「君は本当に寂しそうな目をしているね、リル」

リルは一瞬だけ動揺したが
すぐに切り替え剣を構えた

「戦う気がないのならここで私が斬ります」

さっと一瞬にしてリルが視界から消える
ここまで速いとなると光魔法の応用か
いや考えてる暇はない
次はリルが横から現れて剣を振り下ろす

「くっ・・・」

かろうじてそれをかわすが
リルはもう視界から消えている
さすがに防戦では勝てない

「広域雷魔法『這雷』」

ここは一旦リルから距離をとる
雷がアースを中心に広がっていく

リルはさすがに攻撃から手を引き
一旦バックステップで距離をとる

「雷魔法・・・、前は光でしたね?光と雷使いですか?」

「おっと、戯言は無用じゃなかったのか?」

リルはムッとすると

「少しでも生かす時間を長引かせてあげたのに」

そう言うとすぐに動き出した
このままではキリがないな
はやくあの光魔法の謎を解かないとな

「雷魔法『雷剣』」

アースは雷の剣を創り出す
さあ後は剣をどう捌くかだ
集中しろ・・・
父さんから習った敵意を感じ取れ
防御するときは目はいらない
目の分の集中力も感知にまわせ
・・・・・右だ

ガンっと魔法の剣がぶつかり合った音が響き渡る

「なっ!・・・」

少しの動揺のあとリルはすぐに動き出した
偶然山を張って当てたか?
それなら次は!!!

ガンっ
再び音が響き渡る

「くっ、偶然じゃなかったのね」

しかもこいつ・・・
目を瞑っている!?
どういう仕掛けかはわからないけど舐めた真似を・・・

「これならどうかしら?」

そう言うとリルは消えて
アースにとてつもない速さで連撃を打ち込んだ
しかし
アースは目を開けることなくそれらを全て打ち流す
さすがにキリがないと感じたのか
リルは一旦引いて
魔法を詠唱し始める



「これで5人目っと」

バタッと生徒がライトの前に倒れた
ガンっ、ガンっ、ガンっ
遠くから剣同士の当たる音が聞こえてくる

「むこうは確か・・・アースか?」

「あぶねぇ、あんな速いの嫌だぜ、近づかないでおこ」

呑気に口笛を吹きながらライトは次の獲物に向かった



剣術ではキリがないわ
こうなったら
リルは距離を取り
左手を空に突き出す

「光魔法『ホーリー・レイン』」

リルがそう唱えると
リルの頭上に数多もの光の尖った棒が出現する
そしてリルが左手を前へ振り下ろすと
その光の棒の大群がアースに襲いかかる

なるほど魔法士として最強クラスと呼ばれるだけはあるな
だが・・・

アースは地面を少し踏み込み
剣を振り
自分に当たる分の光の棒を全て切り裂いたしかし他の光の棒が地面に当たり土埃が舞う
リルはその瞬間を狙い一気に加速
そしてアースに斬りかかる

「今日は集中が切れる気がしないな・・・」

アースはボソッとそう呟くと
まるで何もなかったかのように
リルの剣を捌く

「まだよ!まだいける!」

リルは諦めず斬り込むが
全て捌かれる
そして次に斬りかかったとき
そこにはアースの姿はなく
リルは空気を切り裂いただけだった

「なっ!どこにいったの?!」

動揺を隠せないリルはすぐにある異変に気づく
地面が光っているのだ

「なっ、魔法陣!?いつのまに・・・」

リルが魔法陣に気付き空を見上げたときにはもう遅かった

「王級雷魔法『雷龍』」

アースがそう言うと
空から無数の雷の龍が出現し
リルを襲う
爆発音とともに眩しい光が会場全体を包む

そして会場にいる生徒が目を開け爆発音のした方に目をやると
そこには『破壊の王女』が倒れ込んでいた

会場が騒然とする

アースはリルの方へ向けて歩き出した
そして
右手をリルの身体に近づけ魔法を唱える

シークという教授が止めに入ろうとしたがすぐに動きを止める

「上級草魔法『フル・ヒール』」

アースがそういうと
優しい緑の光がリルを包み込んだ













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