異世界転生って、まだ死なせてくれないんですか?〜老衰から誕生へ〜

真木 輝

第2章 第3話 クラス分け試験①

入学式の翌日
入学式が行われた修練場に来ていた
クラス分け試験を受けるためだ
学校の生徒数は1学年500人弱だ
いくらこの広さの修練場といえど
かなり密である

「アース、調子はどうだ?」

話しかけてきたのはライトだ
昨日一緒に寮まで帰って判明したが
なんと部屋が向かいだ

「まあ、ぼちぼちだよ、しっかり寝れたしね」

今のところ身体を巡る魔力は安定している
調子は悪くはないだろう

「ほれ、最強の王女様だぞ」

そう言うライトが向けた視線の先にはリルがいた
今日も素晴らしいスタイルだ

「負けないよ、俺は」

大軍を相手に戦うことのできるリル
まだ他人に通用するかわからない自分の魔法を試すにはもってこいだ

「はいー、注目ー」

パンっと手を叩く音とともに
昨日のやる気のない教師が壇上へ上がる

「今日の進行を務めるシーク・アルサートだよろしくー、さっそくクラス分けの試験を行うわけだがー、この修練場じゃこの人数は無理だー、そこで」

パチンっとシークという教師が指を鳴らすと
修練場の出入口に複数の空間移動魔法のゲートが現れた

「違う場所にある修練場と並行して行うー」

「修練場はここをあわせて10個ある、割り振りはこの通りだー」

シークがパチンっと指を鳴らすと
シークの真上に会場の割り振りが映し出される
電光掲示板みたいだな
あんな使い方のあるのか
えっと俺の名前は・・・

「アース、また一緒だな、よろしく」

どうやらライトと同じ会場らしい

「最強王女様も一緒だぜ、会場はこの今いる修練場だな」

リルもいるのか
ますますやる気が出てくる

「それではー、各自修練場へ散れー」

500人の生徒が移動し始める
ラッキーなことに俺はこの会場だ
動かなくていいから助かる
他の生徒が出ていき、50人の生徒が残った時シークという教師が口を開いた

「俺はここの修練場を担当させてもらうー、えーさっそく始めるわけだがー」

シークはそういうと少しめんどくさそうに顎を触りながら黙り込んだが、すぐに口を開いた

「えー、他の修練場では基本的には1対1の組み手を1組ずつ見ていくんだがー、めんどいから乱戦にする、全員が敵だ、テキトーに戦ってくれー、よーいどーん」

は?
一瞬状況の理解に苦しむ
しかし即座にこの状況を理解して
動き出した

「じゃあなライト!しっかり生き残れよ!」

「お、おい、アース、一体どうなって・・・」

ライトの言葉を最後まで聞くことなく俺は一直線に走り出した
はやく、はやく強いやつと戦いたい
リル待ってろ!!
リルを視界に捉えたが、すでに先客だらけだ
会場のほとんどがリルの周りに群がっていた

「おいおい、ここで最強王女様倒しちゃえば、俺Sクラス確定じゃね?」

いかにもって感じの死亡フラグを立てながら1人の剣士が前に出た
それに続き多くの剣士や魔法士がリルに狙いを定める

「これで勝てるのか?王女様?」

リルは少しため息をこぼし口を開いた

「これでではなく'この程度しか'ですよ?まったく愚かですね」

おいおい30人はいるぞ
それをこの程度しかとかどんなだよ

「へっ、そんなこといつまで言ってられるかな?」

そういうと先頭の剣士を筆頭に全員が一斉にリルに襲いかかる

ここに突っ込んでも面白くない

「お手並み拝見といこうか・・・」

俺は足を止めてその場でみることにした
リルは襲いかかってくる敵に対して、立ち尽くしたままだ

「おいおい、怖気付いたか?ならこれで終わりだ」

いかにもな死亡フラグを立てた剣士がリルに剣を振りかぶった
さすがに舐めすぎだろ
それは自分で死にに行っているもんだ
しかしそんな考えは一瞬で吹き飛んだ
バタっと切りかかった剣士が倒れ込んだのだ
まて、確かにあの剣はリルの直前まで迫っていた
なのになぜ・・・

「その程度ですか?止まって見えましたよ?」

一瞬の出来事に周りは動揺を隠せず、動きが止まってしまう
しかしリルはその隙を見逃さなかった

「戦場での思考停止は死も同然ですよ?」

リルがそう言うと周りを取り囲んでいた剣士たちが倒れ出した









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