転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第112話 楔として 絶対神 様は感情豊か。

「うん、面白いものが見れたからもう大丈夫だよ。」
私がこう言えば神々は止まる。
弱き存在の者なら言葉を強くかけるだけで死ぬかもしれない。
この場にいるのは、赤子と同じような魂達だ。
私は優しくかけすぎたもしれないと
次は強めに言った。
「いや、楽しんだからもう大丈夫。」
それでも変わらずにオシリスを殴ったのは
これから楔になる予定の魂。


ファティマには前に報告を受けた時に
「その度に苦労しているでも楽しんでいる姿が楽しいだなんて
 さらにこちらに取り込めれば、もっと楽しくなるだろうだなんて僕は
 全く、これっぽっちも何も思ってないよ」


なんて、この魂にファティマが言っていたことを
茶化して言ってみたが
自分の前で行われた事を思うと、彼女の大変さが分かってしまった。


この魂はファティマ1人では抑えられるものではない。
そして、こちらに取り込み楔にしても抑えられるとは限らない。


そう考えた時、私は指を鳴らしていた。
これは浄化し存在を弱める神術を発動する合図。
これで少しはこの魂も落ち着こう。


それは絶対神 の焦りだったのかもしれない
指が鳴り、浄化の光がヒデアキに降り注ぐ。
そして、その光はヒデアキに吸われて消えた。


「?????」
疑問しか浮かばない絶対神 様。


「?????」
光は浴びたがなんともない、ヒデアキ。


“うん、やっぱりこの光は使えたけど効率は最悪だね”
“精霊石のクセにやることは泥棒とはな”
“うるさいぞ、弱々暴君殿”
“ほぉ~石のクセに馬鹿にしおって”


「喧嘩する前になんかしたの?セイさん。」
“今の光は浄化の力があったからそれを本体に使えないかと思い、流用したら驚くほど効率が悪いけど本体ほんの少し癒されたから良かったよ”


「なぜ、そんなことが出来たのだ!!」


絶対神の焦りが驚きになり声が出た。


その声にはファティマは驚き、ビクッとし
偶然着いてきて今まで空気だったアルベルタ司祭とウルスはビクッを通り越して、気絶してしまった。


「あっ、急にすまないね…」
絶対神 としてはかなり珍しくあたふたしていた。


どうやって、セイさんとの念話が
聞かれたのかも気になるがこうも
絶対神 様があたふたしている姿を見ていると
ファティマを始め神々は感情豊かなんだなぁ~と心の中で思いなが、ふっとファティマを見ると
ジト目のファティマと目があった。

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