転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第105話 冒険者として 女神との再会。

「そんな事をしてる場合ではありません!アルベルタ司祭、案内をお願いします!!!」


はたと追撃を止めてウルスをみる、アルベルタ。
「そうですね、聖女ウルス、大聖堂へ行きましょうか。」
身なりを整え出し、大聖堂へ歩き出すアルベルタ。
「それとそこの方は連れて行くので、そこの竜様起こして差し上げてください。」
「わっしを竜とわかってその口を聞くか、人間風情が!」
紅竜はその言葉に怒りを覚えたのか、急に殺気を出して威嚇する。
入り口から野次馬でいたシスター達は、それに驚き急いで教会へ戻って行くが
「恐ろしい殺気ですね、竜様
 私など簡単に消されてしまうでしょうね。」
そうは言うが特に気にする事もなく歩みを進める、アルベルタ。


俺は紅竜に起こされる前に自分で起きがりボソッと
「この殺気でビビらないのに、歳では逆ギレするのか…」
一言。この一言も聞こえていたのか
急に振り返り、こちらを睨みつけてくる、アルベルタ。
「さっ、それよりも大聖堂へ案内をお願いします!」
ウルスはアルベルタを催促し、俺の方も向き
「ヒデアキ様も、少しで良いですから
 お口を閉じていてください!」
ウルスに怒られてしまった。
「はっはっはっ、ウルスに怒られておるの!!」
「紅竜だって、殺気出して他じゃないか!
 ウルス、あれは神聖な場所への冒涜じゃないのか!?」
「いや…」
「問題ないのじゃ!わっしはあの司祭の実力を見たかったやっただけじゃ!」
「いや、それでもダメだろ。」
「他のシスターは逃げ出しがわっしの殺気を浴びてあそこまで平然とされると
 逆に清々しいの!」
「そう言う事で、特に問題も起きなかったので、紅竜様は問題ありません!
 さっ、行きますよ!」
ウルス、アマリア、コブシが先に歩き出した。


置いていかれる前に紅竜と一緒に歩く。
教会の入り口を潜ろうとした時、水中を歩いているように全身を何かにまとわりつかれているかのような
感覚を持ったがそれも一瞬で戸惑ったがスムーズに入れた。


そして、大聖堂にある女神像の前まで全員揃って、着いた。
そして、アルベルタが一言。
「ここまで来る時に何か違和感など感じましたか?」
「何か、膜のようなものに弾かれそうになりましたが歩き続けたら大丈夫でした。」
とアマリア。
「わっしも同じじゃな」
と紅竜。
前足をあげて、そうだとアピールする、コブシ。
「俺は水の中を歩いているかのような感じが一瞬だけあったな。」
と伝えると、驚いた顔をするアルベルタ。
「そうですか」
「何か問題があるのかぇ?」
「皆様が感じたのは、対魔の結界になります。
 この教会は女神の力に守られています、それによって魔の者は入れません。
 結界の力で弾かれるか入れたとしても力が制限されます。」
「ほぉ〜面白いの」
「薄い膜を感じたなら、弱い制限になります。」
「ちょっと待って、俺水中のような感覚だったんだけど」
「それは封印されているのと同義になりますね、今も感じますか?」
「いや、歩いているうちに消えたのか、感じなくなった。」


と急に女神の像が光り出し、その光に飲まれた。


「なんで、力を抑え込んだのに、すぐに解除されるんですか!!!」


その白い世界で待つ、女性が1人。
俺が知っている女神が前に現れた。

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