転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第104話 冒険者として アルベルタ司祭

「面白いね、女神に愛されているだけはある」
いつの間にかそばに来たアルベルタ司祭
小さなお婆ちゃん司祭が俺を起こしながら言ってきた。
起こしながら、アルベルタは気づいていた。
ぶっ飛ばして、無傷であるその強さもあるが聖女 ウルス様が連れてきた男が
女神に愛されていることは、放つ魔力ですぐに気づいた。
自身も教会での貢献的な活動が認められて女神の魔力を
少ない時間でも使うことを許された存在。
聖女 ウルスとはまた違う繋がりを持つ自分の力が教会に入ってきた男に反応をした。
まるで死に別れた息子との再会の様に初めて会ったのに
ついさっきまで喋っていたかのような安心感が起きて、初めての人には決して使わない。


スキル 神ノ一撃 を使ってしまった。
魔力を込めれば、邪悪を追い出す一撃。
魔力を込めなければ、激しいツッコミ。
ランクの低い冒険では重症になる場合もある。
それを使ってしまった。
だが、それを耐えた男。
アルベルタは、教会の為に生きてきた。
家であり、家族はシスターや信者達と考えていたが
それとは別に魔力の繋がりもあるからなのか息子の様にも感じる、安心感。


俺は起こされながら挨拶をされた。
「挨拶が遅れたね、私はアルベルタ。
 この教会の司祭でこの家の家長だ。
 女神を信仰するなら皆、家族だ。
 わかったか、バカ息子。」
「誰がバカだ!!このチビBBA!」
ドーン。
「私はまだ98歳でピチピチだ!!」
「まだまだ若いのぉ~」
紅竜が返事をする前に俺は掴まれてから
一本背負いの形に起こされてまた、叩きつけられた。
それを見て、あたふたするアマリア、コブシ。
呆れている、ウルス。
もっとやれ~とテンションを上げている、紅竜。
叩きつけられた俺は思っていた。この、ババア!!!と
だが同時に家族と喧嘩しているような安心感もあるなんだか不思議な感覚だった。
余韻に浸っていたら
「そんな事をしてる場合ではありません!アルベルタ司祭、案内をお願いします!!!」
一連の流れを呆れていたウルスが大きな声で止めてくれた。

「転移したのに人間じゃない!?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く