転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第99話 この世界でのポジション 試験の中で生まれたもの。

リーナはそれに驚きを隠せなかった。
彼の魔力がまるで、スライムの様に流動的に動き出し
自身の攻撃が当たる部分のみに展開されている事に。


そして、目の前に感じれる魔力が動きがどんどんスムーズになり
本当にスライムの様に動いているのがどんどん厄介になってきていた。


「まるで、私の動きが見えている様に…」
「あっ、なんかすいません…」


しかし、俺も魔力を動かす事は出来るがこれだけスムーズに動かすのは
かなり集中力がいる。
身体の表面を魔力のみを流れる様に動かし続けるのはそれなりに辛い。
繊細な動きなのだが、先ほどから急に楽になってきた。


「うん?」
{主人様!これだけ動かせると楽しいですね!}
「これはシオリが動かしているの?」
{はい、魔力のみなので私も手伝えると思ったので
 実際に動かしてみました!}
「ありがとうね!」
{しかし、こう動けると楽しいでしょうね…}
「やっぱり、シオリは身体は欲しい?」
{今は主人様以外にもアマリア様、紅竜様、コブシ様などとも
 喋れるので気にはしませんが、ちょっと前はあれば便利かなとは思っていましたが…}


それならと俺は魔力をさらに上げた。


{主人様?}
「アマリアもコブシも俺の魔力をあげたら、進化したし
 6匹の竜も魔力から直接生まれたから、もしかしたら…」


そうして、魔力を高め、その魔力を圧縮してさらに密度を上げていく。
その流れが始まったら、リーナの攻撃は止まった。
止まらざる終えなかった。
なぜなら、この魔力の高まりは高ランクの魔獣討伐などで感じるプレッシャーとほぼ同義。
いや、それ以上に膨れ上がっており
それは今まで感じたことのない魔力の高まりになっていること。
リーナは恐怖から戸惑い、戸惑いから可笑しさへと感情が変化していた。


それは見ていたギルドマスターは驚きもあったがもはや呆れてしまった。
アマリア、コブシはテンションが上がっており
紅竜は微笑んでその光景を見ており
ウルスは驚きのあまり固まっていた。


その魔力が最大に高まったと感じた時。
ヒデは左手を前に突き出していた。
そして魔力が1つに収束した。
そして、ヒデが一言。
「完成、シオリの身体!」


その掌の上に現れていたのは、薄いピンク色のスイラム状のもの。
そして、そのスライムは両目をパチクリさせながらヒデを眺めていた。


{本当に規格外の主人様を持って、私は幸せです!!}


何か引っかかるが、ヒデも笑顔で返した。

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