転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第92話 この世界でのポジション 試験対策

俺の頭の中ではセイさんとディノスとシオリとの作戦会議を始める前に思った。
「それよりも先に、ごちそうさまでした。
 ディガさんも忙しい中ありがとうございました。」
「もう食べ終わったからね、あんたはもう考え出してそうだから
 私はもう厨房へと戻るよ」
そう言って、俺たちに食器をテキパキと片付けて
「じゃあ、頑張りな!夜も出してやるからおいで!」
「ありがとうございます!」


「教会に行くのが遅れますが時間は指定されていないので大丈夫でしょう」
「あぁ、いきなりギルマスから言われたからその事はすっかり忘れていた…」
「そんな事だろうと思いました…
 ですが、冒険者として登録すれば今後は色々と利便があるのでここで取れるなら
 取っておいた方が良いでしょう」
「ありがとう、ウルス」
「それよりも1時間しかないので、色々とお考えになりますか?」
「そうだね」
「なら、お邪魔にならないように私はアマリアちゃんとコブシさんを先に案内しておきますね」
「私はご主人様と一緒にいるので、大丈夫です…」
「先に知っておいて、私からよりもアマリアちゃんから教えてもらった方がヒデアキ様は喜ぶと思うのですが」
「アマリアにも教えて貰えたら嬉しいな!」
「それは良いですね!」
アマリアは勢いよく立ち上がり、コブシは珍しくアマリアではなくウルスの方に飛び移り
前足をピンと上げて、行くぞ!みたいなポーズをしていた。
「では、行きましょうか、2人とも」
「1時間後には戻っておいてな〜」
「はぁ〜い」
アマリアの返事に癒されていたら
「ウルスが気を利かせてくれたのじゃ、勝たねばならんの、ヒデよ」
「あぁ」
そこからはシオリ経由の念話で紅竜も混ぜつつ、シオリ、セイさん、ディノスとの作戦会議を始めた。


『久しぶりじゃの、鰐公よ』
“フン、面倒な竜め”
“そう言わないの、ディノス!紅竜君は前の同居人なんだから”
『石っころも元気そうじゃの』
“僕は今セイさんだから石っころじゃありません〜”
{まぁまぁ、皆さん、落ち着いてください}
“面倒くさい奴まで、入れるでない!シオリ”
{私ですか!?}
「今回は共通の敵になりそうだから、俺が読んだからシオリを責めるな、ディノス」
“フン”
“言いくるめられてやんの〜!”
“うるさいわ、石っころ”
“僕は今セイさんだから「はいはい、わかったから作戦会議するよ!」
こうなってはループすると思って、俺は止めた。


「相手は千手という手数が多いそうだが、どんな感じなんだろうな」
{お待ちください、情報を洗いますから}
「えっ?そういうのもわかるの?」
{はい}
「…どこまでわかるの?」
{この世界のことであれば時間はかかるかもしれませんがほぼ知れますよ
 人であれば、その人の趣味嗜好やトラウマや恥ずかしい過去まで}
「ほぼ、全てだね」
{全てですね}
ディガさんにはカッコ良く、自分で考えますと言っておいてなんだが
うちのシオリさんは全てを知ってる上で俺をサポートしてくれるようだ。


なんか、すいません。


なぜか、その言葉が最初に出てきた。



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