転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第88話 この世界でのポジション スープの味は…

「今日のオススメスープの亀肉だけど、君たちが作った六角形の穴の底の方にいた
 ギガントシールドタートルという魔物の肉で
 あの一撃で地下に偶然眠っていたギガントシールドタートルの主を含めて
 10匹程度、絶命させてくれたお陰だね。
 なかなか食べれるお肉じゃないから 楽しみ!」
ニコニコと伝えてくるギルドマスター。
笑顔とは裏腹に明らかに怒っている。
今まで、ウルスとフェルディナンドからしか怒られていない。
どうやら、ギルドマスターも思う所はあったようだった。
そう思ったら、俺は動揺を隠せない.


「と言っても、迷界樹の森の生態系に関してはフェルディナンドから言われたんだっけ?」
「はい、ウルスからは世界の変革がどうとか、一緒に怒られました…」
「あら、ヒデ様は変革がどうとかってしっかりお話を聞いては下さらなかったのですか?」
目が光っているように感じる気配で俺に言ってきたので、目を逸らしながら
「いや〜」と惚けていたら
「お待ち!」と料理が届いた。


それは大きなお皿にコンソメスープを思わせる金色のスープの中に
大小様々な肉と共に、キノコ類が入っている具沢山系のスープが配膳された。


「一緒にトマトベースで煮たバージョンは夕方から出すらしいから
 朝はあっさりスープになります!」


「おぉ〜美味そう!」
料理に逃げれば、今は大丈夫!
「まだ、お話は住んでいませんよ!」
「聖女様、まぁ食べてからゆっくりと伝えれば良いですよ!」
爽やか笑顔で伝えるルベリー。
おぉ〜怖ぁとおもっいたがスープを一口啜ったらその感情はなくなった。
口に広がるのは多種多様な旨味を感じる。
これはまさに旨味の波。
それは今まで簡単な焼く系が多かった為に、久しぶりに感じた複雑な味ではあるが
料理人の温かみをも感じる料理だった。


「うま〜!!」
「美味しいですね、ご主人様!」
「うまいのじゃ!」
{ギガントシールドタートルは本来、その甲羅の強度からこちらの世界での
 討伐難易度はAでそもそも出回らない魔物です。
 しかも、あの魔力の威力を食らって絶命しただけで
 肉体は保っていたのですから驚きですね!
 味は情報としてはわかりますが、私も実際に味わってみたいですね!}
「昨日の夕方も食べたが、やはり旨味が強く美味だな」


「ハハハハハ、美味いだろ!
 俺も久しぶりにこんな料理作れて、ギルマス始め聖女様や紅の竜にまで
 喜んでもらえて嬉しいよ」
厨房の方から出てきた女性がそう伝えてきた。
彼女こそがこの酒場のマスターでもあり料理長。
白い虎耳と尻尾をもつ武闘派とも取れる肉体を持つ
ディガその人であった。

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