転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第87話 この世界でのポジション ギガントシールドタートルのスープ

{初めまして、ウルス様
 私は鑑定栞カンテイノシオリと申します
 主人様の中にいる意思のあるスキルになります。}


「はぁ~…………はぁ!!!??」


ここでシオリの紹介する羽目になり
お腹が空いている中冒険者ギルドの前で立ち話する形になった。


「もう紹介は済んだか?わっしは腹が減ったのじゃ!」
「あぁごめんな、紅竜、すぐに行こうか」
「はい、行きましょう」
紹介されたがまだ飲み込めていないのか、どこか上の空なウルスと共に
冒険者ギルドの中に入った。


入り口から広がるのは広いロビーで入り口から直進すればそのままギルドカウンターであり
右を向けば、ギルド職員が数名待機しており、個別カウンターとなっている感じの場所があり
左が今から朝食を食べる酒場となっていた。
酒場はそれなりに大きく、受付終了後にお金をその場で落としていけるシステムなのかと
色々考えていたら、みんなはもう酒場に向かって行っていた。


酒場の大きめなテーブルに俺、ウルス、紅竜、アマリア、が座り
コブシはアマリアの頭の上にちょこんと乗っている。


「いらっしゃい!聖女様以外は見ない顔だね!」
声をかけてきたのはウエイトレスの猫耳の女の子。
おぉ~と思いながら見ていると
「何?獣耳が珍しいの?」
「はい、あまり獣人の方が少ない場所に住んでいたもので」
「そうなんだ~珍しいところに住んでんだね!
 それより、ご注文は??オススメは亀肉たっぷりのスープだよ!」
ウエイトレスの少女が聖女と言ったからか
ギルド職員がその存在に気づき、駆け寄ってきた。
「聖女様、ギルドマスターがすぐにいらっしゃいますので…」
申し訳なさそうに伝えてくる。
「大丈夫ですよ、友人と食事に来ただけですし
 お会いするのにはまだ時間がありますからね」
「そう言われてなんだが、もう来てしまったよ」
そう言って現れたのはギルドマスターであるルベリー。
右肩にはポンを載せているのはいつも通り。
「私も朝はまだだったからご一緒しても良いかな?」
「はい、構いませんよ」
俺が伝えるとアマリアの上にいたコブシが離れてテーブルの上に乗った。
そしてそれと同時にポンもルベリーから離れてテーブルの上に乗り
そのまま転がって、コブシに転がされていく。
「それはなんなの?コブシ」
前足を上げて、楽しいぞという感じが伝わった。
ポンもこっちを向き、面白いよ、これ!というのがなんとなくわかった。
「二人が楽しいならよかったよ。」
「ポンは私から自分から離れるなんて滅多にないから、驚きだね」
「なんかすいません」
「いや、大丈夫。それと君とお話もしたかったしね
 また別日で取るけど、今日も色々お話ししようよ」
そう言ってから注文を伝えたギルドマスター。
「オススメのスープを全員分お願いね」
「はい!」
注文を受けて、駆けていく猫耳少女。
「今日のオススメスープの亀肉だけど、君たちが作った六角形の穴の底の方にいた
 ギガントシールドタートルという魔物の肉で
 あの一撃で地下に偶然眠っていたギガントシールドタートルの主を含めて
 10匹程度、絶命させてくれたお陰だね。
 なかなか食べれるお肉じゃないから 楽しみ!」
ニコニコと伝えてくるギルドマスター。
笑顔とは裏腹に明らかに怒っている。
今まで、ウルスとフェルディナンドからしか怒られていない。
どうやら、ギルドマスターも思う所はあったようだった。
そう思ったら、俺は動揺を隠せないが
隣では
「楽しみじゃ~」
と何も気にしていない竜が1匹。


君も気にした方が良いよ!!

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