転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第82話 神々の世界 絶対神 様も思った事。

「だが、安心しなさい。魔神像は消失したから。」
〝はい?〟
「いや、今日会った時にファティマ君の世界に脅威が迫っているよと
 教えてあげたかったんだが、ちょっと前に何もなかったのように
 ファティマ君の世界から消えたのを感じてね
 私も戸惑っていたが、先ほどの報告を聞いてピンときたよ」
〝と言いますと?〟
「報告の最後の方にあった魔力砲の事を聞いてその魔力の弾に込めてられていた
 魔力は君の世界を超えて、他の世界へも影響を与えるかもしれないほどだったと
 推測している」
〝あれはそれ程に…〟
「人が打てるはずないんだけどね〜でも放たれた弾は
 あの世界の星を超えて宇宙、時空間すら飛び越えて、他の世界に届く前に
 偶然、魔神像にぶつかったようだ。」
〝偶然ですか?〟
「そう、偶然。」
沈黙が謁見の間を支配した。


〝そんな偶然がありますか?〟
「あり得ないよね〜僕も驚いているし、君と思っている事が分かった気がしたよ。
 本当に彼は滅茶苦茶だね。あれは大変そうだ君も苦労しているし、頑張っているんだね」


〝ありがとうございます…〟
「本当に偶然、その弾が魔神像に当たり魔神像ごと消失した。
 あの魔力の弾は、正直 他の世界へといったら大陸2~3程は消す威力があったから
 魔神像を送った者へは逆に感謝してもいいくらいだね」
〝それは…〟
「まぁ今のは冗談として魔神像を送った者は特定済み」
〝どうされるおつもりですか?〟
「正直、あれだけの魔神像を生み出してしまってはその世界自体もう手遅れだ
 なので、世界自体を閉ざし、その分の力を君に譲渡する予定だよ」
〝その世界にいる人々はどうなりますか?〟
「何も気付かないまま、消えるだけ」
〝ならば、輪廻の力として頂きたいと思います〟
「ほう」
〝こちらの世界が発展すれば人々が増えます
 その時に自身からの力で産むのではなく、閉ざした世界の魂を
 使わせて頂きたいと思います〟
「他の何も知らない魂を背負う必要はあるか?」
〝人々は強く生きようとしています、ですからその魂を私の世界で輝かせてもらいたいのです。〟


自分で言っていて、こんな言葉が出るとは思わなかった。
今までは楽にのんびりと思っていた。
今も思ってはいるが、なぜか他の世界の知らない人々の事が気になった。
今まで気にした事などないのに。
それはヒデアキを観察したり、女神の使徒と親交を深めようと
人間の事をしっかり調べたからなのかもしれない。
私も影響を受けているらしい。
しかし、この影響は間違っていないと思っている。
間違っていたとしても、正しい方向へと導くのが私の仕事。
女神の使徒も紅姫も彼も手伝ってくれるだろう、きっと。


〝何卒、ご検討のほどよろしくお願いします〟
深々と頭を下げた。

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