転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第47話 ウンター・ヴェルト 紅事件 予知の始まり。

「出てきたと言う事は、準備は終わったのか?」
『あぁ、ほぼほぼな
 ヒデがシオリを持っておったお陰で、かなり楽じゃった!』
{本当に無茶苦茶な要求をされました、主人様。}
『そう言うな、シオリよ
 其方のお陰で、本体に戻っても記憶を残す確率が上がったんじゃから!』
{まさか、その計算に超速処理を使用しても欲しい答えにつながらないので
 何度、修正させられたことか。}
『なんじゃ、わっしが納得するまでやらせただけではないか!』
「なっ、紅竜、戻ったら消えるのか?」
『本来はそうなるじゃろだが、そこはシオリの力で解決策は概ねわかっておる
 それでも低確率でそれにチャレンジすると本体とお主が大暴れするのが問題じゃがな!』
「あっちが暴れるのはなんとなくわかるが、俺も??」
{そこは色々あるのですよ、主人様
 でも、解決できる問題ですからきっと大丈夫です。
 万物を知る私が言うのですから、大丈夫です。}
「本当か?」
{女神様にもお伝えしたら
 〝多分大丈夫でしょ、聖女もいるし〟と仰ってました。}
「相変わらずのようだね、あの女神様は」
『それと1つ、ヒデに言っておく。』
 急に紅竜が真面目なトーンで言ってきた。
『お主がこれから出会うかも知れないモノは、ヒデから全て作られたと言って良い
 だが、始まりはお主ではない。』
「俺から全て作られているけど、始まりは俺じゃない?」
『軽く考えておけば良い、お主がわっしやアマリア、コブシや女神に接してるように
 彼奴にも接してやれ。』
「あぁ、わからんがなんとなくわかった。」
そんな会話をしていたら
俺が投げられた場所にいる紅姫は耳が良いのか
「無傷でブツブツと1人で喋って、頭がいかれているようだな、お前の主人は」
アマリアにすごい酷いことを言っていた。


『さて、それでは一度お主の体を借りるかの、これから戻る準備じゃ』
「本当に大丈夫なんだな、お前には感謝してるんだ!」
『殊勝な事を言ってくれるな、ヒデよ。
 もし消えたとしても、それは本体に言ってくれれば良いぞ!』
「紅竜、違う俺はお前に感謝しているんだ
 だから……………………………
 ……………………………………
 ……………………………………
 生きてまた会おう。」


『ヒデは本当に面白い事を言うな…
 よかろう、わっしも本体に残り、また相見えようぞ!』


そうして俺の意識は遠くなった。

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