転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第40話 ウンター・ヴェルト 紅事件 ウンター・ヴェルトへ到着。

ウルスと白騎士率いる騎士団と出会い、その流れで
一緒にウンター・ヴェルトに向かうことになった、ヒデ達御一行。


「ヒデさん達は、なぜウンター・ヴェルトに向かっているのですか?」
そう聞いてくる、ウルス。
「気づいたら、この森に居てさ」
「まぁ、誘拐ですか?」
「そん感じかな…
 それで人が居そうな所へ向かおうと思ってさ」
そんな流れから会話がスタートしたが
別の世界から転移してきたとは伝えづらく、どうしても経緯がしどろもどろになってしまう。
それを別に気にしていない、ウルス。
逆にすごい怪しんでいる、白騎士。
それを気にしつつ、何も出来ないので俺は諦めて話を進めていた。
それとウルス一行と話をする少し前から
いつの間にかコブシは隠れていた。
付いてきている気配は感じるが姿は見えない。


それ以降、そんな会話を続けていたら


「ヒデ様は、もう少しでウンター・ヴェルトですよ。
 お嬢さんももう少しですよ」
アマリアにも話しかける、ウルス。
「はい…」
うつむいて恥ずかしそうにしているアマリア。


もうすぐ、ウンター・ヴェルトらしい。
そう聞いて、俺はワクワクしてきた。
ただ、アマリアは先ほどから大人しくしていた。
人が多いから、大人しいのかななど考え始める前に
先に見えてきた門に意識が持って行かれた。


大きな木製の門が閉ざされていて
そしてその前は少し広場のように荒く整地されていた。


「ここがウンター・ヴェルトの正門になります。」
「ここが。」


正門の上から声をかけらた。
「何用でここまでこられた。」


物々しい雰囲気で聞かれた、一行。


「やっぱり、こんなダンジョンの中にあるから厳重なんだな」
「いえ、本来は日中は門は開けられ、屈強な門番がいるはずなのですが
 何かあったのですかね」
俺が呟いた言葉に、説明を返してくれる、ウルス。


『わっしは、これからの準備で少しお主の中に意識も戻しておく事にするぞ』


「えっ?」
「どうされました??」
「いえ、大丈夫です。」
突然の紅竜の言葉に素で言葉が出てしまった。
アマリアも大人しいし、紅竜も少し変だなと感じた。
そんなことを考えているとすぐ隣から声が上がった。


「私は白騎士である。
 こちらに座す、聖女ウルス・フォン・ミルヒシュトラーセ様の
 ウンター・ヴェルトの協会訪問の護衛として参った。
 そして、こちらが旅の途中で出会った方々である。
 まずは、中へ入れて頂きたい。」
一拍、間が空いてから「お待ちください!?」


そうして、人が通れる広さまで門が広がり、中から1人の男が出てきた。

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