転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第31話 迷界樹の暗黒街へ向かう道中 残された場所に一匹の蜘蛛



『ヒデか、その名なら呼んでやって良いな!』
「ご主人様呼びも良いですが、ヒデアキ様呼びもいいですね………」


良い事聞いたから弄ってやろうとみたいな感じに聞こえる、紅竜。
名前呼びをして何故か、ポッとしている、アマリア。


「二人が好きな方でいいよ、呼び方は」
そして
「よし、ウンター・ヴェルトに向けて出発だな、行こうか二人とも!」


異世界に来て、まだ2日目だが最初に行うべきであったことも
今さっき、終了したのでなんだか晴れ晴れしい気分で、俺は宣言した。


宣言したものの場所はわからないので
「アマリア、よろしく!」
『お主は抜けているのかのぉ〜』
絡まなくていいから、紅竜。


そうして、泉から4人で、いや2人で離れようとした時だった。


目の前にキラキラ光る線のようなものが見えた。
{私が言うのもなんですが、珍しいものが見れましたね、主人様}
「このキラキラした糸っぽいのってなに?シオリ」
{はい、この糸は蜘蛛の糸ですが、ただの蜘蛛ではありません}
「ご主人様、あっという間に絡められましたね」
そう伝えてくる、アマリア。
「アマリアもわかるか?この糸の正体」
「はい、この迷界樹の森 内輪で蜘蛛の中で最強種 カイザーシュピンネと言われる種の糸です。」
「カイザーシュピンネ??なんか強そうな蜘蛛って事か」
『強そうではないわ、強いんじゃよ、サイズは両の掌を合わせたような程度のサイズだが
 竜すらも絡め取ると言われる糸じゃからな、わっしの本体には効かなかったがな!!』
「なら、俺ならどうだろうな…」
俺やアマリアの周りにはよく見るとキラキラした線が縦横無尽に取り囲んでいる状態だったから
俺は普通に動いてみた。
アマリアは俺が動いたと同時に驚き
隠れていたカイザーシュピンネも飛び出してきた。
俺は初めてカイザーシュピンネの姿を見た。
本当に両の掌を合わせたようなサイズだが、王の風格というか見ていてカッコイイなと思える蜘蛛だった。
「おぉ〜かっこいい蜘蛛だな」
出てきた方に普通に歩いていく俺。
蜘蛛の糸は鬱陶しさはあるが、別に歩けないという感じではない。
体感としては、引っ掛かりは感じるが歩いていれば切れるイメージだった。


ところでカイザーシュピンネは動かれてビックリしたのはわかるけど、
アマリアまで驚いているのは、なぜ??



コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品