転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第25話 迷界樹の暗黒街へ向かう道中 女神として伝えた事。

〝そんな冗談はさておき〟
嫌味を言えたのかすっきりとした表情の女神 ファティマ。
やっぱり、わかりやすい女神様だった。


〝肉体的には、こちらからは何もできませんが私の役目で行えることはまだあります。〟


他にやることってあるの?と思っていると


〝はい、貴方へのスキルのプレゼントです
 転生者には本来、私たち女神から力をもらってから
 任意の世界に転生してもらっていますから〟


ということらしい。
『ここで、お主は更にスキルを手に入れるとは、僥倖じゃの!』
「あぁ、そうだな」
〝スキルはまだ何も持っていないのではないのですか?〟
『此奴は先の戦いでレギオンゴブリンからスキルを手に入れておる』
〝なっ!?そんなバカな事が〟
女神までもがそういうのだから、本当にありえないことをしてしまったんだと
改めて感じた。


〝何を手に入れたのですか?〟
女神 ファティマから聞かれたのでスキル取得時の話をした。
〝ありえません、そんなことは絶対に!〟
ありえないらしい、絶対にありえないらしい。
『じゃが、実際は此奴は手に入れておるからの〜』
以前は驚いていたが今は自分以上に狼狽している女神を見ながら
ニヤニヤしながら紅竜は言った。


〝失礼します!〟
女神は俺に近づき、頭に手を置き、目を瞑った。
その時間は一瞬だったと思うが
〝本当にスキルがありますね…〟
『じゃろ〜』
一瞬でわかるんだな、さすが女神と思っていると
〝なぜだか、わかりませんこの問題は後回しにして、このままスキルを与えますね〟
このままスキルをくれるらしい。
そうして、俺は光に包まれた。


気づいたら、真っ白な世界に俺と女神の二人きりになっていた。


「ここは?」
〝本来、貴方が最初に訪れる場所だった所です
 ここで世界やスキルについてお話をして転生をしてもらう予定でした〟
「そうなんだ」
見渡しても真っ白な世界。ここが始まりだったらしい。
「ここ来てればまた、変わったんだろうけど…」
そうしたら、アマリアや紅竜とは出会わなかったと思うと
これはこれで良かったのかもしれない。
〝貴方をすぐに見つけれたので、まだ良かったですが〟
「あっ、そうかまだこの世界に来て1日位しかたってないのか!」
初めての場所で初めてことが続いたから、すごく長い気がしていたが
1日程度しか経っていなかった。
感慨深いなと思っていたら
〝早速始めますよ、スキル選択です〟
目の前に現れた一冊の本。
〝その中から1つ選んでください〟


言われるまま開いた本の中には単語が羅列された文字群。
「うわぁ〜めちゃくちゃあるな、これは」
ものすごい数のスキルがある中から1つだけ選ぶのは
ものすごい大変そうだ。



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