転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第22話 迷界樹の暗黒街へ向かう道中 呼ぶ声が聞こえた。

迷界樹の暗黒街 ウンター・ヴェルト


これからの行き先が決まった。
迷界樹の森という最大級のダンジョンにある街。
紅竜のあるの一言でそこに決まったが
本人はウル覚えの感じが伝わってきたので、本当にあるかは少し心配だ。
そう思っていたら、アマリアが
「ご主人様と一緒に行けるのが楽しみです!」
「アマリアも迷界樹の暗黒街 ウンター・ヴェルト知ってるの?」
「はい、そこで生活する為に、人間達は外輪から来るらしいです
 今まで襲った人間達の記憶はそこで豪遊や優雅に暮らすイメージがありましたし」
「そうなんだ。」
こんな危険な森のど真ん中で優雅に過ごす??
それだけの実力がある証としてとかそんな感じなのか?
よくわからんという顔をしていたのか、アマリアが
「でも、でも、きっと街はあります!!」
一生懸命、伝えてくれた。


うん、アマリアさえいれば大丈夫かもしれない!
癒される!
『このロリコンが……………』
「断じて違う!アマリアはどちらかというと家族だ!」
「はぅ…………」
目を伏せて、照れているアマリア。
「ちょっと待て、アマリアが街には入れないとかないよな?」
『そこまで懐いておるならアマリアも街に一緒に入れるじゃろかあ
 心配するな』
そんな会話をしながら、迷界樹の暗黒街 ウンター・ヴェルトへ向かっていた時だった。


〝人と竜の姿を持つモノよ、此方まで〟


人の声が聞こえた。
だが、不思議なのは、アマリアには聞こえていないようであり
そして、紅竜にも聞こえてはいないように感じた。
そして


〝人と竜の姿を持つモノよ、此方まで〟


また、聞こえた。
『どうした?』
「ご主人様?」
二人には聞こえていない、俺にしか聞こえない声。


「なんか、呼ばれているんだよね。」
『呼ばれている?』


〝こちらの泉まで、此方まで御出でなさい〟


近くに泉があるのか?
「アマリア、この近くに泉ってありそうか?」
「少し、お待ちくださいね」
そう行って、目を閉じてお祈りのポーズをした、アマリア。


そしてすぐにアマリアが
「この先に泉があります」
「あるんだ」
「はい、でもこんな所には本来あるはずないのですが」
アマリアが言うには、この辺はまだ土地勘があり
今まであそこに水源などなかったと。


だが、今はある。


〝こちらの泉まで、此方まで御出でなさい〟


呼ぶ声に誘われるように、俺達はその泉に向かった。


不安がる、アマリア。
不安は少しあるが、なぜかそこに行くべだと感じる俺。
『また、面倒なことかのぅ〜』とニヤニヤして聞いてくる紅竜。
うん、紅竜はやっぱりいつも通りだ。





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