転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第19話 やってみよう、行ってみよう レベルアップ

レギオンゴブリンリーダーを倒した後に紅竜に言われた。


『お主、こやつの魔石を採り忘れておるぞ』
「魔石?」
『このレベルの魔物なら多分あるはずじゃ、それがレベルアップの鍵じゃ!』


そう言われて、レギオンゴブリンリーダーの身体の方に近づいた。


「どの辺にあるんだ?その魔石って」
『魔物によってまちまちじゃが、こやつなら心臓の近くじゃな
 探知してみれば、よくわかるはずじゃ』
「了解」
感知を発動して、見てみれば一発でわかった。
その身体の中に強く光っている部分がまだあった。
まずは手を竜化させてからその光に向かって手を入れてそれを取り出した。


眩しく光っているものを感知を外して再度確認してみると
自分が掴んでいるものが赤く光っている宝石の様に見えた。


「これが魔石?」
『そうじゃ』
「これをどうするの?」
『喰え』
「えっ!?」
『喰うのじゃ!』


手の平サイズの石を喰えと言う、紅竜。


「無理だろ!」
『頑張ればいける!』


気合い大好き、紅竜。


「やって…………みるか」
全身に魔力を込めて、竜化して全身強化した。


「喰えって言われても、噛めるか、これ?」
『頑張るのじゃ!!』
「はい………」


全身竜化したことで、魔石と言うのがどういうものかを
感じる事ができた。


これはレギオンゴブリンリーダーが生きていた証。
今までレギオンゴブリンとして、リーダー格として
成長してきた、まさに力が集約しているモノ。


それを感じた時に、実際に食べると言うよりは
それを持っている自分に魔石に溜まっている力を自分に取り込むイメージを
まずはしてみた。


そのイメージをした途端に、魔石が光り、全身に魔力が流れ込む。


集団としての戦い方、集団戦のリーダーの振舞い方、リーダー自体の失敗と成功の歴史が
全て入ってきて、理解する事が出来た。
そして、聞いたことのない女性で機械的な声で


「スキル:レギオン 取得」と聞こえた。


その光が収まると、魔石からは魔力は感じなかった。


『喰った方が早いのだが、まぁしっかりと力は貰えた様じゃの』
「あぁ、レベルってよりスキルもらった。」
『なんじゃと!?』
「いや、スキル:レギオン 取得って聞こえたから多分、使えるはず」
『そんな簡単にスキルが取れてたまるか!!』


どうやら、レベルアップの事よりスキル取得の方が
驚いている、紅竜。


なんで?????



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