転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第12話 ここで生きていく。 これからどうするか?



「危険度マックスじゃねかぁ!!」


「落ち着いてくださいご主人様!」
うるうるした目でこちらを心配してくれる アマリア。


可愛いその表情のおかげか、気持ちは落ち着いてきた。
「ごめんなアマリア、ありがとう。」
そう返事をした時に気づいた。
俺の周りにラベンダーの様な香りが漂っているのを。
「この匂いは?」
「はい、落ち着いてもらえる様に………」
どんどん、小さい声になる アマリア。
目を合わせる為に、しゃがみこんで
「本当に、ありがとうな」
アマリアの頭を撫でながら、伝えた。


『落ち着いた様じゃな、これからお主はどうする?』
「どうすっかな〜」


急な異世界に飛ばされて、新しい知識や仲間との出会いはあったが
それでもまだまだここで生きるとは決めても知らないことが多すぎだ。


「人がいる所に行ってみたいかな、それか話が通じるならアマリアの様な魔物がいるなら
 そういう奴とも会ってみたいな。」


『まぁそれもそう良いとは思うし、人里に着く頃までにはお主もレベルがもっと上がるじゃろ。』
「うん??レベルって何?」
『そんなことも知らぬのか、お主は。。。』


その場、その場でまだ、1日も経っていないがある程度、紅竜の力で抜けきっているし
考えると言うか、何も知らない初見の奴にそんなことを言うのか、この紅竜は!
と心底思った。


『思っていることも、筒抜けじゃ、お主。。。。』
………………………………………………………………………プライバシーは無いらしい。


「知らないから、教えてくれないか紅竜先生」
『戦えば、上がるのじゃ!』
…………………………………………説明以上。
「おぉ〜」と言う声と一緒にパチパチと手を叩いて讃えている アマリア。
…………………………………………そう言うことじゃない!


ツッコミを声に出して言おうと思った時だった。


周りの気配が変わった。
赤黒い霧の様な気配が周りを取り囲む様に増えていく。
『レベルの話をしている時に、丁度良い奴らが現れたの〜』


可愛らしい雰囲気がありながらも、獲物を見定める目でワクワクしているのが
こいつらの正体がわかるアマリアが教えてくれた。
「ご主人様、レギオンゴブリンです。
 ただの集団としての活動では無く、獲物を殺す事のみに
 特化し自分達を鍛えているゴブリン集団です。」


おぉ〜、戦闘だとこんなにもハキハキ喋ってくれるのか、アマリアは!
そんな事を思っていたら
『お主に少し、わっしの力の使い方を教えてやろうぞ』
記憶だけで、姿のイメージは今までなかったが
その言葉の次には、紅き竜として気配がハッキリと確認できた。


「こんなバケモノみたいなもんが俺の中にあったのね…………」

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