異世界転生で貰ったチートがTS魔法少女変身能力でしたがこの世界で頑張るしか無いようです
21 竜種、魔法少女と相対する
「ラケルタ、お前は逃げろ!」
「そ、そんなっ!二人を置いてなんて!」
「お前がいた方が戦いにくいんだよっ!」
ラケルタと呼ばれた青い短髪に髪飾りをつけた少年を逃がすため二人の竜神族の戦士が盾になりつつ後退する。
だが、その巨体を持つ生物の歩幅は大きく人間の足では逃げきれる筈もない。
次第に追い詰められていった。
戦士二人が槍を投げるも竜種の肌には傷一つ付かず、万事休すとなりつつある。
「グルルルル...」
「く、くそっ!ここまでか...」
「何か手は....」
涎を垂らしその空腹を満たそうと胃液の匂いの充満する大きな顎を開け一歩また一歩と彼らに近づいていき、ついに鼻先に怪物の牙が当たる距離まで近づかれてしまった。
「ひいっ!も、もうダメだ...」
ラケルタが恐ろしさの余りに腰を抜かし、残る二人も覚悟を決め...その時だった。
「はあっ!」
「グガアアアッ!」
赤い髪のサイドポニーテールの少女が目にも止まらぬ速さで残像を残しながら怪物の顔面の左側面に飛び蹴りをすると、その数十トンとある体重の巨体が持ち上がり廃墟と化した村の家屋の一つに体を突っ込み倒れ込んだ。
「あ?一体何が...」
「あのドラゴンが吹っ飛んで行ったぞ?」
何が起きたのか皆目検討がつかない二人が未だ倒れている竜種を警戒しているとラケルタが震えた唇を動かした。
「き、君が...やったのか?」
そして少女が彼に手を伸ばすと。
「お待たせ、大丈夫だった?後はこのイオンちゃんに任せて良いよっ!」
ラケルタを起こしながら彼女は自信満々な表情で怪物に向き直った。
その威風堂々な立ち居振舞いに起き上がった怪物が怒りを顕にした。
「ガアアッ!ガアアッ!」
「....わあ、本当に恐竜だよ。まさかこの世界に来てジュラシック的な生物に会えるなんて...映画ファンとしては燃える展開だね。」
「あんた何者なんだ?冒険者か?」
「まさかギルドから?」
身長はそこまで高くなく、どちらかと言うと華奢な少女に恐る恐るそう問いかけると彼女は彼らと怪物の間に立ちはだかるように仁王立ちする。
「まあね。下がってて良いよ。ここから先は私がやるからさ。」
彼らを一瞥し、そう答えたイオンに対し戦士のプライドが許さないのか近くの棒切れを拾い構える。
「そういう訳に行くか!君みたいな女の子一人に戦わせられない!」
「ああ。俺達もやるぞ。」
だがイオンは邪魔だと言わんばかりに無言で覇気をその小さい身体から放出すると、まるで蛇に睨まれた蛙の様に固まり、武器を地面に滑り落とした。
彼らの戦闘経験から目の前の怪物よりも自分達を守っている少女の方が強いのを感じとり、恐怖に身体が縛り付けられた。
そのカランという音を引き金にイオンに牙を突き立てる。
「あ、危ない!」
ラケルタがそう叫び危険を知らせようとするがイオンは彼に振り向いたまま。
「大丈夫、大丈夫ー、ほいっと。えいっ!」
左側の犬歯の様に伸びきった牙を両手で掴むと怪物に向き直り、腰を捻らせながら両腕でその巨体を一回転させ組伏せた。
「なっ!ば、バカなっ!!」
「あの巨体をそんな簡単にっ!あり得ない...」
「す、凄い...」
叩きつけられた怪物はゆっくりと首をもたげながらイオンを金色の眼光で睨み付けるが、顎を浮かせた刹那イオンが顎下を蹴り上げると怪物の上半身が反り、数コンマ動きが止まり。
「グガッ!!」
「ふんっ!はああああっ!ていやーーっ!」
その隙を逃さず尻尾をがっしりと掴むとブンブン巨体を振り回し、回転速度がついてきた瞬間ぶん投げた。
何トンあるかわからない怪物の巨体が聳え立つ崖より上空に舞い上がり、そのまま背中から落下した。
「ひゅーーっ!痛そうだねぇっ!ねえ、見た見た?超飛んだ!」
「は、ははは...」
朗らかに笑いながら怪物を指差すイオンに彼ら3人は乾いた笑いを出すことしか出来ずにいると、未だ死んではいなかった竜種がおもむろに立ち上がり。
「逃げろ!黒こげにされるぞ!」
「後ろだ!嬢ちゃん!」
「え?」
イオンが振り向くと津波のような炎の海がイオンの身体を飲み込んだ。
「イオンさん!返事をしてくれ!イオンさん!」
ラケルタが叫ぶもイオンの声が聞こえることは無かった。
「そ、そんなっ!二人を置いてなんて!」
「お前がいた方が戦いにくいんだよっ!」
ラケルタと呼ばれた青い短髪に髪飾りをつけた少年を逃がすため二人の竜神族の戦士が盾になりつつ後退する。
だが、その巨体を持つ生物の歩幅は大きく人間の足では逃げきれる筈もない。
次第に追い詰められていった。
戦士二人が槍を投げるも竜種の肌には傷一つ付かず、万事休すとなりつつある。
「グルルルル...」
「く、くそっ!ここまでか...」
「何か手は....」
涎を垂らしその空腹を満たそうと胃液の匂いの充満する大きな顎を開け一歩また一歩と彼らに近づいていき、ついに鼻先に怪物の牙が当たる距離まで近づかれてしまった。
「ひいっ!も、もうダメだ...」
ラケルタが恐ろしさの余りに腰を抜かし、残る二人も覚悟を決め...その時だった。
「はあっ!」
「グガアアアッ!」
赤い髪のサイドポニーテールの少女が目にも止まらぬ速さで残像を残しながら怪物の顔面の左側面に飛び蹴りをすると、その数十トンとある体重の巨体が持ち上がり廃墟と化した村の家屋の一つに体を突っ込み倒れ込んだ。
「あ?一体何が...」
「あのドラゴンが吹っ飛んで行ったぞ?」
何が起きたのか皆目検討がつかない二人が未だ倒れている竜種を警戒しているとラケルタが震えた唇を動かした。
「き、君が...やったのか?」
そして少女が彼に手を伸ばすと。
「お待たせ、大丈夫だった?後はこのイオンちゃんに任せて良いよっ!」
ラケルタを起こしながら彼女は自信満々な表情で怪物に向き直った。
その威風堂々な立ち居振舞いに起き上がった怪物が怒りを顕にした。
「ガアアッ!ガアアッ!」
「....わあ、本当に恐竜だよ。まさかこの世界に来てジュラシック的な生物に会えるなんて...映画ファンとしては燃える展開だね。」
「あんた何者なんだ?冒険者か?」
「まさかギルドから?」
身長はそこまで高くなく、どちらかと言うと華奢な少女に恐る恐るそう問いかけると彼女は彼らと怪物の間に立ちはだかるように仁王立ちする。
「まあね。下がってて良いよ。ここから先は私がやるからさ。」
彼らを一瞥し、そう答えたイオンに対し戦士のプライドが許さないのか近くの棒切れを拾い構える。
「そういう訳に行くか!君みたいな女の子一人に戦わせられない!」
「ああ。俺達もやるぞ。」
だがイオンは邪魔だと言わんばかりに無言で覇気をその小さい身体から放出すると、まるで蛇に睨まれた蛙の様に固まり、武器を地面に滑り落とした。
彼らの戦闘経験から目の前の怪物よりも自分達を守っている少女の方が強いのを感じとり、恐怖に身体が縛り付けられた。
そのカランという音を引き金にイオンに牙を突き立てる。
「あ、危ない!」
ラケルタがそう叫び危険を知らせようとするがイオンは彼に振り向いたまま。
「大丈夫、大丈夫ー、ほいっと。えいっ!」
左側の犬歯の様に伸びきった牙を両手で掴むと怪物に向き直り、腰を捻らせながら両腕でその巨体を一回転させ組伏せた。
「なっ!ば、バカなっ!!」
「あの巨体をそんな簡単にっ!あり得ない...」
「す、凄い...」
叩きつけられた怪物はゆっくりと首をもたげながらイオンを金色の眼光で睨み付けるが、顎を浮かせた刹那イオンが顎下を蹴り上げると怪物の上半身が反り、数コンマ動きが止まり。
「グガッ!!」
「ふんっ!はああああっ!ていやーーっ!」
その隙を逃さず尻尾をがっしりと掴むとブンブン巨体を振り回し、回転速度がついてきた瞬間ぶん投げた。
何トンあるかわからない怪物の巨体が聳え立つ崖より上空に舞い上がり、そのまま背中から落下した。
「ひゅーーっ!痛そうだねぇっ!ねえ、見た見た?超飛んだ!」
「は、ははは...」
朗らかに笑いながら怪物を指差すイオンに彼ら3人は乾いた笑いを出すことしか出来ずにいると、未だ死んではいなかった竜種がおもむろに立ち上がり。
「逃げろ!黒こげにされるぞ!」
「後ろだ!嬢ちゃん!」
「え?」
イオンが振り向くと津波のような炎の海がイオンの身体を飲み込んだ。
「イオンさん!返事をしてくれ!イオンさん!」
ラケルタが叫ぶもイオンの声が聞こえることは無かった。
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