異世界転生で貰ったチートがTS魔法少女変身能力でしたがこの世界で頑張るしか無いようです
12 レッスン開始!!
「はい!はい!はい!そこでターンッ!ちょっとちょっと!何やってんの!遅いじゃないの!後0.5秒縮めなさい!!」
「は、はいぃぃぃっ!!」
「ははは...いおりさん大変そうですね...リンスさん。」
「これで更に集客力アップ...ぐふふ...」
俺は二人に依頼の内容を伝えカンシェル一座の臨時に立てられた公演会場の隣にある一座のテントに来たのだが....
「まさか躍りの稽古が始まるなんて予想外でしたね。」
「ひゃはは!勝って貰わないと困るからね~!このままだとまずいよねえっ!」
ピエロ姿の座長が掴み所の無い飄々とした仕草でそう告げてきた通りあの踊り子三人組はどうやらアルル共和国とカルル帝国、この世界の唯一無二の二つの国で公演を成功させている張本人らしい。
そしてその三人に勝つためには俺のダンススキルでは到底及ばず、1日だけのレッスンで付け焼き刃を装備させるつもりだ。
「はい!一旦休憩にしましょうか、イオンちゃん。午前中よりか大分良くなってきたわ!」
「あっ有り難うございます!!」
そして今躍りの指南役...所謂インストラクターのオカマの“お姉さん”にご指導を賜っている。
だが、どう考えてもダンスの年季が違うため勝つのは難しく、その為に他の方法...つまり俺の知り得る日本の音楽業界の躍りや音楽を伝える事にした。
「こういう音楽を作れますか?」
「まあ出来なくはねえな...けど娘さん、あんた正気か?こんなん聞いたこともねえぞ?しかも歌いながらなんて。」
音楽団の団長さんの言った通りこの世界の住人が聞いたこともないのは当たり前だ。
俺が教えたのは日本のJ-POPやガールズアイドルの音楽で、それに歌が追加される。
どうやらこの世界の躍りやパフォーマンスで歌を歌うことは無く、唄うなら吟遊詩人の語りぐらいらしい。
だからこその狙い目だ。逆にこれが上手くいかないのなら俺に勝ち目は無く敗ければ、ギルド、アイドル活動も出来なくなり事実上破産になり路頭に迷うか野垂れ死ぬしかなくなる。
(それだけは嫌だ...餓死とかしたくない...何とか形にしないと。)
そう決意した俺は...
「もう休憩は十分なので続きお願いします!」
と頭を下げると一座の皆はフッと表情を和らぎさせるとオカマのお姉さんの主導で躍りの指導が再開した。
「はっ、はっ、はっ!」
「こらっ!其処のステップまた間違えてるわよっ!何度も同じ所でミスしない!もう一度!」
「はいっ!!ほっ、はっ、ていっ!」
「イオンちゃん、ダメダメ!笑顔を忘れないっ!」
「は、はい!すいません!」
日本のガールズアイドルグループとバックダンサーのダンスを取り入れた新機軸のダンスを練習している最中の事だ。
「通しでやってごらんなさい。まずは手を上に掲げて...」
(右下に振り向きながらお客さんに背中を見せるように半ターンする!そして右手を水平にしつつ....此処で胸元に持ってって左手を前にしなやかに持っていって、振り向くっ!)
練習通りステップを踏みながら笑顔を忘れずにタタンッタタンッと木製の床を踏み鳴らしている時に座長さんから声が掛かった。
「ごめんねっ!イオンっち!ちょっとお話ししちゃおうかっ!!」
相変わらずのおちゃらけ具合に困り顔をしながらオカマのお姉さんの顔を見るとやれやれと仕草をしながらこちらに頷いている。
「いいわよ、座長。...あの事話すのでしょう?そこの二人も聞くの?」
「良いんですか?」
「勿論!」
「では、拝聴致しますね。イオンさんこちらに来てください。」
俺達三人は顔を見合わせながら隣部屋の談話室に入り、円形の机の廻りにずらっとこれまた円を作るように置かれたソファに思い思いの場所に腰を下ろす。
全員が座ったのを確認した座長が先程とは打って変わってピエロ姿のままだと思えない程真剣な面持ちでトーンの落とした声で語り始めた。
「じゃあ聞いて貰おうか。シャンテとあの子達二人に起きたことを...」
その話に俺達三人は驚愕を禁じ得なかった。
何故なら過去に昨日のような事件があり、その時は昨日と違い最後まであったのだという内容に今や芽生えつつあるイオンの女としての精神が揺れ、身体は身震いを起こしていた。
「だから勝って解放してあげて欲しいの。あの子にこのカンシェル一座は辛すぎる場所だから。」
オカマさんのその言葉に俺達はただただ頷くしか出来ず、その後の稽古に俺は夜遅くまで一層励むこととなった。
シャンテに勝ってその傷を解放するために。
「は、はいぃぃぃっ!!」
「ははは...いおりさん大変そうですね...リンスさん。」
「これで更に集客力アップ...ぐふふ...」
俺は二人に依頼の内容を伝えカンシェル一座の臨時に立てられた公演会場の隣にある一座のテントに来たのだが....
「まさか躍りの稽古が始まるなんて予想外でしたね。」
「ひゃはは!勝って貰わないと困るからね~!このままだとまずいよねえっ!」
ピエロ姿の座長が掴み所の無い飄々とした仕草でそう告げてきた通りあの踊り子三人組はどうやらアルル共和国とカルル帝国、この世界の唯一無二の二つの国で公演を成功させている張本人らしい。
そしてその三人に勝つためには俺のダンススキルでは到底及ばず、1日だけのレッスンで付け焼き刃を装備させるつもりだ。
「はい!一旦休憩にしましょうか、イオンちゃん。午前中よりか大分良くなってきたわ!」
「あっ有り難うございます!!」
そして今躍りの指南役...所謂インストラクターのオカマの“お姉さん”にご指導を賜っている。
だが、どう考えてもダンスの年季が違うため勝つのは難しく、その為に他の方法...つまり俺の知り得る日本の音楽業界の躍りや音楽を伝える事にした。
「こういう音楽を作れますか?」
「まあ出来なくはねえな...けど娘さん、あんた正気か?こんなん聞いたこともねえぞ?しかも歌いながらなんて。」
音楽団の団長さんの言った通りこの世界の住人が聞いたこともないのは当たり前だ。
俺が教えたのは日本のJ-POPやガールズアイドルの音楽で、それに歌が追加される。
どうやらこの世界の躍りやパフォーマンスで歌を歌うことは無く、唄うなら吟遊詩人の語りぐらいらしい。
だからこその狙い目だ。逆にこれが上手くいかないのなら俺に勝ち目は無く敗ければ、ギルド、アイドル活動も出来なくなり事実上破産になり路頭に迷うか野垂れ死ぬしかなくなる。
(それだけは嫌だ...餓死とかしたくない...何とか形にしないと。)
そう決意した俺は...
「もう休憩は十分なので続きお願いします!」
と頭を下げると一座の皆はフッと表情を和らぎさせるとオカマのお姉さんの主導で躍りの指導が再開した。
「はっ、はっ、はっ!」
「こらっ!其処のステップまた間違えてるわよっ!何度も同じ所でミスしない!もう一度!」
「はいっ!!ほっ、はっ、ていっ!」
「イオンちゃん、ダメダメ!笑顔を忘れないっ!」
「は、はい!すいません!」
日本のガールズアイドルグループとバックダンサーのダンスを取り入れた新機軸のダンスを練習している最中の事だ。
「通しでやってごらんなさい。まずは手を上に掲げて...」
(右下に振り向きながらお客さんに背中を見せるように半ターンする!そして右手を水平にしつつ....此処で胸元に持ってって左手を前にしなやかに持っていって、振り向くっ!)
練習通りステップを踏みながら笑顔を忘れずにタタンッタタンッと木製の床を踏み鳴らしている時に座長さんから声が掛かった。
「ごめんねっ!イオンっち!ちょっとお話ししちゃおうかっ!!」
相変わらずのおちゃらけ具合に困り顔をしながらオカマのお姉さんの顔を見るとやれやれと仕草をしながらこちらに頷いている。
「いいわよ、座長。...あの事話すのでしょう?そこの二人も聞くの?」
「良いんですか?」
「勿論!」
「では、拝聴致しますね。イオンさんこちらに来てください。」
俺達三人は顔を見合わせながら隣部屋の談話室に入り、円形の机の廻りにずらっとこれまた円を作るように置かれたソファに思い思いの場所に腰を下ろす。
全員が座ったのを確認した座長が先程とは打って変わってピエロ姿のままだと思えない程真剣な面持ちでトーンの落とした声で語り始めた。
「じゃあ聞いて貰おうか。シャンテとあの子達二人に起きたことを...」
その話に俺達三人は驚愕を禁じ得なかった。
何故なら過去に昨日のような事件があり、その時は昨日と違い最後まであったのだという内容に今や芽生えつつあるイオンの女としての精神が揺れ、身体は身震いを起こしていた。
「だから勝って解放してあげて欲しいの。あの子にこのカンシェル一座は辛すぎる場所だから。」
オカマさんのその言葉に俺達はただただ頷くしか出来ず、その後の稽古に俺は夜遅くまで一層励むこととなった。
シャンテに勝ってその傷を解放するために。
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