苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件
医者探しの件
「ユウキくん、ルーシェちゃん来たけど」
「はあ?まだ...おいおい、6時じゃねえか...何の用だよ...」
「何でも医者の件で心当たりがあるって...」
それを聞くなり飛び起き上着を着て外に出る。
するとリビングで椅子に座って粗茶を飲んでいた。
「もっと良いの飲ましてやれよ。流石に粗茶は...」
「粗茶で十分だよー。」
ニコニコ笑顔を振り撒いているが目が笑ってなかった。
「はい、どうぞ。」
「ああ...ありがとよ」
いつもと同じくパンとコーヒーを俺がいつも座っている場所に準備してあり、もう食べるだけの状態になっている。
だが今日は話をする方が先だ。
「そういえばトトの事聞いたぞ。どこ行ったんだか...」
「知らない」
「...そうか...」
トトは恐らく本当にルーシェに嫌悪感を感じているだろうがルーシェ本人からはそんな気配は感じられたことがない。
あるとしたらアトリエを悪く言われた時ぐらいだろう。
あの時のルーシェは何だかおかしかった。
何がかまでは分からないが。ともかく違和感を感じたのは確かだ。
「で、今日はどうしたんだ?」
「うん。あのさ...もし首長国から来てくれそうな医者が居るなら探しに行ったり出来るかな?」
「...居るのか?」
座りながら問いかけるとルーシェは頷く。
「....分かった....居るんなら行かないとな。死なせるわけにはいかない...もう死ぬ必要がない人が死ぬのは見たくない」
「なら準備しないとね。トリスリアちゃん達にも...」
「いや、今回は駄目だ。一人で行く」
準備をしようと戸棚から水筒を取り出していたロゼが口を尖らせている。
「えー!?なんでー!?」
「今回は状況が悪い。もしレオンが懲りずに来たらどうするんだ。流石に2人とも抜けれないだろ」
「うー、でもぉ」
「でもは無しだ。頼む、ロゼ。」
ロゼの目を見つめ紳士的に頼むと理解してくれたのかしょぼしょぼとトリスリア達を起こしに行ったようだ。
「じゃあ私も帰るね。準備もあるし」
「ああ...待て、準備ってなんだ?」
「勿論一緒に行くんだよ。道案内必要でしょ?」
ロゼが部屋からでも聞き取ったのか鬼の形相で戻ってきた。
「な、ななな、なんですってぇーー!やっぱり私も...!」
「ふああ...ちびっとは正妻として余裕持ちなんしよー。そんなんじゃあ愛想尽かされなんぞー...むにゃむにゃ」
「ですねぇ...そんなに心配しなくてもぉ、ご主人様ならぁ大丈夫ですよぉ」
「うぐぐぐ....」
これ以上面倒な状況にならなければいいんだが。
それはそうと、朝ぐらい静かにしてくれ...
ーー「あら、ユウキさん。昨日ぶりですね。今日はどのようなご用事で?」
「どのようなってそりゃあ首長国に行くからよ、一応報告と頼みごとをな」
「.....えっと?何しに行かれるのですか?」
なんだ?話が噛み合わないぞ...?
「あ、ああ。実は今日の朝なんだが...」
「お兄さん!おはよう!」
突如、後ろの扉からいきなり現れたルーシェの登場に心臓が口から飛び出しそうになった。
今は昼時、ルーシェもアトリエで準備をしているものだと思っていたが。
「いやー、今日も仕事日和だね!ほらっ!もうすぐトリスリアちゃんも来るからね!」
「分かってる。もう少し待ってろ。アル...済まないがアルラウネの葉を1枚貰えないか?」
そう告げながらルーシェを一瞥する。
特に現状異変はないがいざというときに連絡は取れるようにしておきたいからな。
「それは構いませんが...先程から一体...」
「気にするなとは言わん。存分に気にしておけ。気にしながら何も聞かないでくれ」
「意味がよく...」
「俺を信じてくれるか?それだけ教えてくれ」
敢えてルーシェにも聞こえるように声量を上げそう伝えるとアルは何も言わず首を縦に振る。
ルーシェもこちらを気にしている様子だがつっこんでは来ないことに安堵する。
「では...こちらを」
「ああ、恩に着る。その内帰るから」
「はい。分かりました。」
さて、お次はグリフォンの所だ。
ーーやはり着いてきているか...
なにやらストーキングされている気分になってきた。
「グリフォン、お疲れさん。」
「ユウキの旦那じゃないですかい。今日はなに用で?」
「これを2通頼む。場所は封筒に入ってるから後で確認を...あとこれで何も言わず受けてくれ」
懐から木の実を大量に保存箱に入れグリフォンの首を優しく撫でる。
「こんなにですかい?一体何事です?」
「今は聞くな...それよりも一つ聞きたいことがある。俺とロゼが出発した日にちの前後に手紙を預からなかったか?」
「手紙ですかい?どんな?」
「俺宛じゃない。この村の誰かが外に送る手紙だ」
この村から俺が知る限り誰も外に出ていない。
ならグリフォンを通して内通している筈だ。
「あ~...確かユウキの旦那が行った直後に2通預かりましたね」
ビンゴ...しかしここからが重要だ。
「それは誰でどこ宛だ」
「一つはルーシェ様ですな。確か帝国の帝都のある家ですな。誰も住んでなさそうでしたがね。」
「もう一つは?」
「トトアーシュ様です。こっちは首長国ですがね...場所は確か病院でしたかね」
病院と廃屋...どちらもあり得そうだな。
逆に言えば何も分からなかったわけだが。
2人が怪しいのは間違いないがどちらかはまだ分からない。
「すまんな、助かった。」
「いえ、まいどー」
グリフォン小屋から立ち去るともたれ掛かっていたルーシェが近寄ってきた。
「なに話してたの?」
「世間話だ」
「ふうん...そっか...トリスリアちゃん、村の外で待ってるってさ」
もう俺が疑っているのを感ずいているのに何故なにもアクションを起こさないのか...俺はルーシェに得たいの知れない物を感じ始めていた。
「はあ?まだ...おいおい、6時じゃねえか...何の用だよ...」
「何でも医者の件で心当たりがあるって...」
それを聞くなり飛び起き上着を着て外に出る。
するとリビングで椅子に座って粗茶を飲んでいた。
「もっと良いの飲ましてやれよ。流石に粗茶は...」
「粗茶で十分だよー。」
ニコニコ笑顔を振り撒いているが目が笑ってなかった。
「はい、どうぞ。」
「ああ...ありがとよ」
いつもと同じくパンとコーヒーを俺がいつも座っている場所に準備してあり、もう食べるだけの状態になっている。
だが今日は話をする方が先だ。
「そういえばトトの事聞いたぞ。どこ行ったんだか...」
「知らない」
「...そうか...」
トトは恐らく本当にルーシェに嫌悪感を感じているだろうがルーシェ本人からはそんな気配は感じられたことがない。
あるとしたらアトリエを悪く言われた時ぐらいだろう。
あの時のルーシェは何だかおかしかった。
何がかまでは分からないが。ともかく違和感を感じたのは確かだ。
「で、今日はどうしたんだ?」
「うん。あのさ...もし首長国から来てくれそうな医者が居るなら探しに行ったり出来るかな?」
「...居るのか?」
座りながら問いかけるとルーシェは頷く。
「....分かった....居るんなら行かないとな。死なせるわけにはいかない...もう死ぬ必要がない人が死ぬのは見たくない」
「なら準備しないとね。トリスリアちゃん達にも...」
「いや、今回は駄目だ。一人で行く」
準備をしようと戸棚から水筒を取り出していたロゼが口を尖らせている。
「えー!?なんでー!?」
「今回は状況が悪い。もしレオンが懲りずに来たらどうするんだ。流石に2人とも抜けれないだろ」
「うー、でもぉ」
「でもは無しだ。頼む、ロゼ。」
ロゼの目を見つめ紳士的に頼むと理解してくれたのかしょぼしょぼとトリスリア達を起こしに行ったようだ。
「じゃあ私も帰るね。準備もあるし」
「ああ...待て、準備ってなんだ?」
「勿論一緒に行くんだよ。道案内必要でしょ?」
ロゼが部屋からでも聞き取ったのか鬼の形相で戻ってきた。
「な、ななな、なんですってぇーー!やっぱり私も...!」
「ふああ...ちびっとは正妻として余裕持ちなんしよー。そんなんじゃあ愛想尽かされなんぞー...むにゃむにゃ」
「ですねぇ...そんなに心配しなくてもぉ、ご主人様ならぁ大丈夫ですよぉ」
「うぐぐぐ....」
これ以上面倒な状況にならなければいいんだが。
それはそうと、朝ぐらい静かにしてくれ...
ーー「あら、ユウキさん。昨日ぶりですね。今日はどのようなご用事で?」
「どのようなってそりゃあ首長国に行くからよ、一応報告と頼みごとをな」
「.....えっと?何しに行かれるのですか?」
なんだ?話が噛み合わないぞ...?
「あ、ああ。実は今日の朝なんだが...」
「お兄さん!おはよう!」
突如、後ろの扉からいきなり現れたルーシェの登場に心臓が口から飛び出しそうになった。
今は昼時、ルーシェもアトリエで準備をしているものだと思っていたが。
「いやー、今日も仕事日和だね!ほらっ!もうすぐトリスリアちゃんも来るからね!」
「分かってる。もう少し待ってろ。アル...済まないがアルラウネの葉を1枚貰えないか?」
そう告げながらルーシェを一瞥する。
特に現状異変はないがいざというときに連絡は取れるようにしておきたいからな。
「それは構いませんが...先程から一体...」
「気にするなとは言わん。存分に気にしておけ。気にしながら何も聞かないでくれ」
「意味がよく...」
「俺を信じてくれるか?それだけ教えてくれ」
敢えてルーシェにも聞こえるように声量を上げそう伝えるとアルは何も言わず首を縦に振る。
ルーシェもこちらを気にしている様子だがつっこんでは来ないことに安堵する。
「では...こちらを」
「ああ、恩に着る。その内帰るから」
「はい。分かりました。」
さて、お次はグリフォンの所だ。
ーーやはり着いてきているか...
なにやらストーキングされている気分になってきた。
「グリフォン、お疲れさん。」
「ユウキの旦那じゃないですかい。今日はなに用で?」
「これを2通頼む。場所は封筒に入ってるから後で確認を...あとこれで何も言わず受けてくれ」
懐から木の実を大量に保存箱に入れグリフォンの首を優しく撫でる。
「こんなにですかい?一体何事です?」
「今は聞くな...それよりも一つ聞きたいことがある。俺とロゼが出発した日にちの前後に手紙を預からなかったか?」
「手紙ですかい?どんな?」
「俺宛じゃない。この村の誰かが外に送る手紙だ」
この村から俺が知る限り誰も外に出ていない。
ならグリフォンを通して内通している筈だ。
「あ~...確かユウキの旦那が行った直後に2通預かりましたね」
ビンゴ...しかしここからが重要だ。
「それは誰でどこ宛だ」
「一つはルーシェ様ですな。確か帝国の帝都のある家ですな。誰も住んでなさそうでしたがね。」
「もう一つは?」
「トトアーシュ様です。こっちは首長国ですがね...場所は確か病院でしたかね」
病院と廃屋...どちらもあり得そうだな。
逆に言えば何も分からなかったわけだが。
2人が怪しいのは間違いないがどちらかはまだ分からない。
「すまんな、助かった。」
「いえ、まいどー」
グリフォン小屋から立ち去るともたれ掛かっていたルーシェが近寄ってきた。
「なに話してたの?」
「世間話だ」
「ふうん...そっか...トリスリアちゃん、村の外で待ってるってさ」
もう俺が疑っているのを感ずいているのに何故なにもアクションを起こさないのか...俺はルーシェに得たいの知れない物を感じ始めていた。
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