異世界に来ましたが俺はスローライフを送りたいだけです

ベレット

ギルド登録なんてしたくない

「中世って感じですね!」


「そうだな.....はあ....」


本当に来てしまった....
来たくなかったなあ....


にしても異世界って感じの町だ。
片田舎って言えるようなまばらな人だが。


「これからどうしたら....」


「あのー、取り敢えず自己紹介しませんか?....私はリンカって言います!」


いちいち手を握らないでくれ。
童貞には刺激が強いんだよ。


「.....俺はユウトって呼んでくれ」


「はい!ユウトさんですね!あのー、ユウトさん。これからどうするんですか?」


「何で俺に聞くんだ...知らないよ。あ、ちょっと待て。確かパンフに目的がどうのって...」


二人して制服のポケットに差し込んだパンフレットを取り出し開く。


.....!?
俺達、制服のまんまじゃねえか!
せめて服装くらいは用意しとけよ、あの神。


「この光ってる箇所のをやれば良いんでしょうか?えーと、神様クエスト?」


そこにはこう記されている。


『神様クエストの概要
神様クエストをこなせば徐々に強くなれるよ、多分。 たまにレアアイテムの進呈も!    』


多分てなんだ。バカにしてんのか。
...にてもこれはあれだな、チュートリアルクエストか。
アプリゲームとかにあるやつ。


えーと、なになに?
最初のお題は....ギルドに登録しよう...だと...
や、やりたくねえ...ギルドって言ったら戦闘がメインじゃないか。
転生したばかりの現代人に勝てるわけがない。
ましてや、チートも武器も無い...のに....


「っ!?あのくっそ神がぁ!」


「きゃあ!ど、どうかしましたか!?」


何も貰ってねえじゃねえか....
どうやって生き残れというのか....


「何でもない....なあ、本当に行かないとダメなのか?」


「行きましょう!ギルドが何かは知りませんがワクワクは感じます!」


こいつと別行動したい...


「ですけど何処にあるんでしょうか?あれ?これ....あっ!何か出ました!あそこでしょうか!?」


「なんだありゃ....」


リンカが神様クエストの文字を触るとギルドらしき建物に光が降り注いでいる。
まるで神様が祝福しているかのようだ。


あの神様の祝福は要らんが。


「あっ!ちょっと待てって!ああもう、世話のかかる!」


行きたくないがリンカを放っておくのも寝覚めが悪いと思い、追いかけることにした。







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